2・1 像としての取得
○前段
2 : Was der Fall ist, die Tatsache, ist das Bestehen von Sachverhalten.
事実、事実は、事態の存在です。
2.01 : Der Sachverhalt ist eine Verbindung von Gegenständen. (Sachen, Dingen.)
事態はオブジェクトのつながりです。 (物、物。)
2.02 : Der Gegenstand ist einfach.
アイテムはシンプルです。
2.03 : Im Sachverhalt hängen die Gegenstände ineinander, wie die Glieder einer Kette.
事件の事実では、物体は鎖のリンクのように一緒にぶら下がっています。
2.04 : Die Gesamtheit der bestehenden Sachverhalte ist die Welt.
既存の事実の総体が世界です。
2.05 : Die Gesamtheit der bestehenden Sachverhalte bestimmt auch, welche Sachverhalte nicht bestehen.
存在する事実の全体によって、どの事実が存在しないのかも決まります。
2.06 : Das Bestehen und Nichtbestehen von Sachverhalten ist die Wirklichkeit. (Das Bestehen von Sachverhalten nennen wir auch eine positive, das Nichtbestehen eine negative Tatsache.)
事実の存在と非存在が現実です。 (事実の存在を肯定的事実、存在しないことを否定的事実とも呼びます。)
○派生図
2011
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|……
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├11
|├2
|├31
|├41
|├511
|| ├21
|| ├3
|| ├4
|| └5
|├61
|├71
||├2
||├3
||└4
|├81
||└2
|└9
2.1 : Wir machen uns Bilder der Tatsachen.
事実を写真に撮ります。
2.12 : Das Bild ist ein Modell der Wirklichkeit.
画像は現実のモデルです。
2.13 : Den Gegenständen entsprechen im Bilde die Elemente des Bildes.
画像の要素は画像内のオブジェクトに対応します。
2.14 : Das Bild besteht darin, dass sich seine Elemente in bestimmter Art und Weise zu einander verhalten.
画像は、その要素が特定の方法で相互に関連しているという事実から構成されます。
2.15 : Dass sich die Elemente des Bildes in bestimmter Art und Weise zu einander verhalten, stellt vor, dass sich die Sachen so zu einander verhalten. Dieser Zusammenhang der Elemente des Bildes heiße seine Struktur und ihre Möglichkeit seine Form der Abbildung.
画像の要素が特定の方法で相互に関連しているという事実は、物事がそのように相互に関連していることを表しています。画像の要素のこの接続は、その構造と呼ばれ、その可能性はその表現形式と呼ばれます。
2.16 : Die Tatsache muss, um Bild zu sein, etwas mit dem Abgebildeten gemeinsam haben.
イメージであるためには、事実は描かれているものと何らかの共通点を持っていなければなりません。
2.17 : Was das Bild mit der Wirklichkeit gemein haben muss, um sie auf seine Art und Weise - richtig oder falsch - abbilden zu können, ist seine Form der Abbildung.
画像を独自の方法で描写できるようにするために、画像が現実と共通していなければならないのは、正しくても正しくなくても、その表現形式です。
2.18 : Was jedes Bild, welcher Form immer, mit der Wirklichkeit gemein haben muss, um sie überhaupt - richtig oder falsch - abbilden zu können, ist die logische Form, das ist, die Form der Wirklichkeit.
すべてのイメージは、その形式が何であれ、それを描写できるためには、正しくまたは不正確に、論理的な形式、つまり現実の形式という共通点を持っていなければなりません。
2.19 : Das logische Bild kann die Welt abbilden.
論理的なイメージは世界を描写することができます。
さて、とてもシンプルな「こと・もの」を観測する我々。「こと・もの」のありよう、その総体こそを世界と呼ぶわけだが、ここに我々は否応なく「観測者」としての自分をおかねばならない。この自分が「こと・もの」を観測、認識した状態で内在化させることを「像」と置くようである。
この物語は最後に「語り得ないものは沈黙せねばならない」とする。ならばこの「像」のうち、何が語れるのか、何が語れないのか。そうした話になってくるのだろう。この物語は飽くまで論理構造として形成されていると言うだけであり、別に無邪気に順番通り追う必要もないのだろう。自由に各パートに飛び、いろいろ拾い、行きつ戻りつさえすれば良い。とは言えいったん順番を拾わねば何が書かれているか、何を論じたいかがわからない。まぁ厄介な代物である。
世界は複雑である。ただしそれを構成する対象たること・ものそのものはシンプルであり、その形式、配置が様々に絡み合い、またこちらとして想定し得ないような形式・配置もまた存在可能性として踏まえねばならない、という意味において。
現在、言葉としてなかなか腹落ちしないのが「命題」「論理」の二語だ。いや「形式」もよくわからんか。なぜこうした言葉をわざわざ掲げているかと言えば、そうやって掲げる必要があるからなのだろう。これの腹落ちが、下手をしたら6あたりを読んでようやく、みたいなこともありえるのだろうなあ。
構造を見てみても、『論考』全体が真ん中にボリュームゾーンを持つのと同じく、2.1そのものの構造も真ん中にボリュームゾーンを持つ。これ、下手したら逆から読んだ方がわかりやすいんじゃないか? まぁ予断である。『論考』の一スタンザごとという「こと・もの」を「像」として取り込み、論理として組み立てなければ何も見えないみたいな話は、まぁ間違いなく、ある。まぁご面倒ですこと。
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