第19話敵対する奴には力で。
昨日、ヘビ兄弟という奴らが王様の命令によりシャナを国へ取り戻すため派遣されてきた。アリスとサソリ男の協力により無事、追い返すことに成功はしたが…
(俺「あぁいった連中が今後も攻めてくるとたまったもんじゃねーぞ…。対処しきれなくなるだろうし…」
(アリス「そうだな…ヘビ兄弟はもうむこうの世界へ帰っているかもしれん。そうなったら王が私とシャナの状況を知るはずだ…。」
だよな…そうなったら確実に王はこっちの世界へたくさんの敵を派遣するだろうな…。まずいことになったな。
(俺「…まともに戦えるのはアリスとサソリ男だけ…俺は人間だし避けるので精一杯だ」
シャナは…たしか、サソリ男に一発だけどでかいのを当てていたな?でもあれも不意打ちだ。正面からの戦いじゃまともにやれないだろう。
(アリス「…すまない…私はお前達を守りきれない」
(俺「え、どうした?別にお前はシャナを守ってればいいんだ。俺はいい」
こういったはものの、俺は守ってもらう立場。半分獣、半分人間の相手にやれるわけない。
(サソリ男「そう言っても、アリスはそこまで強いわけじゃねーんだぞォ?」
(俺「え?強いだろアリスは。」
(サソリ男「お前から見ればそうかもな。だが、俺たちの世界ではアリスは強い方ではないんだぜェ。犬族の長なのは昨日も言ったが、優秀さでなってるわけだ。強さなら圧倒的にアリスの兄のほうが上なんだからな。」
(アリス「………コイツの言う通りだ。私はまだまだ弱い」
びっくりだ…アリスがしょぼくれてる。俺はてっきりサソリ男に猛烈に反抗していくのかと思ったが…ほんとなのか…あっちの世界じゃアリスは強くないってのは。
(俺「そうか…ていうか、サソリ男お前は俺達の味方なのか?昨日は助けてくれたが…」
そう。ここが一番気になるところだ。サソリ男はシャナの奪還と見せかけて本当はシャナの暗殺を狙っていた。だが俺達に捕まり、大人しくなった。ヘビ兄弟相手には助けてくれたが本来コイツは敵だ…。
(サソリ男「…仲間であって味方ではない…そんな感じだなァ。まぁ深くは言わない。」
(俺「そうか。」
そうかと言ってしまったが、よくわからないぞ?
仲間であって味方ではない…協力はしあうのか?でもこの感じだと深掘りはできなそうだな。
(俺「ならまぁサソリ男はいいだろうが、俺は確実に戦えば負ける。だから体を鍛えるのはどうよ?」
(サソリ男「鍛えるか。でも山本たいきお前は人間だろォ?鍛えても対抗できるかは分からんぞ」
(俺「やらないよりはマシだろ?少しは反撃できる体にしたいんだ」
(アリス「…山本たいき。私も鍛えるぞ。」
(俺「お?アリスもか!」
(アリス「あぁ。私は犬族の長にふさわしい強さになる。そしてシャナを守り切る。」
これは硬い意志だな。目標ができた人間は強いぞぉー。
(俺「そう言えば、サソリ男、お前温泉行ったとき腹筋あったよな?俺に鍛え方教えてくれ!」
(サソリ男「はぁ?鍛え方なんざお前らの世界にあるもんで調べればいいだろ」
まぁそうなんだが…相手をするのはサソリ男と同じ奴ら。ならソイツらと同じサソリ男に鍛えてもらったほうが良いと思うからなー。
(俺「お願いだ!オラはもっと強くなりてぇんだ」
(サソリ男「………そうか……まぁいいだろう。俺は暗殺一家の生まれだ。下の者に暗殺術を教えることがあるからな。教えるのはうまいぞォ?」
ほほぉ!これは頼もしい!でも暗殺術はいらないかな。
(アリス「そういうことでだ。私はこれから出かける」
(俺「えっ?大丈夫か?てかどこいくんだ?」
(アリス「山の中…だ。そこで鍛えることにする」
山の中…修行僧てきなことをするのか?
