第23話

愛奈には12月31日までビッシリスケジュールが入っていた。その後、島根に帰るため羽田空港に向かっていた。其処から出雲の空港まで飛行機で帰るのである。空港には母親と兄の直哉が迎えに来ていた。

「お母さん!お兄ちゃん!」

出迎える沢山の人達の中に、母親と兄の直哉の顔がある。その姿を見た瞬間に愛奈は駆け出していた。もちろん安全のために、愛奈は1人ではない。隣には将真のマネージャーである佐倉と、皆帆の姿があった。愛奈は白いダウンジャケットにGパン姿だ。ピンクの大きなショルダーバッグを持っている。

「愛奈!」

母親も直哉も手を伸ばすと、腕に飛び込んで来た娘と妹を抱き止める。

「元気だったかい?よく帰って来たね!愛奈」

「会いたかったよー!」

愛奈は今までの思いが溢れて来て、母親にしがみついてわんわん泣き出した。母親も娘の身体をしっかりと抱き締めていた。

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