2 スペース
私のベッドの三分の二を占拠して眠るりんを見て、うわ、と心の中で声をあげた。
りんの寝相の悪さを知ったのは、二人ではじめて旅館に泊まった時。二枚の布団はりんに占拠され、私は畳の上に追い出された。
いつも通り、力づくでりんの体を転がしてスペースを作り、ベッドの中へ入る。りんはすぐに転がり返ってきて、私に抱きついた。
「ちょっと、起きてるでしょ?」
「おきてなーい」
ふわりと柔らかい花の香り。でも、正直、ちょっと邪魔。
脇腹をそっと指先で撫でてみると、案の定、りんはすごい勢いで笑いだして身をよじった。
「ほら、そっちいった」
「やーだー!」
そうやって、またしばらく騒ぎ立てる。
私の部屋に泊まる時の恒例行事。
いつか途切れる道の上で ななゆき @7snowrin
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