第24話 乱入者

「おい!聞いているのか!?命令だ!出るぞ!」


 アンナが怒ったようすで力強くそう言う。あのさぁ。


「僕たち今、ご飯食べてるんだけど」

「そうだよ!礼儀?ってやつがなってないよ!」


 クロフという子供にそう言われたら少しは効くだろうと考えていたが。


「そうか。なら待ってやるからさっさと食え」


 なにも気にしていないようで腕を組みジッとこちらを見る。マジかこいつ。と思っているとシュテルが意地が悪そうな顔をして笑った。


「あら?第一王女の私にもそう言うのかしら?不敬ねー。ギロチン台送りにしてやろうかしら」

「え?い、いやその……」

「うふふ。冗談よ冗談」


 本当に?確かに笑顔だが目の奥が笑っていない。僕が昔シュテルを本気で怒らせた状態に似ている。


「あらジェロア。どうしたの?」

「……別に」


 恐怖が顔に出ていたのだろうか。その笑顔を僕にも向けてきた。勘弁してくれ。ちょっとトラウマなんだから。


「それよりクリュスはなんでこいつのこと止めなかったんだよ」

「……仕方ないでしょう。彼女は話しを聞かないし、力強いしで」

「それでも止めろよ」

「無茶を言わないでいただきたいのですが!」


 クリュスが僕に向かって怒鳴る。まあいいや。それより命令とやらを聞くとしよう。


「それで?その命令ってなに?」

「あ、そうですよね。実は皆さんには破壊神に汚染された魔物が見つかったので王国騎士団の人。そしてここにいる私たちと協力して調査、討伐を頼みたいとのことです。ですから今から騎士団本部に向かってほしいと」

「……他の奴らは?こないの?」

「え?あ、ああ!どうやら別の任務を国から急に受けたらしいですよー?変ですねー?」


 ティナが目を泳がせながらわざとらしくとぼける。嘘下手すぎだろ。どうせ僕と会うのが気まずくて拒否したんだろう。まあ、別に、いいけど。

 それよりティナが内容を言うが少し引っ掛かるところがあった。


「……随分早いね。見つかるのが」


 まるで僕たちが来たと同時に現れようだが、まあ偶然だろう。


「え?もうっすか?俺今日、観光とかする予定だったんすけど」

「残念だったね。穀潰しに払う金は王国にないってさ」

「まあ、そりゃそうっすけど」

「私は嬉しいよ!やっと体を動かせるんだから!」


 いつも通りの対照的な2人を見て破壊神の力とやらがどれだけ強力かは知らないがまあ大丈夫だろうと考える。

 するとまた嫌な予感がした。なんだろうか。そう思っているとシュテルが口を開いた。


「皆やる気ね!ジェロアもそうよね?」

「……まあ多少は」

「それじゃあ私もついていくわ!久しぶりに貴方の戦うところ見てみたいもの!」

「……は?」

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