第7話 メレックVSフーガ&ムーガ

━━━━グリーンゲルの家の庭


「さあ、今日こそお前を殺っちまおうじゃねぇか。お前が生きてるせいで俺たちは今99人しか殺れていない。改めて自己紹介しよう。俺は、グリーンゲルさんの右腕……」


フーガがそう言いかけた時。


「おい!右腕は俺だ!お前は左腕だ、バカヤロー!」


ムーガがそう言った。


「は!?お前は左腕でもねぇ、右ふくらはぎだ、バカヤロー!」


「お前は、じゃあ鼻毛だ、バカヤロー!」


「い、いいから早くやり合おうぜ……。」


メレックが呆れた顔でそう言った。


「そ、そうだった、おい!耳クソ!殺るぞ!」


「は!?うるせぇ!早くしろ!このフケ!」


「おいおい、それはあの緑のジジイにも失礼じゃねえのかよ…笑」


メレックは失笑した。


「は!?お前、グリーンゲルさんに向かって緑のジジイだと!?マジで許さん、おいマジで殺っちまおうぜ。兄弟ブラザー。」


「あぁ。俺も今のは怒った。」


「行くぞ!」


そうフーガが言った瞬間、ムーガが姿を一瞬で消し、メレックの後ろに回ってメレックの腕を掴んだ。


「ハハ!お前はこれで動けない!ましてや昨日の傷もあるだろう。おいフーガ!殺っちまえ!」


「ま、マズイ……」


「''兄弟拳ブラザーけん''!」


バコン!


「まだまだいくぞ、''兄弟連続拳ブラザーれんぞくけん''!」


バン!バン!バン!バン!バン!


ビチャ!


メレックの血が勢いよく飛び散った。


「やめろ!!!」


メレックは、鬼の形相でフーガを睨み、ムーガの腕を思い切り振り払った。


「もうお前ら、どうなっても知らねぇぞ。」


そう言ってメレックは、何かの錠剤を口にした。


「十分間だ。」


「は?何言ってんだお前?」


フーガはメレックに聞いた。


「効き目は十分間。俺は今から炎人間になる。」


「お前、まさかそれは……!」


ムーガが驚いた表情でそう言った。


「ああそうだ。こいつの名はロキンニソ。別名''バケモノの薬''。そしてこれは、炎人間の力をまとったロキンニソだ…!」


「お前それは!一度食べたら他の能力のロキンニソを食べられなくなるぞ…!さらに、十分間と引き替えにお前の寿命は1ヶ月縮むんだぞ…!」


「1ヶ月くらい大した事ねぇ。それよりお前らを倒す方が優先だ。」


「まあ炎だろうが関係ねぇ。''兄弟脚ブラザーソックス''!」


そう言ってフーガとムーガは、思い切りメレックを蹴った。


ボッ…


「な、何!?」


フーガとムーガの蹴りはメレックの体を貫通した。


「聞くわけねぇだろ。俺は今体が炎なんだぞ!」


「ま、まずい……。どうする!ムーガ!」


フーガは汗を垂らしながらそう言った。


「どうって、十分待つしかねぇだろ。言うても効果は十分だ。そして次のロキンニソを飲むのにも一日は間を開けないといけないからな。」


「あぁ、そうだな。粘るか。」


「そうはさせるか、''青鳥炎ブルーバードファイア''!」


そう言ってメレックの右手から青い炎をまとった鳥がムーガの胸を貫通した。


「グハッ!」


ムーガは丸焦げになり一瞬にして倒れた。


「貴様!よくも弟を!許さねぇ!相手が炎なら俺は水を体にまとえばいい!」


そう言ってフーガは、グリーンゲルの庭に置いてあった腐った水が入ったバケツを頭から思い切り被った。


「く、クセェ!まあでもこれで終わりだ!''水星拳すいせいけん''!」


「グフッ!」


メレックは、フーガのパンチをモロに食らってしまった。


「ハアハアハア、どうだ!」


そう言ったフーガだったが、メレックはそれでも立ち上がった。


「俺はこんなんじゃ死なねぇ!」


「何者だ貴様!早く死ね!」


「そうはさせるか!''火能玉寿登令登ひのたまストレート''!これで家ごと燃えちまえ!」


「うわあああ!」


そうしてフーガも一瞬にして倒れ、植物だらけの家も燃えたのであった。



[グリーンゲルの庭の戦い メレックVSフーガ&ムーガ

勝者 メレック]

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