第5話 学校へ行こう!

打ち合わせの翌朝、ついに男性となったそらと学校へ行く事になる。

蓮姫は、不安をかかえつつも、下心を隠すのに必死だった。


「ああ、この際過ちでも起こらないかな。ええんやで、別にええんやで」


もはや、ただの変態オヤジにしか見えない蓮姫。

準備を終え、玄関を開ける。そこには男子の制服を着た、とても凛々しいそらがいた。

その神々しさに、蓮姫はうっとりした。

そして、興奮した。


「カモ~ン!」

「な、なに?」

「あ、いや、気にしないで!さて、学校行こうか、そらちゃん!」


そらの性別は変わってしまったが、かつて二人で毎朝学校へ向かうこの風景は、

何も変わっていないように感じる二人。

いつものように、楽しく話をしながら学校へ向かう。


しかし、


「どうしたの、そらちゃん?」


急に、そらが立ち止まる。


「その、この先の道は・・・」

「あっ・・・」


そう、そらが事故に遭ったあの場所だった。

そらにとっては、トラウマの場所である。


「ちょっと、遠回りしよっか」

「そんな、悪いよ。蓮姫に負担かけちゃうよ」

「いいよ、気にしないで!」


蓮姫は、どこか良い抜け道が無いか探してみる。


「あっ、ここに細いけど抜け道があるよ。ここ通ろう!」

「いいのかな、ここ抜けて」

「大丈夫じゃない?気にせず行こうよ!」

「蓮姫がそう言うなら、いいよ」


そして、細い抜け道を通る。

先へ進むと、学校の裏に抜けた。


「あっ、ここ裏に出るのか。朝は裏門閉まってるし、正門まで行くのは時間がかかるな」

「仕方ないよ、面倒だけど、正門まで行こう」

「でも、あの道を通らないといけないし・・・」

「大丈夫、それくらい乗り越えて見せるよ」

「おお、マイスイートそらちゃん!」


そして戻ろうとすると、そらがラノベのご都合展開のように石につまづいた。


「うわっ!!」


そして、蓮姫にもたれかかる。


「そ、そらちゃん!?」


そして、二人はその場に倒れこむ。

そらは、蓮姫に覆いかぶさった状態になった。


「蓮姫、大丈夫?」


裏路地で二人きり、こんな体勢。

傍から見れば、朝っぱらからカップルが外でおっぱじめるという、

マニアックなプレイを始めようとしている状態にしか見えなかった。


「けぽいぱみぽぽぽねぺぷらぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


前衛的驚愕Part3

蓮姫は、とても興奮している。

同時に、ちょっと服を脱ごうかなどと考えていた。


「蓮姫、ケガは無い?」

「だ、大丈夫だよそらちゃん!私はかまわんよ!!」

「ど、どういう意味?」

「えっと、その、ゴメン・・・」


蓮姫は、冷静になった。

体のケガは無かったが、脳は大ケガしているような状態だった。


二人は元の道に戻り、従来の道から学校へと辿り着いた。

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