2・0 事実・現象こそが現実
○前段
2 : Was der Fall ist, die Tatsache, ist das Bestehen von Sachverhalten.
事実、事実は、事態の存在です。
2.01 : Der Sachverhalt ist eine Verbindung von Gegenständen. (Sachen, Dingen.)
事態はオブジェクトのつながりです。 (物、物。)
2.02 : Der Gegenstand ist einfach.
アイテムはシンプルです。
○承前
011
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……
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2.03 : Im Sachverhalt hängen die Gegenstände ineinander, wie die Glieder einer Kette.
事件の事実では、物体は鎖のリンクのように一緒にぶら下がっています。
2.031 : Im Sachverhalt verhalten sich die Gegenstände in bestimmter Art und Weise zueinander.
事件の事実において、オブジェクトは特定の方法で互いに関連しています。
2.032 : Die Art und Weise, wie die Gegenstände im Sachverhalt zusammenhängen, ist die Struktur des Sachverhaltes.
物質内のオブジェクトがどのように関係しているかが、物質の構造です。
2.033 : Die Form ist die Möglichkeit der Struktur.
形式は構造の可能性です。
2.034 : Die Struktur der Tatsache besteht aus den Strukturen der Sachverhalte.
事実の構造は事実の構造から構成されます。
2.04 : Die Gesamtheit der bestehenden Sachverhalte ist die Welt.
既存の事実の総体が世界です。
2.05 : Die Gesamtheit der bestehenden Sachverhalte bestimmt auch, welche Sachverhalte nicht bestehen.
存在する事実の全体によって、どの事実が存在しないのかも決まります。
2.06 : Das Bestehen und Nichtbestehen von Sachverhalten ist die Wirklichkeit. (Das Bestehen von Sachverhalten nennen wir auch eine positive, das Nichtbestehen eine negative Tatsache.)
事実の存在と非存在が現実です。 (事実の存在を肯定的事実、存在しないことを否定的事実とも呼びます。)
2.061 : Die Sachverhalte sind von einander unabhängig.
事実は互いに独立しています。
2.062 : Aus dem Bestehen oder Nichtbestehen eines Sachverhaltes kann nicht auf das Bestehen oder Nichtbestehen eines anderen geschlossen werden.
1 つの事実の存在または非存在から、別の事実の存在または非存在を推測することはできません。
2.063 : Die gesamte Wirklichkeit ist die Welt.
現実全体が世界です。
ひとまず邦訳版を書き写すわけにもいかんので、原文をgoogle翻訳の上で載せる。はっきり言ってgoogle翻訳で書かれているもんなんかくその役にも立たんのだけれどもね! とは言え以下の思考で何を語っているか、のロードマップにはなるのでしょう、と言うわけで。
自分の知覚から事物に至るまでの道のりを様々に規定していくわけなのだが、2.063 でふたたび「世界」という言葉が出てきたのであれば、1.1にまで戻れもするわけだ。すなわち
1.1
Die Welt ist die Gesamtheit der Tatsachen, nicht der Dinge.
世界は事実・現象の全体を示す。物体・存在のことではない。
だ。
物体・存在が確かに存在して、物体・存在に様々な形式が与えられ、物体・存在が様々(時間的・空間的)に配置される。こうした物体・存在の位置関係、関係性が事態と呼ばれる。ここで事態には様々な表出の仕方が考えられるが、ここでは我々が想定し得るものも、想定し得ないものも全て現出可能性として考えられる。たとえば太陽が西から昇るのは現出するとは考えられないが、想定はされうるという意味で確かに現実である。こうした「起こりえると想定はしきれない可能性も含めて」我々の認識するものこそが世界の構造なのだ、と言う感じになるだろうか。
んー、なんかこの辺の、物体・存在に対してどう自身が認識を結ぶかはちょっと五蘊にも近いんじゃない? つまり色→受→想→行→識。ここで「識」こそをヴィトゲンシュタインは世界と呼び、色を物体・存在(およびその形式、配置)としている。違うか? うーん。事態、は受っぽいし。いろいろかき集めた解説書でヴィトゲンシュタインと維摩を繋げる議論をしている本があった。よくわからんのだが、まぁ思考の先でその点が焦点を結ぶこともあったりもするんだろう。
飽くまで軸足を『論理哲学論考』に置き、まぁ脱線は散々にしまくる。こう言う形式で行く。『論考』だけで考えてると死んでしまう。何と言うか自分は「スタートとゴールはヴィトゲンシュタインに言われるまでもなく繋がっている」状態なわけであり、問題はその間である。ヴィトゲンシュタインという思考の天才によれば、ここに書かれている道筋がスタートからゴールにまで至るための「確実なる最短ルート」なのだろう。ではそのルートがどのように構築されているか、が欲しいわけである。そして現状さっぱりわけわからん。頭ぐるぐるしてぱっぱらぷーになりながら、とりあえず読み進めるわけである。
2.01 : Wir machen uns Bilder der Tatsachen.
我々は事実・現象を写像として自身のうちに構築する。
様々なこと・ものは確かにあって、我々はそれを認識の中に取り込むのだ、と言うことですね。「取り込まれた状態」こそが世界である、となりそうですが、どうなんでしょうね。まーあんま走りません。今日もここまで。
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