受け取らなかったものを作りだせる訳ない
家庭環境は悪くないはずだったんだ、勝手に拗らせただけで。
両親からの真っ当な愛情は確実に存在して居たはずだし、俯瞰的に見れば放出され続けてる友情もあったのだと思う。
だがそれを素直に受け取ることができなかっただけで。
誰かに縋りたいと願いつつ何者にも頼れなかったから、そういった絆されそうな、自分が自分でなくなりそうな感情を目に見えて嫌った、本当に欲しているものを自分から拒み続けていた。
「この人も俺を理解してくれはしないだろうから」そう高を括ったのと半分、本心で半分、全員に猜疑の目を向けている後ろめたい現実があった。
その後ろめたい部分が見透かされないかが不安で人の目を見て話せなくなったし、リセット癖を考えて人の情報はほとんど覚えられない。
人の優しさに触れるのが耐えられないからこそ手が触れるのも怖いし、どんな信頼関係も一定以上に引き上げることができない。誰も信用できない、擬似的なひとりぼっちを這いずっていた。
そういった友情とか愛情とか、諸々の愛情表現ないしを拒み続けた結果、今かなり困ってる。
今まで学んだことのない内容をぶっつけ本番で試しているから、自分がどういう立ち回りをするればいいのかわからない。
相手が迷惑かもしれない、嫌がるかもしれないなんて思ってしまうせいで、動けない。
今まで押し殺して居ただけで人並みに愛されたいとも愛したいとも思う感情はある。
それを負い目と自身への嫌悪感で押し殺していた今までと違って、
発散の仕方がわからない、という現場。
多少歪んだ愛情であろうとみんなを愛しているのは事実だし、
どれだけ倒錯的な愛情だったり友情だろうとみんなのものなら受け入れたいと思って入る。
でも後者は受動であって、前者は何かしらの僕からのアクションがいるんだ。
そこで動けなくなってしまう、今までの経験則がどうしても働いて周りを見てしまう。
それと同時に今までの引け目を感じてしまう。
果たして本当にこのまま俺が掬い上げないまま俺が救われていいのかと。
今まで誰も信じてこないで、みんなのことを裏切って居たのにそんななのに幸せになっていいのかな、と。救われたい現実には変わりないけど、一方的に救済を受けてそれで終わりなんて、あまりに虫が良すぎるんじゃないかと。
だから差し出した手が止まってしまう、暖かさを求める体の芯が凍えてしまう。
救われたいと歌いながら心の奥で助かるのを拒んでいる。
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