第11話俺とアイツ。

サソリ男を捕らえたことにより、俺たちは一定期間は安全ということになった。


(俺「俺たちを襲う奴らが来ないのなら買い物とかも気軽にできるなー!」

サソリ男の奇襲からまともに外へ出ていない。

(シャナ「そうですねー!私も買い物についてってみたいです!」

あーそう言や、シャナとの外出はサソリ男と初めてあったときだけだったな。


(俺「ならさっそく、どっか行くか!」

(シャナ「おぉ!いいですね!私もこの世界を堪能したいです!」

(アリス「…それはいいが、お前たち変に目立つなよ。」

アリスのピリピリ具合はいつも、変わらんな。

(俺「おっけー!」

(サソリ男「俺もいかせろよォ。」

(俺「はっ?」

何を言ってんだコイツは…。

(サソリ男「俺だってこっちの世界へ来るのは初なんだぞォ」

(俺「しらねーよ。」

(シャナ「たいきさん!いいんじゃないですかね?」


(俺「あー?何いってんだよ!シャナ。コイツは言っとくが暗殺一家なんだぞ?お前でもわかってるだろ」

ほーんとシャナは危機感ねーな。

(シャナ「…あのサソリさんと仲良くして、私に同情してもらうんです!そしたら、彼女を殺せない!、ってなりますよ」


(俺「いやいや…そんな子供相手にすることで…」

暗殺一家の一人が同情してたら殺しなんてでっきこねぇーぞ。

(俺「まぁ…いいか…サソリ野郎!シャナに感謝しろよ! 」


昨日からコイツを見てたが、反抗するような感じはない…諦めたのか…そんなわけはないか…。


(俺「えっーと、お前らの尻尾を隠すのに…コレと…コレ」

シャナには大きめのコートで十分だな。耳は帽子で余裕。

だが、サソリ野郎はどうすっかな。アイツの尻尾は中々でけぇーんだよな。


(俺「これで…いけっかな?」

(サソリ男「…なんだ…その黒い布は?」

(俺「んー?これはただの黒い布だぞ」

ということで、サソリ男にはでっかい布を羽織らせた。コイツは耳とかねぇーから帽子はいらないな。

(俺「よぉーし!いくぞ!」


タッ、タッ、タッ。


とくに行くとこもないからな…街を10分ほど歩き回る。


(シャナ「お家がほんとに多いですね。」

(サソリ男「俺たちの世界にもこのような場所はあるが、こんな密集はしてないなァ。」


(俺「ほふぅーん。」

(シャナ「サソリさんは、元の世界へは帰らなくてもいいんですか?」

(サソリ男「まぁ…まだやることがあるからなァ。」

(俺「お?お前まさかまだシャナ狙ってんのか?!」


(サソリ男「ちげーよォ。」

むぅーん。怪しいな。だが変な真似をするようなら容赦はしないぞ。俺のフルパワーパンチを食らわしてやるぜ。

(シャナ「この世界は平和ですね。みんな無防備で歩いてますね…。」


(俺「まぁ日本は戦争とかしてねぇーし…暗殺一家とかも多分いねぇーからな。」


(サソリ男「こんな無防備な奴らなら俺は瞬殺できるなァ。」

(俺「お前達は見つかるとやべーだろ?変なことを言ってんちゃうぞ」

まぁ今までよくこの世界で見つからなったな…。

いや…そもそもこっちの世界へ来れる奴らがそうそういないのか。

(???「あれー?たいきじゃん!そうだよな?」

(俺「あっ…お前。」

(シャナ「ん…?お知り合いですか?たいきさん。」

丸メガネに長い前髪。そして金髪というチャラさ。

(俺「あー。コイツはな、俺の孤児院の友達…。大森シンだ。」

(大森シン「あー、どもども!大森です!」

コイツは、孤児院から出てったあと急に金髪に染めた…。チャラ男。

(シャナ「へー!たいきさんのお友達!こんにちは!」


(大森シン「こんにちは!お嬢さんかわいいねぇ!もしかしてたいきの彼女ー?」

コイツめ…失礼なこと言うな。

(シャナ「え…あっ…ちっちがいますよ!私は…」

(俺「コイツは…俺んちに…えー…勝手に住んでいる親戚だ!」

…テキトーな嘘ついてしまった…。

(大森シン「え?お前親戚なんていないんじゃなかったのか?」

あっ…俺孤児院育ち…親戚なんているはずねーのに!

(俺「ま…まぁ…実はいてさ、ハハハ」

(大森シン「ふぅーん。よかっな。」

危なかった…コイツが鈍感でよかったー。


(大森シン「じゃあそっちの愛想のないヤンキーみたいな子は?」

(サソリ男「おっ?俺のことかァ?やんのかァ?」

(俺「お、おいやめとけ!…えーとなシン…コイツは…シャナの…弟だ!」

(シャナ「ふえっ?!…あぁ!そうです笑そうです笑」

シャナには悪いが、サソリ男の姉ということにしてもらおう。ほんとにすまん。


(大森シン「へぇー。あんま似てないなー?」

(俺「そっそっかー?似てると思うけどなー」

…俺でもわかる…棒読みすぎる…でもこんなんでも嘘と見抜けないシン…。

(大森シン「そっか。てかよ!久しぶりにお前んち行かせろよ!数カ月ぶりだろ!」

(俺「あー?そ、そうだな」

どうしよう…まずいな…家にはアリスがいるし…

シンが家に来るのは悪いことしかないぞ。


(シャナ「いいですね!たいきさんのお友達なら大歓迎ですよ!」

は…?コイツ何いってんだよ!大歓迎って…お前は居候の立場だろ。

(サソリ男「いいな。それ。家こいよォ。」

なんでサソリ男も歓迎してんだ?どういうことだ?

(大森シン「おっおう!」


タッタッタッ。


(シャナ「たっだいまぁー!」

(アリス「シャナ…はやかったな」

まずい…アリスは犬耳と尻尾を隠してないぞ!


(大森シン「お前んちの玄関大丈夫か…?って…なんだ?!この美しい人は!」

(アリス「ん?誰だ貴様。」

あーあー、終わった。まずいことになったなー


(俺「あー、コイツは、アリス。えーと勝手に居候してる変なやつだ。」

アリスだけすげぇーテキトウな説明になってしまった。

(大森シン「おぉ!そうかそうか。ところでお姉さん。彼氏はいますでしょうか?」

(アリス「彼氏だ?いるわけ無いだろそんなもん。」

アリスの奴…ちょっとキレてるぞ。まぁそりゃそうか。

(大森シン「ん?お姉さんが綺麗すぎて気づかなかったけど…猫耳…いや犬の耳?コスプレイヤーですか?!俺だいすきっす!」

(アリス「ぬ?コスプレイヤーン?なんだそれは。」

(俺「あぁそうなんだよぉ!アリスはコスプレイヤーでさぁ!」

(アリス「おい。山本たいき。ふざけたことを言うなよ。」


まずいな…めんどいことになりそうだな…

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