4・0・1 文字化された命題
○前段
1 : Die Welt ist alles, was der Fall ist.
世界は全てである。あらゆる何か、その現象がそこにあるに依る。
2 : Was der Fall ist, die Tatsache, ist das Bestehen von Sachverhalten.
何が提示されているのか。事実・現象とは事態が実在することである。
3 : Das logische Bild der Tatsachen ist der Gedanke.
事実の論理上の像が、思考である。
4 : Der Gedanke ist der sinnvolle Satz.
思考は意味のある命題である。
4.001 : Die Gesamtheit der Sätze ist die Sprache.
命題の全体が言語です。
4.01 : Der Satz ist ein Bild der Wirklichkeit. Der Satz ist ein Modell der Wirklichkeit, so wie wir sie uns denken.
この命題は現実を描いたものです。この命題は、私たちが想像する現実のモデルです。
○派生図
4001
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||└31
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||├3
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4.011 : Auf den ersten Blick scheint der Satz - wie er etwa auf dem Papier gedruckt steht - kein Bild der Wirklichkeit zu sein, von der er handelt. Aber auch die Notenschrift scheint auf den ersten Blick kein Bild der Musik zu sein, und unsere Lautzeichen- (Buchstaben-) Schrift kein Bild unserer Lautsprache. Und doch erweisen sich diese Zeichensprachen auch im gewöhnlichen Sinne als Bilder dessen, was sie darstellen.
一見したところ、この文章は、紙に印刷されているように見えますが、それが扱っている現実を描写しているようには見えません。しかし、一見すると、楽譜は音楽の絵ではないようですし、私たちの音声文字(文字)の書き方も話し言葉の絵ではないようです。しかし、通常の意味でさえ、これらの手話は、それが表すもののイメージであることがわかります。
4.012 : Offenbar ist, dass wir einen Satz von der Form »aRb« als Bild empfinden. Hier ist das Zeichen offenbar ein Gleichnis des Bezeichneten.
私たちが「aRb」という形式の文をイメージとして認識することは明らかです。ここで記号は明らかに記号内容の直喩である。
4.013 : Und wenn wir in das Wesentliche dieser Bildhaftigkeit eindringen, so sehen wir, dass dieselbe durch scheinbare Unregelmäßigkeiten (wie die Verwendung von # und b in der Notenschrift) nicht gestört wird. Denn auch diese Unregelmäßigkeiten bilden das ab, was sie ausdrücken sollen; nur auf eine andere Art und Weise.
そして、このイメージの本質を突き詰めると、明らかな不規則性 (楽譜における # と b の使用など) によって妨げられていないことがわかります。なぜなら、これらの不規則性は、表現されるべきものをも表現しているからです。ただ違う方法で。
4.014 : Die Grammophonplatte, der musikalische Gedanke, die Notenschrift, die Schallwellen, stehen alle in jener abbildenden internen Beziehung zueinander, die zwischen Sprache und Welt besteht. Ihnen allen ist der logische Bau gemeinsam. (Wie im Märchen die zwei Jünglinge, ihre zwei Pferde und ihre Lilien. Sie sind alle in gewissem Sinne Eins.)
蓄音機のレコード、音楽思想、楽譜、音波はすべて、言語と世界の間に存在する相互の内部関係を描いたものです。それらはすべて共通の論理構造を持っています。 (おとぎ話に出てくる二人の若者、二頭の馬、そして百合のように。彼らはある意味で一つです。)
4.0141 : Dass es eine allgemeine Regel gibt, durch die der Musiker aus der Partitur die Symphonie entnehmen kann, durch welche man aus der Linie auf der Grammophonplatte die Symphonie und nach der ersten Regel wieder die Partitur ableiten kann, darin besteht eben die innere Ähnlichkeit dieser scheinbar so ganz verschiedenen Gebilde. Und jene Regel ist das Gesetz der Projektion, welches die Symphonie in die Notensprache projiziert. Sie ist die Regel der Übersetzung der Notensprache in die Sprache der Grammophonplatte.
