第9話時には戯言を。
(俺「アリスいっちまったな…。唯一、動物人間たちと関わってきた人間ってどうな人なんだろな…。会ってみたいぞ」
(シャナ「うーん。会おうと思えば会えますけどね」
そんな重要な人に簡単に会えていいものなのか…?
ーーー動物界ーーー
ギユィィィィイン!!!
そううるさく鳴るのは別世界転送装置が起動したさいに発生する音である。
(アリス「…久しぶりに戻ってきたな。」
ここは人型の動物たちが食物連鎖のトップとなり、そして国をおさめている世界。
その世界でひとつの国であるA国。
シャナと私の故郷。
(アリス「まずは王へ会いに…。」
(犬族の兵士「…あっ?!アリスさん!」
コイツは犬族の一般兵士として王宮で働いているものだな…。
(アリス「あぁ。久しいな」
(犬族の兵士「いや久しいなって…、今までシャナ様を探しに人間世界へ行ってらっしゃったのですよね?」
(アリス「あぁそうだな。」
(犬族の兵士「アリスさんが一向に戻らないから、犬族の皆が、大慌てでしたよ!?」
(アリス「…そうだったか…すまないな。それより王はいるか?」
(犬族の兵士「はい!おります。」
タッタッタッ。
ギィィィィィ。
王の座る玉座のある部屋の大きな扉。
(アリス「お久しぶりですね。王。」
(シャーム王「おぉ!アリス!お前が戻って来ぬから心配しとったぞ!シャナはどうだった?」
このお方がシャナの父であり、この国の王。
シャーム王だ。
(アリス「すみません王。シャナはまだ見つかりません。」
(シャーム王「…そうか…一体どこで何をしておるんだ…」
王に嘘をついてしまった…。だがいつかバレる話だ。
(シャーム王「アリスはシャナと長い付き合いだからきっと見つけてくれると思っていたのだがな…。他の者たちにも協力を仰ぐとするか。」
(アリス「王!それはやめてください!」
これだけは阻止しなくては…。
(シャーム王「なぜだ…?お前もはやくシャナに会いたいのだろう?」
(アリス「…そうですが…私がシャナを見つけたいのです…。」
(シャーム王「なぜだ?」
(アリス「シャナと私はご存知のとおり親友であります。そのため人間世界へいったシャナを私が一番に見つけたいのです。」
見苦しい嘘をついてしまった…。2度も。これは王も許してはくれないか…?
(シャーム王「…そうだな…。シャナも親友であるお前に見つけてほしいはずだ。」
……王はお優しいな。
(シャーム王「そう言うのならアリスよ。必ずシャナを連れて帰るのだ。」
(アリス「はっ!わかっております。この私が必ずシャナを見つけ、国へお戻しします。」
(アリス「うむ。」
そういったものの、いつかは王に正直に言わなくてはならないだろう…。そのときは王は怒るだろうか…?
ギィィィィィ。
そして私は大きな扉をあけ、王宮を去ろうとすると、
(???「あれ〜?君、アリスじゃないかのぉ?」
コイツは…また厄介なやつに…
(サソリ族長「やっぱり!アリスー。ひさしいのぉ。」
サソリ族長…。シャナを襲撃したサソリ野郎のおじいさん…。そしてサソリ族のリーダー格。
(アリス「あぁ。」
(サソリ族長「なんじゃー?そっけないのぉ。」
今このじぃさんと話をする必要はない。
(アリス「じゃ、私はいくぞ。」
(サソリ族長「またんか。」
(アリス「なんだ?!私になにかようか?」
(サソリ族長「いやねぇ…。実はわしの孫が帰ってこんのジャ。依頼を受けてから人間世界へ行ったらしいのじゃがのぉ。あいつにしては遅い。何か知らんか?」
コイツ…孫の実力を信じてのものか?
さすがというべきだ。サソリ族長。抜け目がない。
(アリス「すまないな。私は何も知らない。」
タッタッタッ。
(サソリ族長「まて。」
(サソリ族長「アリスよ…。お前、人間世界へ誰かを探しに行っとったんじゃろ?お前さんが言ってる間とわしの孫がいっておった期間がまるまる一緒なんじゃよ。」
…長は私を疑っているな…。このままじゃまずい。もし私たちがサソリ野郎を捕らえていることがバレたのなら、サソリ族との争いになってしまう…。
(アリス「…それがどうした?たまたまだ。じゃあな」
(サソリ族長「…………」
…サソリ野郎をはやめにどうにかしなくては…危険だ。
一方、
ーーー人間世界ーーー
(俺「お〜い!シャナ!なにしてんだよぉぉ〜」
(シャナ「ねぇー!面白いですよ!たいきさん!ほらぴょん!ぴょん!」
俺とシャナは今、サソリ男の尻尾で遊んでいる。
シャナがやつの尻尾の先の針を指でぴょんぴょん弾いている。
(サソリ男「…なぁ…。俺で遊ばないでくれェ。」
(俺「てめぇは捕まってんだよ!俺たちが遊ぼうが勝手だろぉ!!!」
(サソリ男「………」
(俺「アリスが帰っくるまではてめぇで遊ぶからな!!!」
(シャナ「たいきさん、それより扉どうするんです?」
あぁ…そうだった…扉…二回目だったんだぶっ壊れるの…。業者に、頼むしかないんだよなぁ…。
(俺「まぁ…業者さんに頼んでまた直してもらう」
(シャナ「…たいきさんってお仕事してませんよね…?どうやってそんなお金…」
(俺「あぁ…それはな、俺孤児っていったろ?あれでよ俺の親なのか、親戚なのか、知らないが、俺のために残されてた大金があるんだわ。」
(シャナ「へぇー!たいきさんの親族のかたたちはお金持ちなんですかねえ?」
(俺「さぁ…それを教えてくれないんだよなぁ…孤児院の先生…」
懐かしいなぁ…あの孤児院…いつかまた行きてぇな
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