2-2.カジノで遊んでみよう!
ホテルに着いて部屋に置いてあったチラシを見ると、カジノがあるようだ。カジノとホテルがグループになっていると、ホテルの部屋が豪華なのに安価な場合があるんだよ。カジノの収益をホテルの経費に回して安値で長期滞在させて、カジノで遊んでもらおうって作戦だ。
カジノねぇ~。エーレタニアのカジノがどんなものか知らないけど、上限を決めてなら遊んでもいいと思うんだよ。大事なのは『稼ぐ!』じゃないことだ。『遊ぶ』でないと上限突破して破産まっしぐらだからね!
元の世界でもマカオへ行って1万円元手で遊んでみたら、差し引き1200円負けちゃったけど3時間遊べたよ。5セントスロットだけどね。2回ジャックポット引いた時は驚いたものだよ。
でもね?職場の人は『元手100万ないとつまらんぞ!?』って言ってたなぁ〜。ポーカーとかは最低ベット(賭け金)が当時は4000円とかだからね。
「···そう。···勝負事なら負ける気はないね」
「ハル?武力で勝つものじゃないからね。駆け引きが重要なんだよ」
「···わかってる。···これもいい勉強になりそう」
「おれもやってみるぞ〜!」
「フーはあんまりきょうみないなぁ〜。でも、かけひきってだいじってママがいってた」
···そう。このエーレタニアではなんと年齢制限がなかったんだよ。だから孫たちもやれてしまうんだよ···。あんまり連れて行きたくないんだけどなぁ〜。
「アキ?とりあえずスマホのサイフ機能はロックして、孫たちにはコイン渡して、その範囲内で遊ばせたらいいんじゃないか?もちろん、やる時はアキかハルの付き添いが条件でな」
「う〜ん···。レオが言う条件なら···、いいか」
ちなみにリオ一家はカジノをまったく知らなかったんだよ。とりあえずボクが説明しておいたよ。ルメちゃんとアトラちゃんもうちのモンドくんとフーちゃんと同様の条件でやってもらうことになった。
まずは夕食だね。もちろんカジノの収益がこっちにも回るから激安だったよ!···もしかして、この仕組みってエレさんが伝えたんじゃないよな?思いっきりマカオやラスベガスと一緒なんだけど?
「アキー!これうめーぞー!こんなうまいのに200ジールって安すぎだろー!?」
「それだけカジノが儲かってるって事だよ、リオ。逆に言えばそう簡単に儲けられないって事だからね」
「なるほどなー!アキもしこたま飲んでるけど、大丈夫かー!?」
「カジノやるんだったら酔った方がいいと思うんだよね〜。このあとちょっとだけやってみようか?」
「おう!アキに遊び方を教わるぞー!」
さて、たっぷり飲み食いしてカジノに向かったよ。···夕食代はいつもの半額ぐらいだったなぁ〜。
カジノはホテルの渡り廊下を渡った先にあった。
う〜ん···。ほぼ元の世界のカジノと一緒なんだよ。トランプもどきがエーレタニアにもあったから、テーブルゲームは同じだね。最低ベットは200か···。お手軽だなぁ〜。まぁ一般の区画は低価格で、それ以上に賭けれる『Hi Limit』や『VIP』区画もあるんだろうけどね。
機械式のスロットマシーンもあるね。モニターじゃないから古めかしさを感じるよ。
まずはお金をコインに引換だ。今回は全員1万ジールを元手で遊ぶことにしたよ。
ボクはテーブルゲームは苦手だからパスだったけど、ハルが挑むよ!
ハルがやるのはブラックジャックだね。21に近づけるように胴元と勝負だ!
「···もう1枚」
ディーラーの人が鮮やかな手さばきでハルにもう1枚を投げ渡した。···かっこいい~!
「···ん。···勝負」
「私は17でしたがそちらは21。あなた様の勝ちでございますね〜」
「···じゃ、次」
なんと!?次の勝負はハルは14だったけど、ディーラーは23になってしまってまたまたハルが勝ったよ···。ハル、強すぎない···!?
