第4話鬼気なる襲撃者。

シャナを家に入れてから、2週間経とうとしてた。

ジリリリ。今日も目覚まし時計がけたたましく鳴り響いている。


(俺「ぐぅゔうぅう〜ん。」

ガ タッ!!。何かが落ちる?音がした。

(俺「?!なんだ???」

俺は猛スピードでベットから出て音の鳴る方へ走る。

音の鳴りどころと思われるそこには、

シャナが足をおさえてうずくまっている。

(俺「…シャナ何やってんだ?さっきの音お前がなんかしたのか?」。そう問いかけるとシャナは

(シャナ「くぅぅ〜。サバ缶…が…ですね…」

…何を言ってるだ…?サバ缶?

そう思いあたりをよく見るとシャナの後方にいくつかのサバ缶がおちている。

これのサバ缶たちは、シャナの餌…いやシャナのご飯としてたくさん買っていたのだ。


(俺「おーい。シャナ。勝手にとって食べようとしたな?」。

シャナは一度にたくさんサバ缶を食べてしまうため、俺に言ってから食べるよう伝えていたが…。


(シャナ「〜足の上にサバ缶がぁ〜!痛いでふ」。

多分、サバ缶を何個も持ちすぎたんだな。落としてしまい足に当たったのか。

…痛そうだ…。だが因果応報だな。

にしても悶え苦しんでる…。

(俺「そんなに痛いなら病院でもいくか?」

(シャナ「!病院!そうですね!病院いきましょう!!」


(俺「俺から言ったからあれだけどよ…湿布とかでも良さそうじゃ…?」


(シャナ「湿布?そんなよりわからないのより、これはお医者さんに見せるべきですよ!」

…これは拒否ると、きっと駄々をこねるやつだな…。仕方ない。


そういうことで病院へ行くことにしたのだが、

病院つっても、シャナは猫人間…だからな…。

動物病院は…ダメか?

そう考えてると、シャナが

(シャナ「あの〜、たいきさん?足すんごく痛いんで…おんぶでもしてくれません?」。少し恥ずかしげの表情でそういった。

初めてそのような顔のシャナを見た。

正直驚いてしまう。

(俺「いや…さすがに人に見られたらはずいぞ…」。


(???「おぉい、アンタ…その子…」。

誰だろうか、背が小さく、黒いパーカーを着ていてフードを被っている男が話しかけてきた。


あっ…シャナは猫耳や尻尾が他の人にバレないように帽子を被らせ、丈の長いコートを着させている。

…他人から見たらもしかして誘拐とかに思われるかも…?

(俺「あ…のすみません💦この子は…えっと…」。何か言おうとしたが余計怪しくなってしまう…。

(???「やっぱりだ…アンタシャナ様だろォ?!」。

そう言って黒いパーカーの男は体を曲げる。

(俺「え…?!コイツまさかアリスとかと同じようにシャナを…」そう言いかけたそのとき

(シャナ「たいきさん!逃げましょう!」

シャナが俺の手を握り、走ろうとするが、

シャナは足を怪我している…。


 ブチチィィィィ!!!


黒いパーカーの男の背中からパーカーをぶち破り何かガでてきた…これは…

シャナやアリスと同じ…いや…ちがう…少し…

そいつの背中に生えているものは、シャナやアリスのような尻尾というよりはまるで…凶器。

黒くひかるその尾の先には大きな針がある。


 (俺「…これサソリ?!?!」


 (謎のサソリ男「あぁよ。デケェだろ?俺の針はヨォ?」。そう自慢げに言うその男はとてもじゃないが人間のかなう奴には見えない。


(謎のサソリ男「…人間に用はねぇ、邪魔だ

ァ!」。

  ヒュッ。風を切るような音が鳴る。


ドゴォォォ。地面に突き刺さるやつの針。


俺は間一髪で後ろへ下がり直撃さずおえた。

(謎のサソリ男「ふぅん…よく避けたなァ?人間なのによォ?」。


(俺「はァ…はァ……」。

呼吸が乱れる…。コイツは危険すぎる!!!


(シャナ「たいきさん!はやく逃げないと…」

シャナが俺の腕を掴んで逃げるよう言ってくる…。

だが、今の俺は疲れ切っているためまともに応答できない。


(謎のサソリ男「まぁ〜いっか…。姫様に当てちまうかァ?っと!」。そう言った瞬間。やつは上へ飛び今度はシャナに向かって針を伸ばす。


こんなのあたったらシャナは無事じゃ済まない…。こいつの目的はシャナを国へかえすことだろ?!


シャナとやつの針があと少しで交わるといったその時。

ドッ!

(謎のサソリ男「ギャッ?!」。情けない声をあげたサソリ男。

なんだ??サソリ男が後方へ吹っ飛んだぞ?!


(アリス「シャナ!大丈夫?!」。

そこに現れたのは2週間前に俺のドアを蹴り破った赤髪ロングの犬族とかいう女!


(シャナ「!アリス!!どうやって…!」

そういうシャナの手をつかむアリス。

(シャナ「まって!たいきさんも…それに私、足が…」


(アリス「…その男はほっときなさい!」

(俺「そうだ…!シャナ!今は逃げてくれ!」


そう言った俺を驚いた顔でみるアリスとシャナ。


(俺「うおっ?!」。アリスが俺を担ぎ上げる。

(アリス「シャナ。私の肩につかまってて」

シャナはアリスの言う通り肩につかまる。

  ドッ!  

すごい踏み込みでアリスは走り出す!。

なんつう速さだよ…。まさに犬だわ…。



(謎のサソリ男「…チッ。アリスさんの野郎まさか国王の命令に背いたなァ?」。



俺、山本たいきの日常はもう非日常へと変わっていた。

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