(サソリ男「アイツも鍛えるみたいだし、山本たいき。お前もさっそくやるぞ」
(俺「オッケー!」
ということで鍛えるけどどんなのをするんだろ。あっちの世界も同じようなもんなのかな?腕立て伏せ?腹筋?背筋?なんだろ
(サソリ男「まずはお前の力量を知りたい。腕立てをやってみろ」
(俺「おぉうよ!やってやるぜ」
…こう言ってるけどなぁ、腕立て伏せなんて高校卒業から一回もしたことないかもな。高校のときは20が限界だった気がするが。
(俺「…うぅふうっ…ふぃぃぃいぃ!」
…おっ…キツイな…あれ?まだ10回も行ってないんだけどな?おっかしいな?
(サソリ男「おいおい…お前まだ6回だぞ?もうキチィのかァ?」
(俺「いや…ね?まだやれる…よ…」
虚勢はってるけどもう無理かも!20回なんていけっこねぇよ!
(俺「もう…無理です」
ドテッ。
きつすぎる…。なんてことだ。高校の時の俺は一体どこへやら。
(サソリ男「おいまじか?記録…13回だと?」
くうっ…小学生でも13回超えはいる!俺も落ちたな…。
(サソリ男「腕立てはもうわかった。次は腹筋だ。やってみろ。」
腹筋か…。腹筋は腕立てと違って、高校卒業しても、モテたい。という一心でやってた頃もあった、もうやってないけどあのときは確か36回は行けたな?腕立てよりはキツくないからなー。
(俺「よぉーし!行くぜぇ!超えろ!20回!」
…まじか…なんだよ…10回までは中々のペースで行けたが、そっからが問題だ。腰が痛い!なんたまこりゃ!実際卒業してもやってた頃があったって言っても、数日間だけ!1週間もやってない。
(俺「ふぃいぃぃぃ!はぁあ」
(サソリ男「腹筋は20回って越えろよ?さすがにやべぇぞ」
全力を!全力をだせぇ!行っけぇぇぇぇぇぇぇぇ!
ドテッ。
(俺「ハァハァハァ」
(サソリ男「…記録は26回。まぁやったほうだろ。」
以前の記録には及ばないものの、俺的には満足だ。
(サソリ男「じゃあ鍛えてもらうが、目標は腕立て伏せ50回。腹筋100回は行けるようにしろ。」
(俺「は、はぁぁぁあ?腹筋100???ちょちょっと…それは無理があるんじゃないすかね?」
腹筋100回に釣られたが、腕立て伏せ50回のほうがキツくないか?
(サソリ男「あぁ?シャナ様を守りてぇんだろ?お前が戦えるようにって言ったんじゃねーか。」
(俺「うぅぅ……」
そうだよな…俺が自分から言いだしたことだ。文句言ってる場合ではない。やらなくては。
(俺「やっるしかないな、腕立て伏せ50!腹筋100!」
(シャナ「どうしたんですか?そんな大声だして」
(俺「お!シャナ。起きたのか?実はな。俺鍛えて強くなることにしたんだ」
(シャナ「はぇー!たいきさんが!一体どうしてですか?」
(俺「自分自身で昨日来た、ヘビ兄弟みたいな奴らを追い払えるようになるためよ!アリスはお前守るために今修行に向かったぞ」
(シャナ「そうなんですか…アリスまで…ありがとうございます。それと、昨日来たヘビ兄弟ってのはなんですか?」
へ?…そうかコイツ、ヘビ兄弟との戦いの騒音でも起きなかったんだ。あのまま寝続けたのかよ。アリスが戦ってたのに…。
(俺「いや?まぁー…」
ここははぶらかしておくか。シャナに昨日のことを教えたら、アリスを心配してアリスを戦わせなくなるかも。
(シャナ「?ふぅーんそうですか。じゃあ私は朝の歯磨きしてきますねー!」
(俺「おう…ん?歯磨き?いや…お前、この家には歯ブラシ俺の分の一つしかないけど…」
(シャナ「ん?たいきさんの使わせてもらってますよ」
(俺「………」
よし。歯ブラシ買い替えよ。
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