第24話
「愛奈のために此処まで来て頂いてありがとうございます」
母親は皆帆と佐倉に深く頭を下げた。
タクシーは市営団地の敷地内にある棟の前に停まっている。
「何もありませんが、お茶でも飲んで下さい」
「とんでもないです。愛奈が部屋へ入るまでは見届けますが、我々は直ぐに失礼しますので」
佐倉が答える。
「会社から言われていますので、お気持ちだけ頂きます」
皆帆もそう言って母親に頭を下げた。
「皆帆、佐倉さん、本当にありがとう。2人がいてくれて心強かったよ」
愛奈は笑顔で2人を見ている。
「愛奈。外出は絶対に1人でしちゃダメよ。何処で撮っているのがいるか分からないから」
皆帆はピシャリと言った。
「初詣もダメ?」
「女友達と行くのならいいわ」
やっぱり祐希と行くのは無理か……
既に夜の11時を過ぎている。
団地内の公園で祐希が待っている。愛奈は飛行機に乗る前に祐希と逢う約束をしていた。
そして皆帆と佐倉は、愛奈が母親と兄と共に部屋へ入るのを見届けた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます