弱いものいじめ?違うわ、ただの蹂躙よ

「さて、装備と使う気がなかった武器について考えるわよ」

詩奈(しな)は目を覚ますと同時に跳ね起きて寝る前に考察していたビックモンスターについて考え直した。

今までの戦闘結果から鈍ってしまっている今の詩奈の拳はビックモンスターに負けてしまうこと、そして多少なら攻撃を食らっても大丈夫なこと、最後にスライムの素材、こいつがキーを握っている。

詩奈はそう確信していた。

そこで今回はスライムの上下装備、そして石の剣を作成した後にスライムの素材を纏わせて耐久性を上昇させる。

これが次回のビックモンスター戦の装備だ。

そうと決まれば今宵の夢は早終いだ。

詩奈は跳ね起きて数分後に寝直した。




「おはようございます。詩奈さん」

「そういえば、毎度のそれやめてもらうことって出来るかしら?別に嫌というわけではないのだけれど読者がうんざりしちゃうわよ?」

流石の詩奈でもこちらの存在には気づいていないはずだが…

「分かりました。では朝の挨拶をやめさせて頂きますね」

ルームサービスは文句一つなく詩奈からの要望に対応した。

「最近ビックモンスターとばかり戦っておりますが本日もそのおつもりでしょうか?」

詩奈はルームサービスからの質問に少しだけ驚いたがその疑問を否定した。

「いいえ、違うわ。今日はただひたすらのスライム狩りよ」

詩奈は楽しみそうに言った。

少しばかりの会話を楽しんだ?後、詩奈はまだ残っているカップ麺を準備して食べて外出した。

スライムはいつも通り居たが何やら詩奈を見た瞬間に逃げ腰になっていた。

「あらどうしたのかしら?そんな逃げ腰じゃあ瞬殺よ?」

詩奈逃げてたがっているスライムを見てもなんとも思わなかったようだ。

詩奈はスライムにゆったりと近ずいてこの状況を楽しんでいるようだ。

「さあ始めましょうか。今日は貴方たちを狩るためだけの日ですよ」

詩奈はセリフを言い終わると即座にボコボコにした。




狩りはじめて1時間ほどだった頃だろうか。

もはや街のスライム全て狩り尽くしたかと思われたがまだ1匹生き残りがいたようだ。

「あら、まだ居たのね。死になさい」

詩奈は無慈悲にもせっかくの生き残りにそれなりな蹴りをお見舞いした。

スパーン

いい音を放ちながらスライムはすっ飛んで行った。

「ふう。爽快爽快。じゃあ帰るとしますか」

詩奈は帰ろうと家の方角に向いた瞬間99のビックモンスターの時のような気配を感じ振り返った。

「まあ、こんなに一般的に見たら最低と言われそうなことをしていて事無しはないわよね。この時を…待ってた」

詩奈は今回のビックモンスター撃破にはスライム系の素材が必須だと踏んでいる。

そしてゴブリンのビックモンスターがいた事から他系統もいるかと予想していた。

そして…予想通りというわけや(ニヤリ)

詩奈は50lvキングスライムの質量、他のスライムとの特異点の割り出しの開始した。

キングスライムは詩奈が思考中ということもお構い無しにかなりの速度の突進をしてきた。

しかしあの99のビックモンスターと2日間調子の調節がてら全力でバトっている詩奈だ。

この程度ではかすらずに確実な回避を可能としている。

キングスライムの突進の回避の際に少しばかり触れてみたが質量の考察はだいた合っていたようだ。

「さてと、情報が出揃ってきたからそろそろぶん殴ってあげるわ」

詩奈は拳を突き出して意思表明をした。

キングスライムはそれを見ても怯えずに少し左右へと複雑な動きを混ぜながら詩奈に接近して質量で潰そうとしてきた。

「舐めてるのかしら!」

詩奈はキングスライムが接近してくる間にこぶし大の石を拾っており拾った瞬間に上半身を捻りそれを一気に解放して石を持っていた手を爆速でキングスライムの身体にぶち当てた。

バキーン

そしてこれで終わる詩奈では無い。

詩奈は石で火力増強した攻撃でキングスライムをよろけさしたあとすぐさま空いている手でパンチ、そして蹴りを間髪なく入れる連撃を開始した。

ドン ドン ドン …ドドドドド

詩奈は体が慣れてきたのか連撃の速度が一気に上がった。

しかしキングスライムは持ち前の弾力でダメージをそれなりに軽減している。

「このままじゃジリ貧ね。そしたら一旦距離を取るわよ」

詩奈は一撃強めなのを入れた直後足を地面に思いっきり踏み込んでめり込ませ、その足を軸とした破壊力抜群の拳をキングスライムに入れた。

中々めり込んだのだがやはりダメージはあまり入っていないようだ。

しかしキングスライムを吹っ飛ばして時間ができたため詩奈は少し大きめの石を三つほど拾い始めた。

キングスライムは体勢を立て直してから詩奈に再接近してきた。

詩奈は拾った石を振りかぶって思いっきりぶん投げた。

ボコン

キングスライムはもろに豪速球を文字通り食らったのだが無傷でしかし中心部に石が入っていた。

詩奈の狙いは上手くいった。

残りの石も体内へ埋め込んでから詩奈は拳を肩の高さで突き出してそのまま脱力した。

「これで終いよ。キングスライム」

詩奈の言葉に反応したのかキングスライムは身体をバネのように縮めてから弾けたかのように突撃してきた。

ドン

詩奈はキングスライムが弾けた際の音から大体の速度を予測して技の準備を終了させた。

詩奈の拳とキングスライムの身体が触れた瞬間に詩奈は肩から肘、そして手首から拳へと莫大な力を伝える”流体拳“を使い体内にある石に向けてもはや衝撃波のようなものを放った。

そしてその衝撃波によって体内の石が弾け飛びキングスライムの身体に内部と外部からの強大なダメージが入った。

そして暴風じゃおさまらないような爆風を放って弾けた。

詩奈は腕をクロスさせて耐えていたが、スライムのカケラみたいなものが直撃してしまったため吹っ飛ばされてしまった。

詩奈は迫ってくる崖に対応するために自身の身体に無理矢理回転運動をさせて吹っ飛ばされているその勢いをそのまま利用したパンチを崖に放った。

ドカーン! ガタガタガタガタ

なんと崖を抉ってしまって崖が崩れてきてしまった。

「なにこの耐久値は?本当に何もかも脆すぎるわーー!」

詩奈は崩れてきている崖にそれなりの力で指を突き刺してとりあえずの体勢を整えた。

「ふう。それじゃあ帰るとしようかしら」

詩奈は指を外して崩れている崖に対して流体拳で殴り爆発四散と言っても過言ではないぐらいの大破をさせた。

そしてニヤけながら家へと帰ってさっさと寝た。

ちなみに流体拳というのは詩奈の莫大な力を肩から順に圧縮していって最終的に触れているものに全開放する技である。

この技の使用条件は詩奈が脱力していてこの技のみに専念できる場合のみ発動可能だ。

以上技解説でした。

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