第7話守護るべきもの。

(俺「あーいてぇな〜。」昨日、脱衣所でアリスに回し蹴りをくらってから、腹あたりが痛い…。


それにアリスのやつ…昨日から俺と目も合わせなくなった…。まぁそりゃそうか。


(シャナ「たいきさん!おはようございます!!」

シャナは相変わらず元気だ。

(俺「おぉん。」

(シャナ「たいきさん!大変ですよ!」

(俺「ん?何が?」

(シャナ「もう食料つきちゃいました!」

…まじかぁ…。サソリ男の襲撃から俺は買い物に行ってない…。

ついに食料の限界が来たか。

(俺「…そうかぁ。今日にでもどこかに調達にいかなきゃな。」

でもな…もしまたあのサソリ男と会ったら…。まずいことになる。


俺がどうしようかと悩んでいるときに、

(アリス「それなら、私が行こう」

(俺「おっ!ほんとか?ありがたや。」

アリスが行ってくれるなら大丈夫だな。アリスならもしサソリ男とあっても、対処可能だろう。


(アリス「私はさっそく行ってくるぞ。」

(俺「おうよ!サソリに気をつけろよ」

(シャナ「いってらっしゃーい!」


ガチャ。

アリスが出かけていった。


(俺「あっ。アリスに買ってくるもの伝えてなかったな…大丈夫かぁー?」

(シャナ「大丈夫ですよ!気長に待ちましょう!」

 まぁそうだな。食料なら正直なんでもいい。


ドッ。

(俺「…ん?なんだ今の音。」

なんだろうか?何が強く当たったような音がした…。


ドッドッ!

まただ。


(シャナ「たいきさん…!玄関の方からですよ!」

シャナがそう言ったと同時に

ドッシャーン!


その音とともに玄関の扉が吹っ飛ぶ。

(俺「なっ!修理したばっかなのに?!」


なんだ…?


すると扉のあった場所に、人影らしきものが…


(俺「おいおい…まさか」

そのまさかだ。


(サソリ男「ヨォ!久しぶり」


(俺「…まじか。」


サソリ男が俺の家を把握してたのか。まずった。

アリスがいない。シャナは到底戦えるとは思えない。


(俺「おっ…奥にアリスがいるぞ?!また蹴られたいのか?!」

ととっさに嘘を付く…。

(サソリ男「あぁん?バカ言え。さっきアリスさんは出て行ったぞォ?」


くぅぅ。見られてたか。


(サソリ男「にしても、ここの家で合ってたのはラッキーだったぜ。」


(俺「あん?」

(サソリ男「実はよォ3週間前くらいか?お前の家の玄関らへんぶっ壊れてたろォ?」


あっ…アリスが俺の家の扉を蹴飛ばして入ったとき…

あのときコイツはすでに俺の家の付近にいたのかよ。

(サソリ男「よかったぜ。不審な家だったからマークしててよ。そして、今日、アリスさんが玄関から出ていったのをみて、確信したァ。」


(俺「お前、見張ってたのかよ!」

なぜ気が付かなった…。コイツはてっきり、家のことは何も知らないのかと!!


(俺「シャナ!!家の奥へ行くんだ!」

(シャナ「はっはい!」


(サソリ男「…また邪魔すんのかよ人間くんよォ?」

(俺「悪いが、シャナはお国に戻りたくないんだとよ。」

どうする…?俺はコイツと戦えるのか…?


ビリッビリリ。

(サソリ男「たっくよ。めんどいことしてくれるなァ?」

でやがった…。あいつの針のついた尾!。

あれは危険だ。当たったらケガじゃすまない。


(俺「さぁ?かかってこいよ!!!!!」

どっかの本に相手を挑発するとやりやすくなる?なんてことが書いてたような。


(サソリ男「はぁ…。舐めてんなァ!」


タッタッタッ!!!

くぅ!早すぎ!!


