年上女性に興味津々!

崔 梨遙(再)

1話完結:1300字

 父母の友人に、桔梗さんという女性がいた。僕より幾つ年上だったのか? 正確にはわからない。聞いたことがないからだ。僕より20歳くらい年上だったのではないだろうか? それは僕が小学校の5年生の時、両親と桔梗さんのマンションを訪れた時のことだ。


 僕は、桔梗さんの甥っ子と奥の部屋で遊ばされることになった。桔梗さんの甥っ子は僕よりも少し年下だった。この年頃、年下の子供と遊ぶのは退屈だ。甥っ子とは親しくもない。親しくないどころか、甥っ子とは初対面だった。僕のテンションは下がっていた。家に帰って本でも読みたいところだった。


 ところが、桔梗さんが僕等が遊ばされていた部屋に入ってきた。そして、突然着がえ始めたのだ。あっという間に下着姿になった。紫の下着の上下が印象的だった。僕は驚きつつも好奇心から目が離せなかった。数十秒の出来事だったはずだが、もっと長い時間に感じた。目の保養とはこういうことなのだろうか? 決して美人ではなく、女性として意識したことの無い桔梗さんだったが、一気に女性として意識する存在になった。勿論、僕の初恋相手の珉、千代子、理恵、聖、亜子、初音には敵わないが。桔梗の下着姿、ボディラインは美しかった。僕のテンションは爆上がりだった。その日は、家に帰っても桔梗さんの下着姿が目に焼き付いて離れなかった。



 桔梗さんは、時々ウチに遊びに来た。桔梗さんは、夏場は大胆な服を好んで着る。露出が多い。下着姿を見てから、僕は桔梗さんに興味が湧き、桔梗さんが薄着で来ると、僕は桔梗さんにべったりひっつくようになった。そして、大きく開いた胸もとのブラや谷間を覗き込んでいた。僕は性に目覚める直前だった。目覚めていなかったのに、不思議と興味はあった。


 

 ところが、翌年、性に目覚めた僕は、露出の多い桔梗さんを逆に避けるようになった。女性を意識するようになったのだ。もう、胸の谷間なんか恥ずかしくて見ることが出来ない。


「崔君、最近、私の側に来ないのね」


と言われた時は困った。


「じゃあ、久しぶりに隣に座ります」


 座ったものの、緊張してしまう。桔梗さんの大きく開いた胸もと、ミニスカートから見える脚。僕は目のやり場に困った。


「お前、なんで照れてるねん?」


 僕の顔が赤くなっていたらしい。父にからかわれた。


「崔君、照れてないよね、久しぶりに膝の上に乗せてあげる」

「え?」


 僕は桔梗さんの膝の上に乗せられた。後ろから抱き締められると、桔梗さんの胸が(CカップかDカップらしい)背中に当たって心地よい。


 “ずっとこうしていたい”と思いつつ、僕はスグに桔梗さんの膝の上から降りた。



 その後も、美人ではないがスタイル抜群の桔梗さんはウチにやって来て、父母と歓談して帰っていたが、僕はもうべったりくっつくことは出来なかった。



 “好きでもない女性を意識することもあるのか?” と、初めて知った。それを教えてくれたのが桔梗さんだった。それにしても、どうして僕は女性の下着姿を見る機会が多かったのだろう? 自分の運命に少しだけ感謝できる。







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年上女性に興味津々! 崔 梨遙(再) @sairiyousai

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