第41話:みおみお、参上!
『胃袋をつかめ!』大作戦は、数日続いた。
その間、
そう、
『
そして、蝶姫は、「初めて苦戦した相手であった」と、“料理”を評した。
ある日、いつも通りに突然
ビューんと突風が吹き、未央が蓮月殿の中に現れる。
未央「おはみーお!
豊「おはみーお!サヴァ…(あれれ?また勝手に口が動く…)」
未央「ヒトの子よ~、そこは『
豊「うん、わかった!
未央「
豊「…。(みおみおちゃんも、やっぱり
と、蝶姫の顔を見上げる。その顔は、残念度100%であった…。
未央「あ~んしんせぃ、ヒトの子よ。キミは冷え性で
豊「??」
蝶姫「??」
未央「そんな、『鳩が豆鉄砲を食ったような』顔をするでにゃい。ピヨるでにゃい。ほいでもって、お嬢っ。お嬢のもろもろの調子を診てもよいか?」
蝶姫「ええ、いいわよ」
未央「…。ほんだら、ちと、胸に手を当てさせてもらうズラ」
そう言って、未央は、蝶姫の胸元にいつもいる小さきヒトの子の顔を見ながら、蝶姫の胸に右手を当てる。
未央「…。にゃんと!?ふむふむ。バリよかね。よかばい、よかばい」
蝶姫「みおみお?あなたはなぜいつも変わった喋り方をするの?」
未央「お嬢っ、そいつぁ~、医者に
蝶姫&豊「…。(絶対にならないと思う)」
未央「う~む、やはりアレが不思議だにゃ~。って、せやった、みおみおは“こっち”には長居できひぃもんやったんだったワイ。ヒトの子よ、お嬢っ、自分の身体と気持ちを大切に、そして素直であり続けるのだにゃ。へば、まんず」
豊「へばなぁ~(あれれ?また勝手に反応しちゃう。知らない言葉だし…。みおみおちゃんの影響?)」
そして再び風と共に去った。
蝶姫「ねえ、あなた。今日も体調は良いのかしら?」
豊「うん、バリバリえぇよ(あれ?あれれ?まだ、みおみお語が…)」
蝶姫「では、今日もお天気がよいので、一緒にお散歩をしましょう」
豊「うん。また街で珍しいものがありそうだもんね。あと、少しだけコパンとクマ吉にも会ってもいいかな?」
蝶姫「えぇ、もちろんですとも。さぁ、始まったばかりのこの初夏を愉しみましょう」
歩けるようになった豊は、蝶のおねーちゃんと手をつないで、街を散策するのであった。
桜道では、桜の花はもう終わってしまったけれども、その代わりに新緑の葉が美しかった。そして、
初夏の風がその花々の香りを二人に届ける。
蝶姫の長い髪がなびき、その香りを味わう小さなヒトの子がいた。
今日もふたりは幸せだった。そして今日も街は平和であった。
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