第8話 モーリー星の悲劇

━━━━グリーンゲルの家 寝室


「メレックのやつ、大丈夫かな、1対2は中々きついやろうに。」


寝室に1人取り残されたアンゴは、メレックの心配をしていた。

そう、これは、まだメレックが窓から飛び降りた直後の話なので、まだ『メレックVSフーガ&ムーガ』が始まったばかりの時である。


「まあとにかく、俺はあの緑野郎を何とかしねぇと。メレックも命かけて戦いに行ったんだ。俺も最終星ラストプラネットに行くためにもこんな所で逃げてられねぇ。よし、緑野郎のところへ行こう。」


そう決心したアンゴは、一階にあるリビングへ一人降りていった。


「おい!お前!俺を殺す計画を立てていたらしいな!もう許さねぇ!良くしてもらったのは感謝するけどそっちが殺る気から俺も容赦しねぇぞ!」


アンゴは、リビングのドアを勢いよく開け座っていたグリーンゲルにそう叫んだ。


「モリモリモリ、もう少しで行こうとしていたのに。仕方ない、計画変更だ。折角この星に来たんだ。死ぬ前にまずは俺の話を聞いておけ。」


グリーンゲルは冷静にアンゴに向けてそう言った。


「話?お前そうやって言って俺が話を聞いている間に殺すつもりだろ。もうその手にはのらないぞ?」


「安心しろ。絶対にそんなことはしない。俺はまだ戦う気は無い。だからその前に、話を聞いてくれ。」


「そ、そういうならしゃーないな。聞いてやろう。」


「ありがとう。あれは俺の初めて作った旅団の団長をやっていた時の話だ。」


━━━━━グリーンゲルの過去 ここは、小さな惑星「ヤミクモ星」。


「グリーンゲル団長!あんたはやっぱり最強だな!最終星ラストプラネットも行けんじゃねぇか!?」


グリーンゲルの部下がグリーンゲルに向かってそう言った。


「俺は、もう旅団は辞める。」


『!?』


グリーンゲルがそう言うと周りの仲間たちは全員その場で固まってしまった。


「な、何言い出すんだよグリーンゲル団長!あんたは最強なんだぜ!?最終星ラストプラネットだって夢じゃねぇぜ!?」



「関係ない。俺はもう疲れた。一人でゆっくりさせてくれ。とにかく、今までありがとうお前たち。楽しかった。さらばだ。」


そう言ってグリーンゲルは、グリーンゲル旅団の宇宙船スペースシップに一人で乗り込み、仲間をヤミクモ星に置いて旅立ってしまったのだ。


「おいおい!団長キャプテン!それはねぇぞ!?俺たちはやっぱりあんたしかいねぇんだぞ!?」


仲間の声も虚しく、グリーンゲルを乗せた宇宙船スペースシップは、あっという間に見えなくなってしまった。


そして、色々な星を転々とすること約一年。

グリーンゲルは、モーリー星へと到着した。


「うお!なんだこの緑の惑星!俺の能力にもピッタリの星だな!よし決めた!今日からこの星が俺の家だ!」


当時のモーリー星は、人口約5000人程の惑星。

自然豊かな惑星で、観光に来る旅人も少なくなかった。


「ゲゲッ、人が多いな、」


モーリー星の中心街である、「モリアーナ」は、毎日多くの人で賑わっていた。


「俺は一人がいいのだ。こいつらはいらない。消すしかないか。」


そう思ったグリーンゲルは、近くにいた人に声をかけた。


「なあ、この星には、どのくらいの人が住んでんだ?」


「お!あなた見ない顔ですなー!?ここ、モーリー星では、約5000人が住んでいます。賑やかでしょう。あなたもゆっくりしていきなさ……グハッ!」


グリーンゲルは、早速腕をつるに変えて男の首を絞めた。


「説明ありがとうな。残念ながらこの星のみんなには今日消えてもらう。」


「な、何を……グハ」


バタン!


「よし!一気に行くぞ!''森蘭番称しんらばんしょう''!」


ドカーン!


中心街モリアーナは、あっという間にグリーンゲルの植物で埋めつくされ、モリアーナに集まっていた約1000人は、一気に亡くなった。


「よし!こうなったら一気にやるか!」


三時間後


「モリモリモリ!これで終わりだ!今日からこの星は!俺の家だ!モリモリモリモリモリ!」


この日、賑やかだったモーリー星は、一瞬にして沈黙の惑星へと変化した。たった一人の男の手によって。

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