3 事実の論理上の像が、思考である

3 事実の論理上の像が、思考である

○前段


1 : Die Welt ist alles, was der Fall ist.

世界は全てである。あらゆる何か、その現象がそこにあるに依る。


2 : Was der Fall ist, die Tatsache, ist das Bestehen von Sachverhalten.

事実、事実は、事態の存在です。


2.1 : Wir machen uns Bilder der Tatsachen.

事実を写真に撮ります。


……


2.19 : Das logische Bild kann die Welt abbilden.

論理的なイメージは世界を描写することができます。


2.2 : Das Bild hat mit dem Abgebildeten die logische Form der Abbildung gemein.

絵は描かれているものと共通のイラストの論理的形式を持っています。


……


2.225 : Ein a priori wahres Bild gibt es nicht.

アプリオリな真のイメージは存在しません。


3 : Das logische Bild der Tatsachen ist der Gedanke.

事実の論理上の像が、思考である。



○派生図


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3.001 : »Ein Sachverhalt ist denkbar«, heißt: Wir können uns ein Bild von ihm machen.

「状況が考えられる」とは、次のことを意味します: 私たちはそれについてのアイデアを得ることができます。


3.01 : Die Gesamtheit der wahren Gedanken sind ein Bild der Welt.

真実の思考の総体は世界の絵である。


3.1 : Im Satz drückt sich der Gedanke sinnlich wahrnehmbar aus.

文章では、思考が感覚的に知覚可能な方法で表現されています。


3.2 : Im Satze kann der Gedanke so ausgedrückt sein, dass den Gegenständen des Gedankens Elemente des Satzzeichens entsprechen.

文章では、句読点の要素が思考の対象に対応する形で思考を表現できます。


3.3 : Nur der Satz hat Sinn; nur im Zusammenhang des Satzes hat ein Name Bedeutung.

文のみが意味を持ちます。名前は文の文脈の中でのみ意味を持ちます。


3.4 : Der Satz bestimmt einen Ort im logischen Raum. Die Existenz dieses logischen Ortes ist durch die Existenz der Bestandteile allein verbürgt, durch die Existenz des sinnvollen Satzes.

文は論理空間内の位置を決定します。この論理的な場所の存在は、構成要素の存在だけで、意味のある文の存在によって保証されます。


3.5 : Das angewandte, gedachte, Satzzeichen ist der Gedanke.

応用、思考、句読点は思考です。




 google 翻訳だと何を語ってるのかが微妙になっているな。日本語訳だと Satz を「命題」と訳される。命題とはなにかと言えば、「像について語るもの」である。図示できるかな。


「命題→思考→写像→像」→「世界(現象の集合体(現象(こと・もの)))」。


 感得される「世界」を、我々はどのように感じ取るか。はじめ像として感得、これを写像として展開したものが思考。いやマジで五蘊。仏典で五蘊について詳しく論じてる本とか読むと気持ち悪いくらいヴィトゲンシュタインと同じこと言ってんじゃね? 五蘊の詳細は阿含経にあるそうなので、今度踏み込んでみておきたいところです。


 というわけで、いよいよ我々の思考、確かに存在しているもの・ことに対してあやふやな写像しか感得できない人間のもとで展開する思考とは、果たしてどのようなものなのか、が論じられるのだが、例によってこの全体像を見てみても、後半は何を言っているのかがわからない。これ各節に相対を置く意味ないのかもしれないな、とは言え「どこまで進めばこの節のゴールなのか」は確認しておかないと死んでしまいそうでもあるし。


 アプリオリ、絶対的、動かしようもなく正しい写像など有り得ないのに、それでも我々は思想を組み立てねばならないのだね。ここで


4 :Der Gedanke ist der sinnvolle Satz.

 思想は、意義を持つ命題である。


 であることを見ると、命題について本格的に踏み込むのは 4 なのかも知れない。3.1 でも取り扱っていたりはするのだけれど、まぁそこではあまり主役というわけでもないのだろう。というわけで明日は 3.0 、すなわち 2.0 が「像について取り扱う前にもう少し世界についての解像度を上げておきましょう」だったのと同じく 3.1 以降の議論で何を取り扱うかについてはっきりと立ち位置を示しましょう、となるのでしょう。

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