2-3.リオ、お仕置きされる!
グロー歴523年8月11日 曇
おはよう!昨日はカジノでみんな遊んで、思いのほか楽しめたね〜!リオだけ全額スッたけどね。
うちの家族が全員起きてしばらくしたその時、壁越しにナナが怒鳴り散らす声が聞こえたんだ···。
『(バシーーン!!)アンタ!!バッカじゃないの!?何考えてるのよーー!?』
···この怒鳴り声で状況がわかってしまった。どうやらリオは普段絶対にやらない早起きをして、こっそりカジノに行っちゃったみたいだね。おそらくまた全額スッてるわ···。
これは助け船出しちゃダメだね。落ち着くまで部屋でゆっくりしておこう。
30分ほどナナは激おこぷんぷん丸状態が続いて静かになったら···、うちの部屋の扉がノックされた。
···扉を開けるボクもちょっとオドオドしちゃったよ。こっちにもとばっちり来るかもしれないって思っちゃったからね。
扉を開けると超不機嫌なナナとうんざり顔のルメちゃんとアトラちゃんがいたよ。
「ナナ···?おはよう。大変だったね···」
「アイツ、ホンット!バカよね〜!なんであんなヤツと結婚したのか今さらわかんなくなってきたわ!!」
「アキじーじ、おはよう。じーじがわるいことしちゃったよ···」
「アキじーちゃん、おはよう。
「とりあえず入ってもらって···、リオはカジノに行っちゃったんだね?」
「負けず嫌いなのはわかるけどね···。それは力や魔法の話であって運じゃないのよ。今回も全額負けてたわよ···」
「全額っていくら?」
「···100万ジール」
「···はあっ!?マジで!?」
「冗談で言える額じゃないわよ!?もう激怒通り越して呆れてるわ···」
「···よし、今からリオを縛ろう。ボクも手伝うよ」
「ホント、アキに迷惑かけちゃったわね。昨日縛らなかったのはあたしのミスだわ···」
さすがに弁解の余地はないなぁ〜。こっそり抜け出して100万ジールもスッちゃうなんてね。リオ自身のお金でもね。これがギャンブル中毒の怖さだよ···。みんなも気をつけようね!
リオの部屋に行くと、素っ裸にされて土下座スタイルのままのリオがいたよ。顔には紅葉マークがくっきりとついてたわ···。リオの竜気を貫通する威力だったんだなぁ···。この状況だけでナナの激おこ度がよくわかるよ···。
「リオ、いくらなんでもやり過ぎ」
「うぅー、ホント悪かったぞー。反省してるぞー···」
「じゃあ、今から罰として縄で縛るね。立ってそのまま動かないで」
そうしてナナと一緒にリオの全身を縄で縛って、口には猿ぐつわまでさせた上で床に寝転がせた。当然、今日はメシ抜きだよ。
···えっ!?『なんで縛り方知ってるんだ?』って!?そんなプレイなんてした事ないよ!元の世界で電気の仕事してたら、電柱の上とか屋根上とか高所で作業する際にロープを使ってたからだよ!だからってロープ使う仕事の人全員がこういう事できないけどね。···えっ?『語るに落ちた』って?···これ以上はノーコメントで。
さて、リオを除く全員で朝食を食べに行った。バイキングスタイルだったから孫たちは大喜びだ!
「「「「うま〜〜い!」」」」
「いや、ホント安いわ!」
「ナナ?その安さの秘密がカジノの収益なんだよ」
「食べれるだけ食べときましょ!アイツの金で食べた感覚にしておくわ!」
そう言ってナナはヤケ食いしてたよ。そんな姿のナナを見て、ルメちゃんとアトラちゃんはドン引きしてたよ···。
ナナ?『最近、体型がちょっと···。歳かしら?』って言ってるってハルから聞いてたけど、後で困らないかい?ボクの口からは絶対に言えないけど···。
そうして部屋に戻り、リオの部屋の玄関には『起こさないで下さい。死ぬほど疲れてるので。清掃は不要です』の札をドアノブにかけておいた。リオが全裸で縛られているのを清掃さんが見ちゃったらビックリしちゃうからね!
···なんで某映画の飛行機内での有名なセリフのような札があるんだ?『死ぬほど···』の部分はいらなくね?
さらにナナは念押しでフロントに『連れが死ぬほど疲れて、うなされてうめき声あげてるかもしれないけど、そっとしておいてね』って言ってたね。猿ぐつわしてるし、事件と思われたらいけないからね。
さあ、これから街中を見て回ろうか!
やっぱりカジノとか娯楽が多いだけあって、至るところでパフォーマンスショーやちょっとした演劇とかやっていたよ!なんだか昔に王都であった建国祭みたいだなぁ〜!ハルとデートもしたね〜!
マカオでは屋外ではなかったけど、ラスベガスだともっと派手らしいね。ボクは大陸横断鉄道に乗って横を通過しただけだから行ったことはないんだけどね。
そんな中、とある演劇がアトラちゃんを刺激してしまった!
「ハハハ!貴様、その程度か!?では王女はいただいていくぞ」
「ま、待て!そうはさせんぞ!」
「そんなボロボロの状態で何をしようと言うのかね?」
「まだだ!私は···、まだ諦めてない!」
「ほう?面白い!ではバルスよ。3分間待ってやる!どんな悪あがきをするのか見ものだな!」
「私は負けない!ここにいる観客が!私を応援してくれている!その声援に応えるためにも!私は負けるわけにはいかないんだぁーー!!」
ちょうどクライマックスになってたよ。アトラちゃんは食い入るように見はじめてしまって動かなくなっちゃったから、みんなで見ることにしたんだよ。
「バルスーー!がんばえーー!」
アトラちゃんが思いっきり叫んじゃった!?すると、観客からは『バルス!バルス!』って声援が上がったよ!
···ボクとしては某アニメ映画の『滅びの言葉』を連呼してるように聞こえてしまうんだけど?SNSでは祭りにもなってたよなぁ~。
すると、バルス役の役者さんが観客の声援に応えた!
「みんなの声援ありがとう!でもね!?私に
···えっ!?ま、まさか!?
「···アトラちゃん?もしかして、やっちゃった?」
「もちろん!あたいもひーろーのはしくれだ!ひーろーならせいえんだけじゃなくて
「ちょっとーー!?ダメだよ!演劇が成り立たなくなっちゃうよ〜!これは本物じゃないんだからー!」
「えっ!?ちょっと!?アキじーちゃん!?どこにつれてくのさー!?これからひーろーがかつやくして、おうじょさまをとりかえすいいところなのにー!?」
ボクはアトラちゃんの手を引いてその場から逃げ出した!
その後、演劇は役者さんが上手いこと立ち回って無事に終了したようだ。邪魔しちゃってごめんなさ~い!
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