第6話 人気者はつらいよ

学校に着き、そらは転校生という扱いになるため、職員室へ向かった。

一方、蓮姫は教室へ向かい、みんなに挨拶をする。


「おはよー!」

「おはよー蓮姫。何か、元気になったね。もう大丈夫なの?」

「ごめんね、心配かけて。もう元気になったよ。だから、安心してね!」

「だって、樫谷さんの事故の事で、すごく落ち込んでたから。このまま、学校来なくなるんじゃないかって、ずっと心配してた」

「大丈夫だよ、心配しないで!そらちゃん、別に死んだわけじゃないし、もういつも通りだよ!」


クラスメイトは、ずっと蓮姫の事を気にかけていたようだ。

あれだけの事があれば、そう思うのも当然だろう。

実際、そらが事故に遭った際の落ち込み方はすごかった。

なんせ、いつも明るい蓮姫が、一切笑顔を見せる事もなく部屋に引きこもるほどだったのだから。


「あと、聞いた?今日、転校生来るの」

「あ、うん、知ってる」

「知ってるの?」

「うん、そらちゃんの従弟だから」

「えっ、そうなの!?」


一応、蓮姫とは面識ある設定になっているので、多少の情報は伝えた。


「どんな人なんだろ?やっぱり、樫谷さんの従弟なら、きっとイケメンなんだろうな~」

「そ、そうだね」


蓮姫は、そらがクラスメイトにめちゃくちゃ狙われそうな予感がしたので、何とかそらを自分の物にしたい。

もとい、みんなから守りたいと思うようになった。


そうこうしてるうちに、ホームルームが始まる。


「今日は、転校生を紹介する。今、療養で急遽引っ越した樫谷さんの従弟である、

樫谷そら君だ。仲良くしてやってくれ」


そして、そらが教室に入ってくる。


「か、樫谷そらです。よろしくお願いします」


と言っても、本人だ。

そらは、とても複雑な気持ちで挨拶をした。


そして


「キャ━━━━━━━━(//∇//)━━━━━━━━!!!!!!!」


女子が全員騒ぎ出す。

男子が全員嫉妬する。


それはそれは、どこかの国の王子様が来たような感じだ。

女子たちの目は、ハート型という古い表現の目になっていた。


「ヤバい、そらちゃんが女子みんなのけがれた目で凝視されている!!」


と、さんざんけがれた目でそらを見ていた蓮姫が、謎の危機感を覚える。


「静かに!樫谷君は、この地域に来て間もないし、よく分からない事も多い。

だから、みんな仲良くしてやってくれ。

あと、安藤さんとは昔馴染みらしいから、学校についての案内は安藤さんにお願いする」


クラスメイトみんなが、一斉に蓮姫の方を見る。


「えっ、安藤さんと幼馴染なの?」

「まさか、付き合ってるとか!?」


色々な憶測が飛び交う。

が、幼馴染という点は間違ってはいない。


「樫谷君、しつも~ん!」


クラスの女子ことモブキャラAが突然そらに聞く。


「な、なにかな?」


そらも、ちょっとうろたえる。


「安藤さんとは、実際どういう関係なのですか!?」


幼馴染と説明があったはずだが、それ以上ではと疑惑は深まる。


「えっと、その・・・」


そらは、一生懸命考えた。

蓮姫は大切な幼馴染。

幼稚園の頃からの大親友だ。

中途半端な表現では、蓮姫に対して申し訳ないと考えた。


「蓮姫は・・・」


クラスの女子達が固唾かたずを飲む。


「誰よりも大切な人です」


・・・!?

↑この表現、ギャグ魔法の話でも多用したなぁ。


「いべぽむきろりはろらりすろきらぴこぶぼーーーーーーーーーーーー!!!!!!」


前衛的驚愕Part4

めちゃくちゃ驚いているが、なぜか恍惚の表情をしていた。


「ギャ━━━━━━。゚(゚´Д`゚)゚。━━━━━━!!!!」


女子達の悲鳴が教室中に響き渡る。

男子達がざまーみろと言わんばかりの顔をしている。


「ええがな、そらちゃん。いくらでも、ええんやで!」


何がええんか分かりませんが、蓮姫はドヤ顔をしている。


「というわけで、樫谷君は安藤さんの横の席に座りなさい」


元々、女の子の時のそらが座っていた席に、男の子となったそらが座る。


「じゃ、じゃあよろしくね、蓮姫」

「そーりゃもう、よろしくそらちゃん!なんでも聞いて!

学校の事でも、3サイズの事でも、好きな体位の事でも!」


まだ未経験のくせに、好きな体位だけは決まっている蓮姫。

そんな蓮姫に対し、女子達から羨望の眼差しが向けられる。


が、そのせいで蓮姫はますます増長した。

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2024年11月26日 20:00
2024年11月28日 20:00

超美少女の幼馴染が、諸事情で超美少年になってしまいました。おかげで私は血迷いそうで、血迷ってます。 霧島 翔 @ykstation

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