第15話
皆帆は落ち込んでいた。
碓氷愛奈は超人気スターである。
だが佐倉の言う通り、まだ高校生だ。学業との両立は必須である。
「まだまだだな……私」
皆帆は毎日、愛奈が過密スケジュールを熟るように必死に頑張って来た。だから仕事の面でクレームは出ていない。それどころかディレクターもプロデューサーも
愛奈のご機嫌を取るのに夢中だ。だが碓氷愛奈はその事で有頂天にも我儘にもなっていない。幼い頃に父親を亡くして、母と兄と3人で助け合って生きて来た愛奈には気骨がある。
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