2-17.くらえ!このあい!
「あの相手、強い!」
「幻術かー?モンドの技が全部当たってるのにまったく効いてないぞー!?」
「ああ。これはモンドの経験不足が致命的だなぁ~。いくら強くても経験が足りなさ過ぎるから、相手が特殊な技を使ってきたら対処しきれんなぁ~。多分トランスしても勝てないだろうな」
「えっ!?レオ、どういう事!?」
「トランスしても能力が上がるだけだ。簡単に言えば
「···あの技、師匠に聞いたことあるよ」
「えっ?ハルは知ってるの?」
「···話だけね。···暗殺術は師匠だけのものじゃない。···別の流派もある。···邪法と暗殺術を融合させた流派。···多分、それだと思う」
「邪法と融合した暗殺術···。物騒だなぁ···」
「···難易度が高すぎて使い手はほとんどいないはず。···ちょっと気になるね」
「そうだね···。これで残ってるのはフーちゃんとルメちゃんか」
「あの相手だとルメじゃちょっと厳しいわよね?心配だわ···」
「ナナ、ボクたちは応援してあげるだけしかできないけど、精一杯実力を出し切れるように祈ろうね」
「そうね···。まぁ、優勝は厳しすぎたわね。あとでいっぱいほめてあげましょう!」
モンドくんが負けたわ···。担架に担がれたモンドくんを、フーちゃんと一緒に救護室までついていってあげたわ。もちろん、あたしが回復魔法をかけてあげたからもう大丈夫だけどね。
パパの言う通り、世の中には強い人がたくさんいるのね···。でも、あたしはあたしができる分だけやってみせるわ!
「ルメさ〜ん!試合が始まりますよ〜!」
「は〜い!フーちゃん、いってくるわね!」
「うん!モンドくんは、フーがみてるね!」
そしてあたしはリングに上がった。対戦相手は···。武器を持ってない獣人だったわ。体術で相手するのね。じーじと同じか。
「よろしくな、ドラゴン族の可愛い子ちゃん!あんまり傷つかないように倒してあげるからな!」
「よろしくおねがいします。あたしもゆびいっぽんふれさせずにおわらせますね」
「それでは第2回戦第8試合、始め!」
あたしは、まずバックステップで距離を取りつつ、魔法の準備を始めようとすると、相手さんは突っ込んできたわ!
「魔法なんて撃たせなければいいのだよ!」
「そうね!でも、そうかんたんにはやらせないわよ!ふりーふぉーるトルネード!」
「その魔法はすでに見切ってるわ!」
でしょうね!距離を離すために敢えて使った魔法よ!これも作戦のうち!
「すたーまいん!いっけぇーー!!」
あたしは両手を上に向けて魔法を打ち上げた!打ち上げた魔法は上空で弾けて、今度はリング上へ降り注ぐ!
「くっ!?派手な魔法を使う!」
「そうね!でも、このまほうはこれだけじゃないわよ!」
「なにっ!?」
そう、この魔法は2段構え!天から降り注ぐ時にダメージを与えるのだけど、この魔法が地面に着くと、着いた場所を踏んだ時に爆発するのよ!しかも相手にはまったく見えないからね!だからこそ名前に『
「ちょっとでもうごいてあたしのまほうがあるばしょをふんだらドカーーンよ!」
「物騒な魔法を使いやがる!」
「さーて、これであたしはまほううちほうだいよ。こうさんする?」
「まさか!まだまだこれからよ!」
「なんですって!?」
どうする気かしら?爆発に巻き込まれてもいいって事かしら?そう思ってると相手さんは力を溜めてから···、
「はぁあああーー!!」
なんと!?突き出した拳から魔法を撃ち出してリングを攻撃し始めたわ!すると、
「ドーーン!ドーーン!」
まずい!?せっかく地雷を仕掛けたのにリングごと攻撃したことで敢えて爆発させて潰してる!?考えた事なかったわ···。
「ハアッ!ハアッ!これで···、お前さんのとっておき魔法は終わりだぜ···」
「そうね···。はじめてつぶされたわ···」
「ははは!じゃあ、もう打つ手はないな?この勝負、もらったぁ!」
「いいえ!まだよ!あたしだってたしょうはたいじゅつだってできるの。こぶしでしょうぶよ!」
「ははは!おこちゃまの体術など生ぬるい!一発でノックアウトしてあげるよ!」
「そうね!あたしもいっぱつできめるわ!」
「なんだと!?」
あたしは右手に込めれるだけの魔力を集める!こぶしが緑に光り始めたわ!
「なっ!?まだそんな魔力が残ってるのか!?」
「ええ!まだまだあるわよ!さあ、来なさい!」
「うぉおおおーー!!」
真正面から突っ込んできたわね!でも腕の長さはあたしの方が短いし、速さも妹のクーや弟のセイより遅いのよね···。でも、そこは気合よ!
あたしが渾身のぱんちを繰り出そうとかがむと、相手さんはフェイントをかけてあたしの後ろに回られた!?
「もらったぁーー!!」
「あまいわね!おしりぱーんち!!」
「なにっ!?ぐわっ!!」
あたしは後ろにおしりから跳んだ!
あたしのおしりぱーんち!が相手さんのみぞおちに決まった!アトラが見ていたあにめであったから試してみたけど、いい感じで決まったわ!確か魔法少女ものだったから、あたしにもできると思ってたのよ!
「くそっ!尻なのにパンチだと!?ふざけやがって!」
あ〜···、それ、あたしも思ったけどまぁいいわ!相手さんがよろめいている間にこの究極ぱーんちでトドメにするわ!
「くらえ!このあい!てっけんぱーんち!!」
あたしの光る右手のこぶしが魔力で唸りながら相手さんのみぞおちにさらにヒーーット!!
「ぐふっ···」
「はあ、はあ。あたしの···、かちよ!」
「そこまで!」
「ありがとう···、ございました···」
あたしがリングを降りると、フーちゃんが待っててくれたわ。
「ルメちゃん!あのぱんち、よかったよ〜!」
「ありがとう、フーちゃん!やっぱりあたしにはアトラみたいになれないわ〜」
「ならなくていいよ!ルメちゃんにはルメちゃんのいいところがあるんだから!」
「そう···、ね。そうよね!ありがと!フーちゃん!」
···こうして、午前中に行われた第2回戦は終了したよ。アトラちゃんの棄権とモンドくんの敗北があったけど、フーちゃんとルメちゃんが勝ち残ったね!
「ルメちゃん···。やっぱりアニメの技があったなぁ〜。ゲームの技はあったからまさかと思ってたけど···」
「ルメは魔法系だからなー。肉弾戦は厳しすぎるけど、よくやったぞー」
「これで残ったのはフーとルメか···。準々決勝はさらに厳しくなるな」
「でも、これでベスト8だからね。よく頑張ったよ。あとはどこまで勝ち残れるか?だね」
「どっちも厳しいと思うぞ?」
「レオは厳しい見方するなぁ〜。まぁ、ボクたちはしっかり応援してあげようね!じゃあ、お昼ごはん食べに行こうか!」
こうしてボクたちは孫たちを迎えに行って、昼食にしたんだ。
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