ロボットを作ったのは贖罪のつもりだった
海来 宙
prologue
誰かのためになりたい。
小さな石と石が川面で衝突し、自分だけが落ちておぼれた朝。はじいた相手さえ対岸に届けば水の苦しみも快感に変わる、そんな幸せ。
誰かのためになりたい。
僕がそう決意した夜、怖いくらいに蒼かった月が周囲の雲を鮮やかに染めていたのをよく覚えている。
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