2-10.フー、観客から絶大な人気を得る?
さ〜て!フーの試合がもうすぐ始まるよ〜!
「じゃあ、いってくるね〜!」
「がんばれよ〜!」
そしてフーはリングに立った!相手はお姉さんだね〜。武器は···、持ってない?体術で来るのかな〜?
だったらフーも体術で相手しよう!リオじーじほどじゃないけど、フユにーちゃんにちょっと教えてもらったからね!
「本戦第2試合のオッズは···、えっ!?フー選手が1.6倍!?ちびっ子なのに圧倒的です!!それでは始め!」
「よろしくおねがいしま〜す!」
「ああ、おチビちゃん。よろしくね。ってすぐに終わらせるわよ!」
お姉さんが突っ込んできたね〜!いっぱい蹴りを繰り出してきたよ。もちろん、フーは全部躱すよ〜。ばっくすてっぷ、ばっくすてっぷ〜。
「すばしっこいおチビちゃんだこと!ならこれはどう!?」
スピードの速い軽い蹴りから、思いっきり力を溜めた一撃を撃ってきた!ここがチャ~ンス!
右あっぱーを腕ごと掴んで···
「そぉ〜〜いっと!!」
「えっ!?うわっ!?···ぐはっ!」
フーが掴んで落ちようとする腕の勢いと自分の体重も乗せてあげるとお姉さんはバランス崩して前のめりになったから、その勢いのまま『一本背負い』で投げちゃった!
「や、やるじゃないの···。でも、まだまだよ!」
「そうだね〜。そうじゃないとフーも···、つまんないから」
「なっ!?」
「じゃあ、つぎはフーからいくね〜」
まずはぱーんちだね!さっきお姉さんがやった感じでぱんちを繰り出してみた!
「ぐっ!?は、速い!くそっ!」
「にがさないよ〜!」
つぎはきっくだね〜!···ちょっと足が短いから届きにくい···。今日は試合だし、スカートじゃなくてをズボンはいてるから恥ずかしくないよ!
あ〜!ちょっと逃げられちゃった!じゃあ、つぎはこれだね!
「いっくよ〜!にんげんぎょらい〜!はっしゃぁ〜!」
大きくかがんでからお姉さんに向けて一直線に飛んだよ〜!
「なにっ!?ぐはっ!?」
フーの頭突きをみぞおちに食らってお姉さんは場外へまっしぐら!でも、リングの端で止まっちゃったね。ちょっと勢い足らんかったなぁ〜。
「ぐっ···、おチビちゃんなのになんてパワーなのよ···」
「フーはいつもうちで『てんいんさん』のおしごとしてるからきたえられてるの〜!」
「店員はそこまでフツー強くないわよ!?」
「でも、うちではフーとおなじくらいみんなつよいよ?」
「どんな店なのよ!?」
「『ハンティング・アイ』ってれおなーどおうこくのおうとのレストランだよ〜!ママのりょうりはおいしい!ってだいひょうばんなんだよ~!」
「店の名前を聞いてるんじゃないわよ!!」
「あれれ〜?ちがった〜?」
「もういいわ!ガキの話に付き合ってられないわ!」
「あっそう。···じゃあ、おわりにするね〜!リオじーじのじきでん!『
「なっ!?しまっ!ぐぅっ!?」
フーはお姉さんの懐に瞬時に入って顎にあっぱーをキメたよ〜!結構高くお姉さんが舞い上がるからこういう名前なんだって〜!
「そこまで!」
「ありがとうございました〜!」
「「「「わーーー!」」」」
大歓声だね〜!フーも嬉しいよ〜!リングを降りたらモンドくんたちが待っててくれたよ〜!
「フー!おつかれさま!」
「ありがと〜、モンドくん!」
「さいごはじーじのひっさつわざだったわね!」
「ひっさつわざでキメるのがひーろーのりゅうぎだぜ!」
「ありがと〜!ルメちゃん、アトラちゃん!」
「お〜!フーちゃん、体術もいけるんだなぁ〜」
「···フユが教えてたみたいだね」
「オレの体術の技も使ってたなー。嬉しいぞー」
「ま、神狼族はみんな飲み込み速いからなぁ〜。フーちゃんもいいセンスしてるぜ!」
「オレも勝つって信じてたけど、オッズの方もすごい数字だったなぁー!みんなフーが勝つって思ってたんだなー!」
「リオ、ボクもそれ気になったけど···。子どもに普通賭けるかなぁ~?」
「オレだったら全額かけてるからなー!」
「ボクも本音としてはそうするけど···。予選の試合を見て、案外同じように考えるファンがいるのかもね?」
ボクたちがフーちゃんの試合の感想を言い合ってると、王様も話を聞いてたよ。
「まだまだ幼いのにすごい強さだな。家で稽古されてるのかな?」
「はい、息子の道場で。普段は娘の店で店員やってるんですよ」
「ほう···。となると、本人の才能ということだな。素晴らしい」
「ありがとうございます」
まぁ、神狼族の特徴って言ってもわかってもらえないだろうけど、才能ってことで察してくれたんだな。
さて次はアトラちゃんだけど、その前に気になる子がいたんだ。黒竜の少年だよ。
この子···、かなり強い!体術メインだけど、魔法もいいタイミングで放ってるんだ。
しかもこの子、ちょっと変わった武器を使ってるんだ···。ダーツなんだよ。
「変わった矢だなー。そんなに射程はないのになー」
「リオ、本来あれは的あてゲームに使う矢なんだよ。まさか戦闘で使うなんて考えもしなかったよ···」
「アキの世界のゲームの矢か···。なんでそんなもの使ってるんだろうな?」
「ボクとエレさん以外の外の理の者から知ったのかもね」
「かもな。···かなりの実力だ。ちょっと気をつけないといけないぜ」
···ハァハァ。ヤッターーー!!もちろんフーたんが勝ったどーー!!
次も全額フーたんに賭けるぞーー!!儲かったお金はもちろん!フーたんとナツたんのお店に通って還元するのだ!!注文はあんまりしてないし、する前にフーたんに追い出されるけどな!
フーたん!がんばえー!!おっと!当選金を次のフーたんの試合に全額つぎ込む手続きをしないと!ハァハァ···。
「当選金受け取りはこちらでーす!」
「ハァハァ···、すいませーん!これをお願いします!ハァハァ···」
「えっ!?お、おめでとうございまーす!だから興奮されてるんですね~。その気持ちわかりますよ~!では端末にタッチして下さいね~」
「ハァハァ···、いや!そ、そのまま次の試合のフーたんに全額投入するのだ!」
「ええっ!?い、いいんですか!?相手はまだ決まってませんよ!?」
「ハァハァ···!構わん!やってくれ!!」
「は、はぁ···。かしこまりました···。(このオッサン···、ロリコン?目がヤベェわ···。完全にイッてるわ···。もうとっくの昔に手遅れになってるのね···)」
そして、アトラちゃんの試合が始まろうとしていた。
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