第6話獣になりきれない少女。
あのサソリ男に出会ってから3日が経った。
…幸い、サソリ男は俺の家の場所は把握してなかったみたいだ。
だが安心はできない…国からこの世界へやってきたのはきっとサソリ男だけではないはず…。
(シャナ「うにゃぁ!」。朝早くにシャナの唸り声で起こされた。…最近まともな起床ができてない。
(俺「なんだよ。シャナどうしたんだ?」
シャナの様子を見にいくとベランダにシャナとデッカイ猫がいた。あれは近所のボス猫だ。
…見た感じシャナがボス猫と喧嘩でもしてるみたいだ。
(ボス猫「シャァァァァア!」とボス猫がシャナに向かって威嚇し、次に猫パンチをシャナにおみまいする。
(シャナ「いったぁぁあ!このねこぉ!!」
シャナも猫パンチ?みたいなヘナチョコ攻撃をしているが、まったくボス猫にあたる気配はない。
(シャナ「あっ!たいきさん!この大っきな猫さんどうにかしてくださいよ!」
シャナも一応猫であのボス猫よりも大きいはずなのに喧嘩に負けてる…。
(俺「なんで俺がどうにかしなきゃいけねぇんだよ。」
(アリス「…ちょっとシャナうるさいわよ!」
シャナの世話に疲れたアリスはさっきまで寝てたが、シャナとボス猫の戦いで起こされたみたい。
機嫌が悪そうだ。
(シャナ「アリス〜!!この猫さんどうにかして〜」
俺が何もしないとわかるとアリスに全頼りか。
(アリス「もぉ…わかったから静かしててよ」
するとアリスはなぜか屈んだ。
…なにしてんだ?…。
シュウゥゥゥ。アリスから煙?!らしきものがではじめる。
ボォン!。と大きな音とともに周りの煙が散る。
(俺「…えっ?!」
俺は思わず声を出した。そりゃそうだ。
さっきまでアリスがいたところには、ドーベルマンのようなみための犬がいたからだ。
(アリス「グオォォォ!」とアリスらしき犬はボス猫へ吠える。
とっさにボス猫は逃げていってしまった。
(シャナ「さすがアリス!ありがとう!!」
(俺「…おい…どういうことだよ…。アリスお前犬になれんのか???」
(アリス「私は犬族と言ったろ?獣化したまでだ。」
獣化ってなんだ?。(獣化=獣になる。犬や猫に、人獣化=人のようになる。)
(俺「もしかして、お前らの国の奴らはみんなそんな感じに変身できんのか?」
(アリス「少し違うな。幼少期から獣化と人獣化を慣らしておけば誰でもできるな。でも長い間人獣のままで獣化しなければ、ソイツは獣化ができなくなってしまう。」
(俺「へぇー。すげぇな。もしかしてシャナもできるのか?」
(シャナ「あー。私は子供の頃から獣化してこなかったので…できないです☆」
…まぁだろうな。初めてシャナとあった時もアイツは段ボール箱の中でほぼ人の状態で入ってたからな…。獣化して猫になれるのなら、あそこで猫になるだろう。
(アリス「まぁ国には特定の者のみにかしできないが、人獣化で耳や尻尾も完全に消すことができる者もいる。」
(俺「へぇ。それなら人間となんら変わりねぇな。普通にこっちで生活できちまう」
(アリス「あぁそうだ。だからこっちの世界に人間として暮らしてるのもいるかもな。」
なんかそう考えると少し怖いな…。学生時代の同級生にいたりして…。
(アリス「…そういえばこの世界に来てから、私はお風呂に入ってない…。」
いろんなことがあったせいで考えもしなかったが、シャナってお風呂に一回も入ってなくないか…?????
(俺「そうだな…。この家の風呂つかっていいから、アリス…シャナも一緒に入られせてもいいか?」
(アリス「あぁ。私は、かまわないぞ。」
(シャナ「?!…私、水嫌いです〜!!」
さすがに俺の家にいるのに風呂に入らないなんてたまったもんじゃない。
てか、猫は綺麗好きだろ!!!
(アリス「いいから入るぞ!私が綺麗に洗ったげるから!」
よかった。アリスがいてよかった。
アリスとシャナが風呂に入ってから10分くらいが経過した。
(俺「…ん?あっ!」
アリスは獣化して犬のままの姿でシャナを連れて風呂場にいった…。
(俺「あいつ服置いていってやがる!!」
アリスが獣化したときは煙が舞ってたから服の存在に気づかなかった。
(俺「俺が…持ってかなきゃいけないのか…」
あぁ…場合によっちゃまずいことになるぞ…。
俺は音を立てまいと、相当気を張って風呂場へいく。
ガチャ…脱衣所のドアを開けるが、まだ2人は風呂に入っているみたいだな…。
よし…!はやく服置いて退散だ。
(アリス「ちょっと!シャナ動かない!!」
(シャナ「アリス〜もうやめて〜!水いや!」
2人は話をしているみたいだからバレないだろう。
ガチャ。
風呂場のドアがあいた。
アリスが俺を直視する。
(アリス「…………」
(俺「…………」
沈黙が続く。
だがこの沈黙の終わりは案外はやかった。
シュ。アリスが身体を回す。
あぁ…。俺は、もう何がくるのか大体わかっている。
ドゴォォォ!アリス渾身の回し蹴り。
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