久々にリミッターを外すわ

森の中は案外明るく光源がなくても問題がないレベルであった。

「さて、少しレベルの高い相手はいないかしら?」

詩奈(しな)は辺りを雑に見ながら進んで行った。

シュン

詩奈は足元を確認すると槍が刺さっていた。

「あら、何かしら?」

槍が飛んできた方向を確認しつつ詩奈は武器を構えた。

すると見ていた茂みからゴブリンのようなモンスターが出てきた。

「8LVとはなかなか強いじゃない。何せ私の4倍だもの」

詩奈は相手の持ち武器と体格を確認しつつ臨戦態勢に入った。

「ウガぁー」

モンスターは声を上げながら急接近して突きをしてきた。

詩奈は槍の先端をよく見ながら回避をした。

バシュ

「あら、私も落ちぶれたものね」

詩奈は少し苛立ったかのように次の攻撃を少し身体に喰らいながらゴリ押しの一撃をモンスターの肩にぶち込んだ。

ドコォーン バキ

「脆すぎるわねぇ!」

詩奈はキレながらも怯んでいるモンスターの腹に現状の全力パンチをお見舞した。

ドーーン

モンスターは吹っ飛んで消えてしまった。

「要らないじゃない。武器なんて」

詩奈はグーパーして確認してからデバイスを確認した。

「あんまり1回じゃ貰えないのね」

詩奈は文句を言って一旦帰ろうとしたらものすごい爆音の足音が近ずいてきた。

「強そうな相手ね。腕がなるわ」

詩奈は肩を回しながら迫る強敵を待ち構えた。

ドシーン ドシーン

「これは…なかなかやばいわね」

「ウゴォーーー!!!」

特大のモンスターは雄叫びで地面を揺らしながら詩奈を見ている。

詩奈は相手の頭上の99という数字に冷や汗をかきながら身体を脱力させて相手の行動を待っている。

ビックモンスターは詩奈に狙いを定めてパンチを放ってきた。

かなりの速度で飛んできて今までの攻撃とは比にならない速度で繰り出された。

詩奈は攻撃点を"かなり良く"見たのだが回避しきれず腕に当てられた。

「!?」

詩奈はびっくりしたが同ベクトルに超高速回転をかけてそのままの回転力を使用して"リミット"を解放した全力パンチを発動した。

ドカーーーン!

「ア?」

ビックモンスターは軽くよろけたが少しほどしかダメージが入ってないようだ。

「ま、まじかしら?久々にこれやったってのに?」

詩奈は笑いながら即座に地面をぶん殴り全速力で逃走した。

ドッドッド

もはやビックモンスターの歩行音とほぼ同等な音を鳴らして爆速での逃走に成功させた。

「なんて硬い身体をしているのかしら?あんなの異世界の時の特殊部隊の時ですら見た事ないわよ」

詩奈は元の世界で仕事をする前は別の異世界での特殊特攻部隊に所属していたのだ。

この部隊は1部の能力が他と比較して異常的に優れている人のみで結成されていて詩奈は力が突発していた。

ちなみに元の世界に戻った理由は周りの生物が脆くて力を使わない事をやりたかったからだそうだ。

そしてこの世界に来てからは力を意識的にセーブしてわざわざ戦っていたようだった。

「面白くなってきたじゃない。これだから戦いはやめられないのよ」

詩奈はにやけながら家へと帰った。

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