第5話その国のことについて。


 あのサソリ男から逃げ延びることに成功した俺たちは、家へと戻る。


(俺「はぁ…は…すげぇ足はやいなアリス…」

俺自身走ったわけじゃないのにすごく疲労してしまっている…。


(アリス「…とにかく、外は危険。シャナを一人にさせとくわけにはいかない、私がこの家にシャナといるわ。」


(俺「…は?はぁ?いやいや、ここ俺ん家ね?」


(アリス「…この世界でシャナがいれるのはここぐらい。アンタは実家とかに避難してなさいよ。」

…なんてことを言いやがるんだよ…。


(俺「悪いが、俺に親はいないから実家なんてねーよ。」

 そう俺は孤児として孤児院で育った。

そのため実家ととえるのは孤児院だけだ。


(アリス「…そうか、すまなかったな」

 こいつ謝れるのか…プライド高そうだけど、


(俺「ていうか、安全な場所に行きたいなら、もう国帰るってのは…?」

  そうだ、よくよく考えればあのサソリ男はシャナを国に返すために派遣?されてきたんだ。

なら国に帰れば問題はないはず…。


(シャナ「それは無理です!今の国は安全とは言えないです。」

(アリス「えぇ。今、私たちの国は隣国と戦争になりかねない状況下」

 戦争になりかねない?!そう言えば、シャナは国が今どうのこうのとか言ってたような…

 まさか争い中だったとは…


(俺「そうなのか…。どうしてその隣国とそういうことになったんだ?」


(アリス「それは隣国の王子が関係してる。隣国の王子は13年前に行方知れずになったの。その行方知れずになった王子と私とシャナが一緒によく遊んでたから、もしかしたら私たちの国の誰かが隣国の王子を誘拐したんじゃないのか?って言われてる。」

   つまりいちゃもんでも付けられたってことなのか…?。まだシャナの国が王子の行方不明に関わっているかどうかが分からないから、戦争には一応なってないってこと…か。

だがそれだけのことで戦争になりかねないことになるか…?


(俺「そうだったのか。…話は変わるがアリスはあのサソリ男について何かしっているのか?」

 あの不気味で凶暴なやつ…最後にアリスさんがどうとか言っていた…。

 (アリス「…まぁ知り合いみたいなもんね。あのサソリ野郎は私たち気高き犬族とよく比べられるサソリ家…暗殺一家の長男なの」


暗殺一家!?どっかの漫画に出てきそうだな。

コイツラの国にはそんなのもいるんだな…。


(アリス「サソリ家の奴らは国や族、構わずどんな相手の依頼でもこなす一流。…まだ分かったわけじゃないけど、サソリ家は今、隣国の奴らからシャナの暗殺を命じられてる可能性があるわ。」


?!シャナの暗殺?…確かにあのサソリ男は

シャナを殺す気で毒針のついた尾を振りかざしていていた…。


まてよ?じゃあ国に戻っても戦争じゃなく暗殺で危険なめにあうかもしれない…。それなら人間の世界にいたほうがいいかもな…、サソリ男も人間の前じゃ下手な真似はできないだろうしな。


(アリス「ということだ。私もこの家に一定期間住ませてもうぞ。」

あ〜??シャナ一人いるだけでも俺の生活は変わったんだ。もう一人同じようなもんが家に住むって…。


 (シャナ「いいですよね?!アリスがいたら頼もしいですよ!!」

シャナ、コイツ自分の状況わかってないのかと思うほど、テンション高い。

 

(俺「…まぁ、それが一番かもな。アリス、お前が住むってんのなら、シャナの世話は全部任せるぞ!」

(シャナ「世話ってなんですか?!私はもうほぼ大人みたいなものですよ??」

シャナがなんか怒ってるがおかまいなし。

(アリス「シャナのことは任せろ。私が守りきる。」

ほぉこれは頼もしい。すべてアリスにませよぉ!


〜〜〜〜〜次の日の朝〜〜ーー


(俺「…ぐほぉぉっ!」

何かが俺の腹にねじ込んだ…?!

…目の前には…なんだ?!この美脚は!!


(アリス「おい。起きろ。」

アリスか…アリスが俺を起こすのにかかと落としを使ったみたいだ。

(俺「…まだ6時にもなってないぞ!!なんでおこしたんだよ!」

(アリス「シャナが、わたしだけ起こすのずるい!だと 」

????…どういうことだよ。シャナは相変わらず子供じみたことを言いやがる…。


(アリス「シャナ!!行儀が悪い!ちゃんとテーブルの上で食べなさいよ!」

(シャナ「いいじゃん!どこで食べるのも私の自由でしょ〜〜〜」


アリスは世話係にはぴったりだ。

シャナは国の姫とは思えないほど行儀が悪いが、アリスがどうにかしてくれるだろ。


(俺「…ん?!あれ?冷蔵庫の中カラじゃねーか?!なんでだよ!」

昨日までは豚肉やら、にんじんなどの野菜やら、牛乳やら、なんやらたくさん入ってのに、何もないぞ…?


(アリス「あー、私がその中のはすべて食べてしまった。お腹が空いてたのでな。」


まじか…終わった。こいつ大食いかもしれん。


俺の朝飯どうすんだよぉ!

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