第13話 理由

「なんでボクたちがセシニュスに来て、2人が呼び出されたかは冒険者の最高位で世界に4人しかいないSランク冒険者の兄さんとクロフちゃん。そして次期Sランク冒険者に昇格すると言われてるAランク冒険者のフラムとヴァルを王都に連れて来るっていう命令を王国から受けたからだよ」

「ふーん」


 ルーエルの説明を聞いた僕は色々と疑問が浮かぶ。


「というか勇者を王国のために使ってるじゃん。他の国はなにか言わなかったの?」

「ま、まあバレなければ文句はいわれないし……兄さんに会いたかったし」

「そ。……ん?でもそれおかしくない?」


 ルーエルはとてもおかしなことを言った。だって。


「会いたかったのなら来ればよかったじゃん。どーせ僕の居場所なんて知ってたんでしょ?」

「うん。まあ……」

「ならなんで?」


 質問をするとルーエルは気まずそうな顔をする。


「色々あるけど一番の理由は今まで国から会うの止められてたんだよ。今行ったら絶対に戦いになってセシニュスが地図から消えるかもしれないし、どっちかが死ぬまで続けることになるかもしれないからって」

「はぁ?」


 僕がそんな分別のつかない行動するわけないじゃん。そう思っていたが他の3人は納得した顔をする。


「なるほど。だからフェクシオ家からの人間が来なかったのですね」

「あー確かに。先輩ってここに来た時の精神状態ヤバかったすもんね」

「うん。初めてジェロアお兄ちゃんに会った時は近くにいた冒険者全員に喧嘩売ってて、私とフラムもその被害にあったもんねー」

「あー懐かしいっすねそれ!」


 昔を思い出して楽しいでいるようだが僕は気が気ではなかった。そんな質の悪いチンピラみたいなことしてないはず……いやしてた。


「……その話って今必要?僕はそう思わないけど」


 僕は目を逸らし、今すぐその話題をやめるように訴えかけるがフラムとクロフがニヤリと意地の悪い笑いをした。


「えー?どうしたんすか急にぃ?」

「そうだよー。そんな恥ずかしい過去言われちゃったみたいな反応してどうしたのー?」

「よしお前ら表出ろ。まとめて半殺しにしてやる!」


 調子に乗りやがって!どっちが上かまた分からせてやる!


「ま、まあまあ。兄さんはまだボロボロの状態でしょ?ならやめようよ」

「……チっ!」


 その発言が理にかなっていたので怒りを治めるがフラムがちょっと引いた顔でまた言葉を発する。


「おーこわ。沸点低っすぎすよ先輩。だからさっきの国からの命令を先輩とヴァルさんだけここの冒険者ギルドのマスターから前々に教えられなかったんすよ」

「……は?」

「あ、ヤベ」


 こいつは今なんて言った?僕たちだけ教えられなった?


「用事ができた。王都に行くのはちょっと待ってて」

「な、なにする気っすか?」

「はは。安心してよ。ここのギルドマスターちょっと殺してくるだけだからさ」

「ぜ、全員で先輩を押さえろ!!!」


 そう言いベッドから起き上がろうとする僕をヴァル以外が押さえつけてくる。おいふざけるな!


「おい離せ!ちょっと殺しに行くだけだろ!?」

「ダメに決まってるでしょ兄さん!」

「私ジェロアお兄ちゃんが牢屋に入って遊べなくなるのいやだから邪魔するねー」

「ふざっけるな!離せ!がぁぁぁぁ!!!」

 

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