この力で粉砕してあげるわ

「さてと、明日で流石に終わらせるわよ」

詩奈(しな)は今回の戦闘結果からスライムの弾打刀は有効だということと第二形態があるということがわかっため対策を練り始めた。

詩奈はいったん起き上がって武器製作所へと向かっていった。

中に入るといつものロボットと箱がいた。

「一つ聞いてもいいかしら?」

詩奈が話しかけるとロボットは起動音を鳴らした。

「どうしましたか。お困りでしたら何でもお申し付けください」

「じゃあ一つ。この刀をナイフにしてくれないかしら?もちろん素材が多少なくなってもいいわよ」

詩奈は返答を待ちながら腰から弾打刀を外した。

「わかりました。この刀をナイフにしますとナイフが二つ出来上がりますのでデバイスに表示した素材を入れてお待ちください」

詩奈は一つだけだと思っていたのでこれは良かったと思いながら素材を入れた。

少し待つと二つのナイフが出てきた。

もちろん特性はそのままで詩奈ぴったりのものがきた。

元々詩奈は拳に装備して特に得物を使うことはなかったためなるべく小さい武器の方がいいようだ。

「これはいいわね。後そういえば毎回あいつ石ぶん投げてくるけど何か対応できないかしら」

詩奈は少し考えてから何かを思いついたそうで装備製作所で少し作って来てからデバイスに武器等々をしまってから寝た。




朝が来た瞬間に詩奈は起き上がった。

デバイスの方から装備と武器を取り出して準備しながらルームサービスに聞きたいことを聞いた。

「そういえば私はプライベートでやっているのだけれどもこれをパブリックの方に戻したらどんな感じになるのかしら?」

詩奈はこのビックモンスターを殺したらパブリックに戻す予定だったためあらかじめ聞くことにした。

「パブリックに戻されましたらこちらの世界ではバトルロワイヤルが始まります。自宅からの直径5mはセーフティゾーンとなっていまして外に出ると詩奈さんのように武装した方々がいますのでぶっ殺していただいて構いません。殺しますと持ち物を漁れますよ。そしてそのランク内で3回殺されると人生終了って感じですね。ランクに関しましては実際にやってみればわかります」

「そうなのね。ありがとう」

詩奈はルームサービスにお礼を言ってからカロリーメイトを食べて森へと向かって行った。

道中のスライムの数が減っていたが多分リスポーンに日数が必要なのだろう。

そんなことを考えているとすでに森についたようだ。

「今日でおしまいよ。ビックモンスター」

詩奈はそう言いながらデバイスでアイテムを使いビックモンスターを呼び出した。

ビックモンスターはどうやら初手から第二形態のようだ。

「あら、早くて助かるわ。今回の私は一味違うわよ」

詩奈はデバイスで取り出しで亜空間を展開して中からスライムの素材を一つ出した。

「いくわよ」

詩奈はスライムの素材を軽く上へ投げてからナイフで全力でぶっ叩いた。

ビューン

詩奈の放ったスライム素材はビックモンスターの肩に命中して少しのダメージを与えた。

詩奈はこれは良いわねと思いながら今度は三つ出して同じように発砲した。

ビックモンスターは拳で破壊しようと思ったのか飛んできた弾に対してパンチをしたが詩奈の流体拳でようやっと砕けるような剛性をしているのだ。

ビックモンスターの拳では破壊しきれず逆に殴った際の反動が返ってきて余計にダメージをもらってしまった。

「ウガァーー!」

ついにブチギレなのか持っている槍を構えて上半身を思いっきり捻り始めた。

今ね

詩奈はそう判断して亜空間からスライムの服を二着取り出した。

そして右上と左下を持ち広げて構えた。

ピューン

ものすごい速度でビックモンスターは槍を投げてきた。

詩奈はスライムの服のど真ん中で槍を受け止めようとしている。

少し後ろに押されたがそのまま受け切って槍の威力を完全に殺した。

「すごいわねこれ。予想以上の耐久値だわ」

詩奈は受け切ってすぐにスライムの服を亜空間にしまってナイフを片手に構えた。

ビックモンスターは詩奈に急接近して来て蹴りを入れに来たが詩奈は焦らずに軌道を観ながらナイフを全開で振るった。

ドーーーン!

爆音を立てながら蹴りとナイフがぶつかった。

詩奈のナイフが少しビックモンスターの足にめり込んだのだがパワー負けして詩奈は吹っ飛ばされた。

振り向きながらナイフを振って木を何本も破壊しながら速度を落としてていった。

急に殺気を感じたため詩奈は地面に足を滑らせながらナイフを気配の方に振った。

見事に石を砕いて危機を回避した。

「ついに本気ってわけね。最高だわ」

詩奈は口元を歪めながらスライム素材を出して発砲し始めた。

ビックモンスターは木を折りながら詩奈接近して来ている。

詩奈は覚悟を決めてナイフを投げやすいように持って脱力を開始した。

ビックモンスターはスライム弾に怯まされている。

詩奈は脱力を終わらせて身体を動かし始め流体拳を開始した。

詩奈はビックモンスターとの距離が5mほどでナイフの投擲がはじまった。

ナイフはものすごい速度で飛んでいき今までのスライム弾とは比にならない速度で、それでいてキングスライムの素材を使っているため威力も跳ね上がっている。

ブーーン ドォーン!

ビックモンスターは腹を抉られながら吹っ飛んでいった。

詩奈は全力で追いかけていきそのままダッシュの速度を乗せた全力パンチをえぐれている部分に放った。

「ウガァーーー」

ビックモンスターは死にかけになりながらも最後の力と言わんばかりにパンチして来た。

詩奈はすでに脱力して構えていた。

流体拳

パーーーーン!

ビックモンスターの身体は弾け飛んでしまった。

「ふう、久々にこんなに長期戦をしたわ。ありがとうね」

詩奈はお礼を言ってゆったりと帰ろうとしたら聞き覚えしかない足音が聞こえたため全速力で帰ってから少しゆっくりして寝た。

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