空に舞ったサソリ男が尾を俺の方へ向け突き刺す。

(俺「…とっ!!」

ぎり。俺は避けることに成功した。


(サソリ男「…なんでだ?テメェ人間なのによく避けるなァ?」

…だが、避けれてもギリギリ。こいつへ反撃なんかできっこない。

(サソリ男「まぁ、次でこの世とおさらばだァ」


タッ。

またさっきと同じようにサソリ男は中をまう。


どうくる?!さっきと同じようなことはしないはず。

(サソリ男「オラァ!」 

……同じ?!さっきと同じようにアイツは尾で俺に攻撃をしてくる。


(俺「…とっと!」

よし!またかわせた!


(サソリ男「アホォ。」

ドッ!

サソリ男の蹴りをくらってしまった。

(俺「ぐぅぅ!」

まずい…。相当いてぇ!

(サソリ男「俺はよぉ、手2本。足2本。そして尾一本あんだよぉ。てめぇよりも手数が多い。」

そりゃそうだ…。コイツは人間じゃない。やはり俺じゃ勝ち目がない…。


(サソリ男「今度こそ正真正銘。じゃあなだ。」

…終わりだぁ。

(シャナ「たいきさんになんてことするんだぁぁ!」

シャナ!?!なしてんだコイツ!奥へ逃げろって言ったのに!

ドオォッ!!!

シャナがサソリ男に対してパンチをくらわす。


(サソリ男「ぐうっ!」

嘘だろ…?サソリ男に対してパンチがきいてる?!近所のボス猫に対してはあんなだったのに。


(サソリ男「チッ…。いってぇことしてくれるなァ!!!」

まずい!!!シャナにアイツの尾が刺さっちまう!!

(シャナ「キャッ!」

タッタッタッ!!!

ドォン!


(アリス「おい。テメェシャナに当たったらどうするつもりだぁ?!!?!」

(俺「!アリス!」

アリスが怒鳴りながらやつの尾を止めている。

(サソリ男「なっ!アリスさんいつの間に?」


タッ。

サソリ男が一旦後ろへ下がる。


(サソリ男「アリスさん?帰るの早いなぁ?」

(アリス「…2人ともすまない。」

(俺「あぁ…。別に大丈夫だ」 


(サソリ男「おい?無視すんなよォ。」

アリスが戻ったなら。コイツにきっと勝てる!


(アリス「いますぐテメェの口塞いでやるよ。サソリ野郎。」

アリスのやつブチギレてるな。


(サソリ男「はっ!よく言うぜェ。やれるもんならやってみろ。」

タッ!

アリスとサソリ男が同時に動く!

だが、速いのはアリスの方だ。

ドヒュゥー!!


アリスが前へ思いっきり、足をだす。前蹴りか?!

(サソリ男「おっと!アブねぇ」

サソリ男はそれを間一髪で避けやがった…。敵ながら見事だ。


(サソリ男「次は俺のばぁん♫」

やつの尾がアリスへ向かって飛んでくる。


(俺「アリス!奴は足も使ってくる!気おつけろ!」

(サソリ男「ムッ!」

俺の言ったことにサソリ男が反応する。

まさか、さっき俺にしたことと同じことをしようとしたのか?


そのサソリ男の一瞬の隙に

アリスが俺に対してした回し蹴りを

(サソリ男「ぐぅぅあぅおおぉお!」

奴へくらわす。

ありゃあ相当だぞ。

(サソリ男「…ちぃ。はァ…」

サソリ男は消耗が激しいみたいだ…。息も荒い。


(アリス「どうした?疲れたみたいだが?」

アリス…アイツ煽ってるなぁ。

(サソリ男「はあっ!全然だぜ。あんたこそ余裕ぶりやがって。疲れさせてやるよ」


タッ!

また2人が当時に動く。

シャァァァァア!

サソリ男が身体を倒し、スライディングをするようにしてアリスの足元へ滑り込んでいく。


(アリス「くっ!」

まずい!アリスが倒れてしまった!


(シャナ「アリス!!!」


(サソリ男「はい!!おしまいだァァァ!」

サソリ男が満面の笑みで尾をアリスへ振りかざす。

(俺「いや終わるのはテメェだぁぁぁぁ!」

(サソリ男「ぬわぁ?!」

奴はアリスに集中しすぎたようだな。

後ろへ回った俺に気づいてなかった。


ドオッッッッン!!!

俺の渾身のフルパワーパンチがサソリ男の顔へ直撃する。

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