音楽家が楽譜から交響曲を抽出できる一般的な規則があり、それによって蓄音機のレコードの線から交響曲を導き出すことができ、最初の規則に従って再び楽譜を導き出すことができるという事実は、まさに次のとおりです。これらの一見非常に異なる構造の内部の類似性。そしてそのルールは、交響曲を音楽言語に投影する投影の法則です。これは、音符の言語を蓄音機レコードの言語に翻訳するための規則です。
4.015 : Die Möglichkeit aller Gleichnisse, der ganzen Bildhaftigkeit unserer Ausdrucksweise, ruht in der Logik der Abbildung.
すべての寓話、私たちの表現のイメージ全体の可能性は、イラストの論理にあります。
4.016 : Um das Wesen des Satzes zu verstehen, denken wir an die Hieroglyphenschrift, welche die Tatsachen die sie beschreibt abbildet. Und aus ihr wurde die Buchstabenschrift, ohne das Wesentliche der Abbildung zu verlieren.
文の本質を理解するために、文に記述されている事実を描写する象形文字について考えてみましょう。そしてイラストの本質を失わずにアルファベットになりました。
4.02 : Dies sehen wir daraus, dass wir den Sinn des Satzzeichens verstehen, ohne dass er uns erklärt wurde.
これは、句読点の意味を説明されなくても理解できることからわかります。
4.021 : Der Satz ist ein Bild der Wirklichkeit: Denn ich kenne die von ihm dargestelle Sachlage, wenn ich den Satz verstehe. Und den Satz verstehe ich, ohne dass mir sein Sinn erklärt wurde.
文は現実の絵です: 文を理解すると、それが表す状況がわかるからです。そして、意味を説明されなくても、その文は理解できます。
4.022 : Der Satz zeigt seinen Sinn. Der Satz zeigt, wie es sich verhält, wenn er wahr ist. Und er sagt, dass es sich so verhält.
文はその意味を示しています。この文は、それが真実である場合に何が起こるかを示しています。そして彼はそれがその通りだと言います。
4.023 : Die Wirklichkeit muss durch den Satz auf ja oder nein fixiert sein. Dazu muss sie durch ihn vollständig beschrieben werden. Der Satz ist die Beschreibung eines Sachverhaltes. Wie die Beschreibung einen Gegenstand nach seinen externen Eigenschaften, so beschreibt der Satz die Wirklichkeit nach ihren internen Eigenschaften. Der Satz konstruiert eine Welt mit Hilfe eines logischen Gerüstes und darum kann man am Satz auch sehen, wie sich alles Logische verhält, wenn er wahr ist. Man kann aus einem falschen Satz Schlüsse ziehen.
現実は文によってイエスかノーに固定されなければなりません。これを行うには、彼によって完全に説明されなければなりません。文は事実の説明です。記述がその外部特性に従ってオブジェクトを説明するのと同じように、文はその内部特性に従って現実を説明します。この文は論理的なフレームワークを利用して世界を構築しているため、文から、それが真実である場合にすべての論理的な動作がわかります。誤った文から結論を導き出すことはできます。
4.024 : Einen Satz verstehen, heißt, wissen was der Fall ist, wenn er wahr ist. (Man kann ihn also verstehen, ohne zu wissen, ob er wahr ist.) Man versteht ihn, wenn man seine Bestandteile versteht.
文を理解するということは、それが真実である場合に何が当てはまるかを知ることを意味します。 (だから、本当かどうかわからなくても理解できるのです。) 部分を理解すれば理解できます。
4.025 : Die Übersetzung einer Sprache in eine andere geht nicht so vor sich, dass man jeden Satz der einen in einen Satz der anderen übersetzt, sondern nur die Satzbestandteile werden übersetzt. (Und das Wörterbuch übersetzt nicht nur Substantiva, sondern auch Zeit-, Eigenschafts- und Bindewörter etc.; und es behandelt sie alle gleich.)