「···コツなんてないけど?···強いて言えば雰囲気かな?」
「ハルさん···、それ、一流の人が言うようなセリフなんですけど?」
「···?···そう?···じゃ、他のゲームもやってみる」
「あんまりのめり込まないでね〜」
ボクとモンドくんとフーちゃんはお手軽にスロットマシーンだね。横1列に同じ絵柄を揃えたらいいんだよ。ストップは自動だね。ストップボタンなんかあったら目に最大レベルで身体強化かけたら目押しできちゃうしね。
「おっ!?じーちゃん!あたったぞ〜!」
「おっ!?モンドくん、やるなぁ〜」
「フーはハズレばっかりでつまんなーい!」
万能なフーちゃんにも苦手ジャンルはあったか···。まぁ、こればっかりは運だからね。ちなみにボクは1回当たって以降、フーちゃんと同様に当たりが来ないんだ···。ハズレ台だったかなぁ〜?
一方のリオ一家は別々でなく全員同じゲームをやっていた。ルーレットだね。赤か黒か、数字を当てるか?だね。
「よーし!オレは10番になると予想するぞー!
「アンタ、本当に運いいの?そんな賭け方で大丈夫?」
「大丈夫だー!問題ないー!1番いいのを頼むぞー!」
「···あたしが1番信じられないのがアンタなんだけど?強さ除いて···」
「じーじ!あたしははんぶんよりおおきいとおもうからここにするね〜」
「あたいはあかにかけるぜ!じょうねつのあかだ〜!」
「じゃあ、あたしはこの縦の列(3の倍数)にするわ!リオみたいな賭け方はしないわよ!」
全員バラバラに賭けたね。この中で1番倍率が高いのはリオの数字に賭ける方法だ。確率が非常に低いんだけどね。
···リオ、ホントにいいの?『神は言ってる』って、あの
ちなみに長くカジノを楽しむために、リオ一家には『1ゲーム1つのみ賭ける』って約束をしてるんだ。あっという間になくなっちゃうからね。
「では、賭けはこの時点で締め切りますね。それではルーレットスタート!」
ディーラーさんが玉を転がした。どこに入るのか、一家全員が凝視してると···、
「赤の30番ですね〜。
「なんでだーー!?やっぱ神は信用できねーー!!」
「「「やったー!」」」
リオがハズレて3人当たったね!ナナは3倍返し、ルメちゃんとアトラちゃんは倍返しになってホクホク顔だ。リオだけが思いっきり悔しがってるよ。そりゃ、そんなリスク高い賭け方するからだよ···。エレさんを信じた時点で負け確定だったと思うけど?
「ハーーックション!!」
「エレくん?こんな夏の暑い日にくしゃみだなんてどうしたの?ちゃんとボクが掃除してるからホコリはあんまりないはずだけど?」
「いや、ちょっと誰かオレのウワサをしてるのかもな。もしかして、神頼みされちゃったかもしれんなぁ~!」
「でも、エレくんってここの神様の時は全然信用も信仰もされてなかったでしょ?恨み節かもね~!」
「ナビくん!いくらなんでも失礼だぞ!···事実だったんだけど」
···ん?なんかエレさんの会話が聞こえたような?幻聴かなぁ~?ボクも歳とったのかなぁ~?
さて、夕食後2時間遊んだんだ。それでは結果発表〜!
「ボクはスロットで2500ジール負けちゃったね」
「···40万ジールになった」
「おれは1000ジールかったぁ〜!」
「フーは3000ジールまけちゃったよ〜!くやしい〜!」
「おれは1万ジール勝ったな!」
「···すべて失ってしまったぞー」
「あたしは2000ジール勝ったわね!楽しかったわ〜!」
「あたし、かちまけなしだったわ···」
「あたいは1000ジールかったぜ!」
めっちゃ勝ったのはハルだった!家族と話す時以外はあんまり表情が変わらないから、自然とポーカーフェイスだったんだね。駆け引きもピカイチだ!
勝ったのはモンドくんとレオ、ナナとアトラちゃん。堅実にプレイした結果だね。
勝ち負けなしはルメちゃん。でもね?損してないだけでも優秀だよ。
負けたのはボクとフーちゃん。くじ運ないのかなぁ〜?
そして···、リオは全額スッた!リオは一発逆転ばかり狙っちゃったんだよ···。
「くそーー!こうなったらもっとやってやるーー!!」
「リオ!ダメだよ!!1番やっちゃいけない事だよ!」
「でもーー!!」
「いい加減にしなさいよ!?アンタね!?そんな醜い姿を孫たちは見て、どう思うかわかってんの!?」
「うぅー、でもぉー」
「悔しいのはわかるけどね。相手の思うツボだよ。これは
「···わかったぞー」
危ない危ない···。リオがギャンブル中毒になりかけてたよ···。意外とリオは負けるのイヤだからなぁ〜。
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