2-18.ナツ家のこらしめぱーんち!?
ボクたちは孫たちを迎えに行くと、待ち合わせ場所には4人の元気な姿があった。
「みんな、お疲れ様!さあ、お昼ごはん食べに行こうか」
「「はーい!」」
「うん···」
「おう···」
あぁ~、やっぱりモンドくんとアトラちゃんは落ち込んじゃってるね。フーちゃんとルメちゃんが勝ち残ったからなおさらなのかなぁ〜?
するとレオが2人に声をかけてくれた。
「2人とも、よく頑張ったな。負けたのはあくまで結果に過ぎないぞ。今すぐじゃなくていいし嫌かもしれないけど、『どうして負けたか?』と『
「···わかった」
「···あたいも」
「よーし!じゃあ食べに行くぞー!」
さすがレオはちゃんとポイントを押さえて指導してくれるね!
さて、フードコートに着くと、人はほとんどいなかったね。この時点でベスト8だからね。
すると、黒竜の少年と緑竜の少女がこっちにやって来たよ。
「よお!あんたらの試合は見せてもらったぜ!すげえ試合しやがるな!そうそう、自己紹介がまだだったな。黒竜のクロってんだ。よろしくな!」
「あの···、その···、こ、こんにちは···。わたしは緑竜のナギって言います···。試合、すごかったですね···」
「こんにちは、ボクたちはこの子たちの祖父母なんですよ。ボクはアキって言います。あと、ハル、リオにナナ。それとレオだよ」
「あっ!そーいえばフーたちもじこしょーかいしてなかったよ!フーはフーだよ〜!」
「おれはモンドだ」
「あたしはルメよ」
「あたいはアトラだ!」
「せっかくだし、クロくんとナギちゃんは一緒に食事しない?」
「そうだな···。俺はいいぜ!」
「わたしも···、いいです···」
というわけで、黒竜のクロくんと緑竜のナギちゃんと一緒に食事をすることにしたよ。
クロくんは試合を見ていたけど、かなりの強さだ。話し方からしてケンより年下かな?
ナギちゃんは大人しいけど、戦闘になると人が変わっていた。かなり強力な魔法をいっぱい使ってゴリ押しタイプだね。
「2人は別の目的だと思うけど、どうして話しに来たのかな?」
「俺としてはあんたらが別大陸から来たって聞いてな。ちょっと興味あるんだよ。どうやって来たのか?も含めてな」
「わたしは···、ちょっと助けを求めたいなぁ···、と思ってです···」
「えっ?助け?」
「はい···。ですから···、試合が全部終わったら···、またお会いできますか···?」
「それはボクはいいけど···、みんなは?」
「別にいいぞー」
「···わたしも」
「あたしもいいわよ〜」
「オレもいいぜ!」
「じゃあ、詳しくはその時でね。クロくんはボルタニア大陸に興味があるんだね?」
「そうだな!別の大陸なんて、いったい何があるのか気になってな。大魔王とか
「あ〜、なるほどね。武者修行みたいなものかな?」
「そんなとこかな。あとは黒竜の集落がないか?ってとこだな」
「えっ!?こっちにないのかい!?」
「それがわからねえんだ···。俺は孤児なんでな···。人族と一緒に育ったからな」
「ごめんね···。失礼な事を聞いちゃったね···」
「気にしなくていいさ。俺から話したからな」
どうやら2人とも訳アリのようだね。この2人はお互いが初めてみたいで、友達とかじゃあないみたいだね。
これもフラグなのかなぁ〜?でも、困ってる人を助けるのは当然だから、助けを求めるなら手助けはするよ!
その後はちょっとした会話で盛り上がったよ。まぁ、対戦相手だしね。今はあんまり深入りしない方がお互いのためだからね。
さて、そろそろ準々決勝の時間だね。
「じゃあ、そろそろ行こうか。2人とも、ありがとうね。孫たちとの試合を楽しみにしてるよ」
「ああ!」
「こちらこそ···」
「さてと···。フーちゃん、ルメちゃん。あんまり気負わずに自分らしくやっておいで」
「「はーーい!」」
さ〜て!お昼ごはんをいっぱい食べて元気100倍だよ〜!
