第33話:仙女降臨・蝶のように舞い降りた姫
姉・
そして、二人は4日目の朝を
その日の朝は、
街の人々も、「今日はこの天気か~。いやー、残念っ。花見を十分に楽しめんな~」と各々残念がる。
その空は、さらに暗くなり、まるで夜の様に真っ暗になった。その異様な光景に、街の人々は空を見上げては、恐怖を覚える。そして、大姉も天の異変に気付き、寝室の窓から外を見上げる。
すると、ひとすじの光が天から地を射した。ちょうど、
街の人々はそれを見て、「女神様が宮殿に舞い降りたぞ」、「いやあれは天女様に違いない」などとそれぞれ口々に言う。
そして、一人の老人が「あれはまさしく『仙女降臨』じゃな」と言い切ると、街の人々は光の方を
大姉は、それが
蝶の姫は、地にゆっくりと、
蝶姫「おまたせ。ただいま」
とてもご機嫌な様子であった。
大姉「蝶、おかえりなさい。今のは…?」
と、尋ねてみる。
蝶姫「ふふっ。演出よっ。演出。“実家”で、ヒトについて少し学ばせてもらったわ。こういう神がかった演出が好きだと
大姉は、蝶姫のその話し方から、蝶姫は我々“ヒト”に興味を持ち、色々と知ろうとしているのだなと、感じ取った。
蝶姫「あの
大姉「この状態なの。未央さまがいらしてからは、悪くはなってはいないの。でも、起きないの…」
心配そうに話す弟の姉に、
蝶姫「大丈夫。ここからは私に任せて」
と、気遣う。
蝶姫は、よく“ヒト”がする一礼を大姉にして、その愛おしい小さなヒトの子を抱き受ける。
蝶姫「あなた、帰ってきましたよ」
本当は思いっきりギューっと抱きしめたかった蝶姫であったが、今はやさしく抱き寄せるだけで我慢をした。…かなり我慢した…。
蝶姫「京香、あなたも少し休んだ方がいいわ」
大姉「えぇ。そうね」
蝶姫「ちょうど“実家”で、京香の為に作って持って来たの、良薬を」
大姉は一瞬、連日悩まされた“あの薬”を思い出した。
蝶姫「ふふふ。大丈夫。アレみたいに酷いものではないわ」
大姉は、首を縦に振る。
蓮月殿の寝室に3人入る。蝶姫は、寝台で大切なヒトの子をやさしく抱いて包んであげた。大姉は、寝台の横の椅子に座り、
空はいつの間にか晴天になっており、街の人々は「今日も花見が出来るぞ~」と喜ぶ。
たまたま
豊はまだ気づいていなかった、大好きな蝶のおねーちゃんが帰ってきた事を。
蓮月殿の桜も、元気に咲いている。
しかし、鳥たちはその花をツンツンとクチバシで突っつきイタズラをする。
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