ある言語から別の言語への翻訳は、ある言語のすべての文を別の言語の文に翻訳することによって行われるのではなく、文の一部のみが翻訳されます。 (辞書は名詞だけでなく、時制、形容詞、接続詞なども翻訳し、それらをすべて同じように扱います。)
4.026 : Die Bedeutungen der einfachen Zeichen (der Wörter) müssen uns erklärt werden, dass wir sie verstehen. Mit den Sätzen aber verständigen wir uns.
単純な記号 (単語) の意味は、私たちが理解できるように説明されなければなりません。しかし、私たちは文章でコミュニケーションをとります。
4.027 : Es liegt im Wesen des Satzes, dass er uns einen neuen Sinn mitteilen kann.
文の性質上、新しい意味を私たちに伝えることができます。
4.03 : Ein Satz muss mit alten Ausdrücken einen neuen Sinn mitteilen. Der Satz teilt uns eine Sachlage mit, also muss er wesentlich mit der Sachlage zusammenhängen. Und der Zusammenhang ist eben, dass er ihr logisches Bild ist. Der Satz sagt nur insoweit etwas aus, als er ein Bild ist.
命題は古い表現を使用して新しい意味を伝えなければなりません。この命題は状況を伝えているので、本質的にその状況に関連している必要があります。そして、それが彼らの論理的なイメージであるという関係があります。写像である限り、命題は何かを語っているだけです。
「現象を特定の形式で写像化して表現したものが文章」って、だーからー! これもう2の段階で話してることじゃんよー!
とは言え、ここで改めて「命題の文章化」に関する規則ごとを整理しておかねばならない、と言うことなのかなあ。とは言え各句で何言っているのかはいまいち踏み込んで理解しきれない。
命題が真であった時にどのような事態が現出し、命題が偽であった時にどのような状況が現出するか。これは命題が真であるか偽であるかがはっきりしていなくとも検証はできる。重要なのは「命題を理解、了解できること」。
なんかこの辺、あんまりくだくだ思考転がせないなあ。それはもうそういうものとして次に進もう。では、どうやって我々は命題を理解、了解できているのか? その辺の話が次あたりにくる?
っと、ひとまず仏教の五蘊についていろんな説明を拾ってきたので、これをいったん見返しておくことにする。どうせまたどっかで繋がってくることである。
□色蘊
・対象を構成している感覚的・物質的なものの総称。
・肉体を構成する五つの感覚器官(五根)と,それら感覚器官の五つの対象(五境)と,および行為の潜在的な残気(無表色(むひようしき))とが含まれる。
・物質的、身体的なもの。
→「世界」「現実」。
□受蘊
・なんらかの印象を受け入れること。
・苦,楽,不苦不楽の三つの感受作用。
・感覚作用。
→「像の触覚」。
□想蘊
・イメージをつくる表象作用。
・対象が何であるかを認知する知覚作用。
・表象作用。
→「像」および「写像化」。
□行蘊
・能動性をいい、潜在的にあり働く。
・行為を生み出す意志作用をはじめとするさまざまな心的作用。
・意志・欲求。
→「思考」。
□識蘊
・具体的に対象をそれぞれ区別して認識する働き。
・広く感覚・知覚・思考作用を含んだ認識作用。
・対象を識別する作用。
→「命題」。
ざっとこんな感じかな。やはり、五蘊とほぼ同期していると見てよさそう。このあたりはパーリ語経典に当たってもうちょっと認識を深めてみたいのだが、漢典および日本語経典がひとまず見出しづらい。
Majjhima Nikaya
https://www.accesstoinsight.org/tipitaka/sltp/MN_III_utf8.html
の、3.1.9 Mahāpuṇṇama suttaṃと、
Suttantapiṭake
https://www.accesstoinsight.org/tipitaka/sltp/SN_III_utf8.html
のBhāravaggo
1. 1. 3. 1 Bhāra suttaṃ。
訳本とかも出ているようだけどなかなか手を出しづらい。これはいったんここで止まっておくべきだなあ。
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