フーがリングに上がると、相手さんも上がってきたよ。なんか強盗さんっぽいね〜。
「へっへっへ!こんなガキが勝ち残るなんて、よっぽど運が良かったんだろうな〜。だが、それもここまでだぜ!」
「フーはうんわるいよ?このまえ、かじのでまけちゃったもん!」
「そういう運じゃねえよ!まぁいいさ。さっと終わらせるぜ。へっへっへ!」
さっさと終わらせるかぁ〜。じゃ、フーもそうしようかな?
「準々決勝第1試合、始め!」
「よろしくおねがいしま〜す」
「バカめ!スキだらけだぜ!」
フーがあいさつしてる最中にナイフを投げてきたよ···。もう〜!せっかちさんだなぁ〜!
ドスッ!ドスッ!
「やった!勝ったな!!」
「ざんねんでした〜。かわりみでした~!」
「だろうな!そして後ろにいるって事もな!」
「えっ!?きゃっ!?」
強盗さんは後ろ回し蹴りでフーを攻撃してきたよ!?とっさに下がってギリギリ躱せたよ〜。
「ちっ!引っかかりやがらなかったか···」
「あぶないあぶない···。フーのわざをしってるんだね」
「スピードが速いってぐらいはな。技を知らなくてもある程度は想定するさ」
「へぇ~!これは···、おもしろそう!じゃあ、フーも
「なに?」
「ひぎ、むそうれっぱ」
「なっ!?思ったより速い!?クソッタレ!!」
「まだまだ〜!『エレクトリックスタンショット』!」
「こいつ!?魔法まで!!ぐぁあああーー!!」
スピード勝負なら負けないよ〜!さらにフーは魔法も使えちゃうんだから!じーじから教えてもらった『護身魔法』だよ〜!じーじがいた世界には女の人が襲われた時に
「ぐっ···、まだだ!」
「しぶといなぁ〜。これってけっこうきょーりょくなまほうってじーじがいってたのになぁ〜」
「まだ···、オレの奥の手を出してないからな···。くらえ!!」
強盗さんは投げナイフをまた投げてきたよ〜!当たらないって!!しかもコントロール悪いからあさっての方向に行っちゃってるし。
5本投げたところで攻撃は終わっちゃったね。じゃあ、フーがトドメをさしちゃおうか!
そう思って動こうとすると···、動けない!?
「えっ!?どうなってるの!?」
「クハハハ!引っかかりやがったな!足元を見てみな!」
フーが足元を見ると魔法陣があった!これっていつの間に!?
線を辿ると、そこにはさっき投げたナイフがあった!
「さあ!遊びは終いだ!くらえ!!『焼滅』!!」
そう叫ぶと魔法陣が光り輝き、フーの足元から炎が噴き出した!!
身動きとれないから直撃を受けちゃった···。
「ハハハ!まっ黒焦げだぜ!まぁ命は取らねえが、早く治さねえと死ぬぜ。審判!オレの勝ちを宣言しろ!」
「あぶなかった〜!もうちょっとおそかったらフーのまるやきになってたよ〜!フーはおいしくないからね!」
そう言ってフーは強盗さんの背後を取ってたのだ!
「なあっ!?完全に入ってたのに!?」
「ほのおがでるしゅんかんにうごけるようになったからぬけだしちゃったの〜!ほんとギリギリだったよ〜」
「そんなバカな!?オレのとっておきだぞ!?今まで抜け出すヤツなんていなかったのに!?」
「じゃあ、フーがさいしょだね〜!あとはこれでおわり!ママじきでんの『(パパを)こらしめぱーんち』!!」
ズムッ!!
「ガハッ!?こ···、こんな···、ガキに···」
お〜!?さすがママが
「そこまで!」
「ありがと〜ございました〜!」
ママの必殺技でフーは勝ったよ〜!
ズムッ!!
「ゲフゥッ!?お···、お前···」
「···いい加減、フーに頼るな。···父親なんだからもっとしっかりしろ。···娘に胸張れるようにしろ」
「うわぁ···、ナツさん···。今日もヨウさんに厳しいですね···」
「俺だって···、頑張ってるのに···」
お店ではパパがまたママに叱られてたみたいだね〜。でもフーはパパが頑張ってるのは知ってるからね!大好きだよ!パパ!
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