第12話 おっ買い物♪おっ買い物♪

いつもみんなが待ちに待つ土曜日。

せっかくのお休みなので、蓮姫もルンルン気分でお出かけしようと考える。

なので、お気に入りの服を着ていこうと着替えを始めると、


「あれ、破れてる・・・」


アウトレットで値切って買ったのが祟ったのか、服はお釈迦でした。


「おかあさ~ん!」

「どうしたの蓮姫、ドラ〇もん呼ぶ時みたいなイントネーションで」

「私の服に穴が開いたんだよ~」

「あら、あのお気に入りの服?いつも着てたもんね」

「着すぎたかも・・・」

「仕方ないわね。新しい服買ってらっしゃい」


そして、母からお金をもらった蓮姫。


「ありがとう、お母さん!」

「せっかくだから、そらちゃんでも誘ったら?」

「そうだね、久々に一緒に服買いに行ってくる!」


蓮姫はそらを誘い、ショッピングモールへと出かける。


「一緒に服買いにいくなんて、中学校の時以来だよね?」

「そうだね。蓮姫は服のセンスいいから、いつも選んでもらってたよね」

「いや~、そんなことないよ~」

「今日は、どの店に行くの?」

「特に決めてないかな。1つ1つ店を見ていこうかなと」


大きいショッピングモールなので、服屋はより取り見取りだ。

選ぶのに時間がかかりそうだが、買い物が好きな人にとっては楽しい環境となる。


いろんな服屋を見て回るうちに、蓮姫は気づいた。


「これってデートじゃんかよおおおおおお!!!!!」


今更だ。

おそらく、読者の方が早く気付いたはずだ。


「おっしゃあああああああ!!今日はええ1日やんけー!!」

「蓮姫?」

「あっ、ゴメンそらちゃん。ちょっとアドレナリンがこんにちはしただけだから、気にしないで」

「この店、どうかな?品数豊富そうだし」

「うん、いいね。入ってみよう」


店に入って、いろんな服を物色する。

なかなか、オシャレで良い服が揃っている。

そのためか、お客さんも他の店より多い感じがする。


「お客様、こちらの服はいかがですか?」


店員さんが服を薦めてくる。


「おっ、コレかわいい!」

「蓮姫に良く似合うと思うよ。すごくかわいい服だね」


ちょうど高校生ぐらいの女の子が喜びそうなかわいいデザインであり、

ちょっと大人っぽくも見えるハイブリッドな服。


「ちょっと、試着してみようかな」


試着室へ行き、蓮姫は薦められた服に着替えた。


「どう、そらちゃん。似合ってるかな?」

「うん、すごく似合ってるよ!とてもかわいい!」


馬子にも衣裳。

あっ、失礼。

とても蓮姫に似合う服だった。


「今、どこからか不愉快な声が聞こえたけど、そらちゃんに似合ってるって言ってもらえて嬉しい!」

「お客様、大変お似合いですよ」


店員ですから。

営業ですから。


「また不愉快な声が聞こえてきたけど、これにしようかな」

「うん、それがいいと思うよ」


かなり気に入ったようなので、これにしようと思いつつも、

もう少し他の服や店を見てみたいという気持ちも出る。

すると、店員さんが会心の一撃を放つ。


「彼氏さんにも気に入っていただけて何よりです」


・・・!?


「か、彼氏!?」

「はい、こちらの方は彼氏さんですよね?」

「い、いえ、僕は・・・」

「見えます?私たち、カップルに見えます!?」


蓮姫は目をキラキラさせ、興奮しながら店員さんに聞く。


「はい、とてもお似合いのカップルさんですよ!」


店員さんも、こいつはチョロいなと思ったのか、最高の営業スマイルで言う。


「店員さん、コレください!」


蓮姫は即決した。


「いや~、いい店だったな~♪」


蓮姫は超ご機嫌だった。

そして、買い物も終わり、帰る事にした。


「そらちゃんは、服買わなくてよかったの?」

「うん、僕は男の子になった時、政府の関係者の人から服をたくさん提供してもらったから、特にいらないんだ」

「そうなんだね」

「また、買い物行く時は誘ってね。蓮姫と買い物行くの楽しいから」

「もっちろん!必ず行こう!」


蓮姫は、カップルと言ってくれそうな店をネットで探そうと考えていた。

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