囁きのオウムアムア/大隅 スミヲさんへ💗
囁きのオウムアムア
https://kakuyomu.jp/works/16818093090081310150
ようちゃんをご指名ありがとうございます💗
わたしのファンサとしてこちらにて感想及び僭越ながらアドバイスなどをさせて頂こうと思います。先に言っておきますと、今回はアントニオ猪木ばりのビンタはありませんのでご安心くださいませ。
全体的な感想なのですが、「スミヲ味」が出ている面白さがあって非常に良いと思いました。やや詰め込みぎみな内容や設定も感じるといえば感じるのですが、それがむしろ「良い味」になっていて、これで一冊分の小説が書けそうな魅力を出しております。わたし的には技量うんぬんよりも、大隅さんらしさが出ていることがとてもポイント高くて、みなさんに「推したい」一作ですね。
さて、大隅さんにもリクエストを伺いましたところ、「(公募の)二次選考通過するにはどうすれば良いか」というご質問をいただきました。今年は一次選考通過はできたけど、その先は、という戦果だったそうです。個人的には一次選考通過できるだけすごいと思いますよ。
で、リクエストなのですが、実は大概のアマチュア作家さんであれば「ああ。それであれば、ここをこうすれば……」なんて、その作家さんの現状や特徴を掴んだうえでアドバイスができるのですが、大隅さんの場合はちょっとというか、かなり難しいんですね。
というのも、みかみさんの回でご説明しました、作家の進化段階は、
第一段階:自分が書きたいものを自由に書いている。
第二段階:読者が小説として読めるものを書いている。
第三段階:読者が魅力を感じる小説を書いている。
第四段階:読者が「大隅さんの作品だから読みたい」というものを書いている。
第五段階:ビジネスとして売れる小説を書いている。
第六段階:自分が書きたいものを自由に書いている。
と申し上げましたが、大隅さんの場合はどこの段階が足りないとかはなく、第二、第三、第四段階と、各段階がほぼ平均的に得点をしているんです。これは普通の作家さんからみれば大変羨ましく、模範にしたくなる状況なのですが、公募という荒波に向かって出航すると、結果的に「目立たなく」なってしまうんですね。あれですよ。学校で突出して優等生やめちゃ強な体育会系生徒やヤンキーは目立つのに、成績もそれなりに良くて品行方正な男子は女子にモテないみたいな。一番いい人なのにモテないってどういうこと? みたいな男子って、大隅さんの周りでもいませんでしたか?
ここからは申し上げにくい(というか大隅さんのファンの方にかなり怒られそう)ながら、空気を読まずに言ってしまいますと、ガチで勝ちに行きたいのであれば、対策として、「カクヨムを一歩遠い目でみる」のはどうでしょうか。
わたしが推察する今の大隅さんの現状って、「カクヨムではみんなに褒めてもらえる」「web小説で有名になりたいのか紙面で有名になりたいのか不明」「出している公募が本当に自分にあった進路先なのか確信がない」ように思えるんですね。直言すれば、最終目的地と自分が勝つべき戦場の設定がないまま書き続けてませんか、ということになるのではと感じるわけです。
非常に意地悪く物を見れば、web小説というのは読者層の主体が若者で、文体が簡明、内容は社会あるいは学校生活に絶望をした若者たちが目をそらす場として求められた「ざまあもの」とか「スローライフ」とか「悪役令嬢」とか「来世に期待系転生」とか「かわいい子にモテまくる」しかウケていないわけです。もちろんweb文芸もあるわけですが、需要がニッチすぎて、作家が参入する余地が非常に少ないのと思うんですね。ですので、ここで大隅さんが戦うには、ご自身の年代においても作風においても難しいのではないかと。当然、これらを対象とした公募については「戦場違い」なんだと思います。
ですので、昔からある文芸誌や歴史小説誌、あるいは地方新聞や地方文学賞などの「紙面媒体」の公募に特化した方が勝ち目があるのではないかとわたしは思うんですね。いっそのこと、腹を括ってwebでの活動に見切りをつけて、紙面デビューをするために活動する方が、大隅さんの作風の純度を上げるには良いのではないかと思うのです。
アマチュア作家にとって、カクヨムって本当にありがたいプラットホームだと思うんですね。作家同士で交流できますし、お金をとれるレベルの文章でなくともweb小説と名乗れば、読者がついてくれて褒めていただけるわけです。
わたしもフォロワーというお友達や読者がわたしの実力の十倍以上もの評価をしてくださる「ぬるま湯」にどっぷりとつかっているわけですが、この極楽温泉に入っている人間が、角川あるいはカクヨムの求めているメインジャンル以外で商業デビューあるいは何らかの賞を受賞しようとすると、はたしてこの環境が良いのかどうかと思うわけですね。
もう一つは「手癖」の話になるのですが、web小説で書き慣れると、公募のような紙面媒体を意識した作品を書いているとき、どうしてもスマホの画面やパソコンのモニターで見るための文体になってしまったりするんですね。なので、カクヨムではかなり人気で短編一作書けば☆が200くらいもらえる作家さんでも、公募は一次通過がやっとみたいな結果になってしまうのは、web上の身近なファン相手であればチヤホヤされても、誰もが公平な戦場である公募に出れば「そんな緩い小説ではお金になんないンですわ」というクオリティーに見られてしまっているのではないかと、わたしは分析しているんです。
ですので、大隅さんがweb小説も目指しているのであれば、また別の話なのですが、歴史もので成功するために公募に出すのであれば、web小説から一度離れてみるのもアリなのではないかと思うんです。
もちろん、「じゃあ今日でカクヨム退会するわ!」なんてのは極端ですので、是非ともやめていただきたいのですが、「本に載る小説を書く」という最終目的地を設定し、それに向けた公募先に絞る方が、腰が据わるのではないかと思います。もちろん、カクヨムコンとか他にも魅力的なネット公募はあるわけですが、「それって、俺(大隅さん)に必要なトロフィーなのか?」と考えてみるのもアリではないでしょうか。
まとめますと、大隅さんは「何をすればいいのか」ではなく、「何をしてはいけないのか。何を捨てるのか」を真剣に考えることだと思います。これはある意味、若者にはできない考え方であり、アドバンテージであるとわたしは考えております。なんといっても、若者みたいに時間がたっぷりとあるわけでもないですからね。知恵と工夫によって、最小コストと最短期間で結果を出すことを考えるべきではないかと。
ちょっと「カッコよさげ」なたとえをすると、中年以降の人生は麻雀と同じなんです。配られる牌やツモもれる牌は決まっているわけですから、あとは局面を見て何を切るかがすべてなんだと思います。若いうちは手元の牌でなんとかあがることしか考えられませんが、ある程度物が見える年代になれば、切って捨てた結果が「役」にできると思える視野の広さとそれまでを待てる余裕がありますよね、というわけです。――たまに他人に啼かれてツモる順番が狂うというのも、それもまた人生なのかもしれませんが(笑)。
以上、わたしなりのファンサを書かせていただきました。参考にしていただければ幸いです。
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