第10話 アンゴVSグリーンゲル

「楽にしてやる……!」


グリーンゲルは、ニヤケながら炎のない場所へ逃げたアンゴに向かって走っていった。


「まずは、手始めに、''森蘭番称しんらばんしょう''!!!」


そう言ってグリーンゲルは、両手を地面に着け、腕全体を木にしてアンゴに攻撃した。


「うわっ!!」


アンゴは、その木に吹き飛ばされた。


「こんなものは効かねぇ!」


アンゴは、少し血を垂らしながら起き上がり、そう叫んだ。


「何!?俺が1000人を仕留めたこの大技を受けても立ち上がるだと!?」


この技は、グリーンゲルがモーリー星を襲った時に使用した技でもあり、それを食らっても起き上がるアンゴにとても驚いた。


「今度はこっちの番だ!''浮遊''!」


そう言ってアンゴは、宙に浮かび、グリーンゲルの元へとスピードを上げながら突進していった。


「何!?貴様も''バケモノ''か!?」


「ああ!俺は''浮遊人間''だ!!喰らえ!''飛行の打撃''ロケットアッパー''!!」


アンゴは、そのスピードの勢いそのままにグリーンゲルに思い切り殴った。


「!?植物人間である俺が打撃を喰らうだと!?おい!貴様!一体何者なんだ!術レベルは何なんだ!?」


「術レベル…?なんだそれ?」


「はぁはぁはぁ、バケモノレベルはな、お前や俺みたいな能力を持ったやつ、いわゆる''バケモノ''だが、本当はその能力のことを''術''と呼ぶのだ。だから俺は、''植物術''が本当の名前。その術を使えば使うほどレベル、すなわち能力が上がっていく。そのレベルは、1上がると引き換えにものすごい痛みを起こすというのだ。俺はMAX近いレベル93だ。MAXは100となる。」


「そんな痛みとか経験したことないから分からねぇ。」


「じゃあレベル1の筈では…!?なのに何故俺に攻撃が効くというのだ!?」


グリーンゲルは、そう呟いた。


「ごちゃごちゃ言ってねぇで次行くぞ!''飛行の蹴りロケットアックス''!!」


「グハッ!!」


グリーンゲルは、アンゴの蹴りに勢いよく吹っ飛ばされた。グリーンゲルは、血まみれになっていた。


「はぁはぁはぁ、な、なんでお前みたいなアホに俺が苦戦するんだ!」


「知らねぇ!300万ユニバースかもしんねぇけどお前は弱い!」


「俺は!もう衰えたが元BIG5の男だぞ!こんな所で負けるか!''森林の幻想モーリーファンタジー''!!!」


そう言ってグリーンゲルは、両手を上げ、空からアンゴに向けて木の雨を降らせた。


「グハッ!うわっ!痛え!やめろ!」


バタン!


アンゴは、勢いよく倒れた。


「モリモリモリ、お前みたいなガキが、俺を相手にするとどうなるか分かったか!全く、手こずらせやがって。フーガとムーガがやられたのは、悔しいが、俺までやられてたまるかよ。クソガキが!」


大量の木の下敷きになり、気絶したアンゴに応答はなかった。


「とにかく死ね!''人食い草''!」


そう言って両手を地面につき、人食い草を出そうとした時だった。


「''火の祭りファイアフェスティバル''!」


「な、何!?」


ボォー!


「グハッ!な、なんだ貴様!」


グリーンゲルは、全身が燃えた。


「仲間が殺られそうになってたもんでね。俺とお前では、能力の相性がいい。丁度あと一分で、効力が切れるところだった。」


「お、覚えてろ…」


グリーンゲルは、とにかく燃え、やがて意識を失った。


「今のうちだ!アンゴ!気失ってる場合じゃねぇ!早く行くぞ!効き目が切れちまった!」


「め、メレックか…?」


メレックは、木の下敷きになっていたアンゴを引っ張り出し、アンゴは、意識が朦朧としていた。


「ああそうだ!」


「おい!緑野郎は!?あいつは俺が……」


「あいつなら俺が燃やした!大丈夫だ!」


「あ、ありがとう。でも、俺が倒したかったな。」


「お前は十分すぎるほどやったぞ!お前の攻撃がなけりゃ俺たちは負けていた。」


「おい、そのまま逃げるつもりか…?」


「まずい!」


メレックが振り返った先には、燃えながら立っグリーンゲルの姿があった。

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