真っ暗な部屋
「?…起きた様ですね」
暗い中でも昼の様に普通に見える私は、アジト内の監視を兼ねて暗闇の中で少年のベッドを整えていると、コルヴォ様の寝室で何かが動く気配を感じた、動いている箇所にベッドが置いてある事から、少年が目を覚ましたのだろう。
流石に懐中時計は見えないのでカーテンを軽く開けて覗き込むと、時刻は現在正午丁度。
「…(コルヴォ様は今日の昼過ぎには帰ると言っていましたので、もうすぐで戻るでしょうから昼食の準備をしないといけませんね…あっベッドから落ちた)」
少年が転落したのを感じつつ、私は割烹着を脱ぎ掃除用具を片付ける事にした。
「(ちょうど掃除も終わった事ですが子供を相手にするのめんどくさいですし、部屋に向かわずともこうして影伝いに少年を監視しながら調理にかかれば大丈夫でしょう………あっ)」
そんな事を考えていると、コルヴォ様の寝室に光が差し込み探知が出来なくなった…恐らくカーテンを開けたか電気を点けたのだろう。
私が探知出来るのは闇の中だけで光がある箇所は見れない、少年の様子が窺えなくなった。
×××
「…ホテル?」
カーテンを開けて改めて部屋を見渡してみる、そこはテレビで見た高級ホテルみたいなお部屋だった…僕は何でこんな所にいるんだろう?
思い出そうとするけど頭が痛い、ベッドから落ちた時にこぶ出来ちゃったのかな…あれ?
おでこに触ってみると何か貼ってある?何だろうと思ってると部屋に大きな鏡があった、その鏡を覗いてみると頭にガーゼが張ってあった。
「ガーゼ?何でガーゼなんか張ってあるの??!!」
もしかして僕事故に合った?でも何で病院じゃなくてホテル?!
「ん〜…頭痛くて昨日の事思い出せない…誰かいないのかな?何か知ってるかも」
僕は人を探す為に部屋を出ると、また真っ暗な部屋があった。
「こっちの部屋も真っ暗…カーテン開けなきゃ…」
カーテンを開けようと窓の方に向かった。
×××
…寝室から出たようですね。
少年が寝室から仕事部屋に出てきたのを探知した私は、闇の中に体を溶け込ませ急いでコルヴォ様の部屋に向かう、水の中を泳ぐように闇の中を移動している最中に、コルヴォ様の部屋の扉が開いた。
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