呪われた一族に生け贄の長男として生まれた俺。一族の呪い?生け贄にされた俺とどっちの恨みが強いか勝負しようぜ!
ニノチカ瑚珠
第1話
うちはそこそこの資産家だ。
東京都下の自然あふれた地域ではあったが、代々土地持ちの地主で働かなくても食える。
そんな家の長男に産まれた俺は大変甘やかされて育った。
五人きょうだいで、俺と弟妹たちは明確に差をつけて育てられた。
長男は跡取りだから当然大事にされる。
のこりの弟妹達は言ってみれば俺のスペアだ。
ご飯は俺(と親父)だけが贅沢品で、欲しい物はなんでも買い与えられた。
子供の頃からやんちゃで、弟妹や近所の子供達を引き連れて山で遊んだ。
勉強はできないが親はうるさく言わなかった。
かわりに次男が厳しく育てられていた。教育も躾もすべて俺より次男がかわりに躾けられていた。
「兄さんばかりズルい」
「ざまぁ」
「先に生まれただけじゃないか」
「完全勝利」
両親も親族も俺に甘いが、好かれてはいなかった。皆一線を引いている感があった。
特に親父と次男は明確に俺のことが嫌いだった。家で好き放題していたからそれはそうだろう。
弟はある時期からパタリと不満を言うのをやめた。
諦めたのだろう。
生まれた順は変えようがない。
そして今日は俺の17歳の誕生日。
俺はいつもは使わない離れの家屋の整えられた部屋で誕生日を祝われた。
自分の好物ばかりの食事を食べ、遠慮などせずねだった高価なプレゼントをもらった。
あとで弟妹たちに自慢してやろう。
「17歳か。今日がお前の大仕事の日だ、このために生まれてきたんだぞ」
「あなたを可愛がりたかったけど仕方なかったの」
父と母がそれぞれ言う。
なんだ?様子がおかしい。
俺が生まれた時間
14:32
その瞬間俺は、床から這い出た黒いモヤに包まれ呼吸困難を起こした。
息が苦しい。
ドス黒い恨みの負の感情が流れ込んでくる。
誰だ。
なんだこれ!?
苦しみ悶える俺を、両親と次男、そしていつのまにか来ていた叔父叔母が見下ろしている。
「長男は我が家の呪いをすべて背負い、17歳で死ぬ決まりなんだ」
「呪いは本当にあったのですね父さん」
お前知ってたのかよ。
「長男を好き放題に育てるのはこの為」
叔父さん!
「お前がこの家を継ぐことになる。そしてお前の長男も…。子供は多くつくっておけよ」
「生まれた順でこんなことになるなんて…兄さんかわいそうに」
遠のく意識で親父と次男の会話を聞いた。
チクショー、我が家の呪いってなんなんだよ!
そういうことは先に言え!!
そして俺は呪われて死に、異世界に転生した。
呪われた一族に生け贄の長男として生まれた俺。一族の呪い?生け贄にされた俺とどっちの恨みが強いか勝負しようぜ! ニノチカ瑚珠 @2tika
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。呪われた一族に生け贄の長男として生まれた俺。一族の呪い?生け贄にされた俺とどっちの恨みが強いか勝負しようぜ!の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます