2・0・2・2 対象は規定できず、形式のみ規定できる
○前段
2 : Was der Fall ist, die Tatsache, ist das Bestehen von Sachverhalten.
What is the case—a fact—is the existence of states of affairs.
何が提示されているのか。事実・現象とは事態が実在することである。
2.01 : Der Sachverhalt ist eine Verbindung von Gegenständen. (Sachen, Dingen.)
A state of affairs (a state of things) is a combination of objects (things).
事態とは、我々が観測する対象(すなわち事柄、物事)の結合体である。
2.02 : Der Gegenstand ist einfach.
Objects are simple.
対象は単純である。
2.021 : Die Gegenstände bilden die Substanz der Welt. Darum können sie nicht zusammengesetzt sein.
Objects make up the substance of the world. That is why they cannot be composite.
対象は世界の実態を形作る。このため対象そのものは合成されたものではない。
2.022 : Es ist offenbar, dass auch eine von der wirklichen noch so verschieden gedachte Welt Etwas - eine Form - mit der wirklichen gemein haben muss.
It is obvious that an imagined world, however different it may be from the real one, must have something—a form—in common with it.
明らかなことがある。1つの想起された世界(それがいかほど現実世界からかけ離れたものであったとしても)においては、何らかの形式を現実世界と共有してしまうものである。
○承前
011
||21
||├2
||├31
||└4
|├31
|└41
├201
| └211
| |└2
| ├2
| ├31
| |├2
| |└31
| ├4
| ├5
| ├6
| └71
| └2
2.023 : Diese feste Form besteht eben aus den Gegenständen.
Objects are just what constitute this unalterable form.
示された形態は、対象によって構成されている。
2.0231 : Die Substanz der Welt kann nur eine Form und keine materiellen Eigenschaften bestimmen. Denn diese werden erst durch die Sätze dargestellt - erst durch die Konfiguration der Gegenstände gebildet.
The substance of the world can only determine a form, and not any material properties. For it is only by means of propositions that material properties are represented—only by the configuration of objects that they are produced.
世界の中におかれている物質は、その形態のみが示され、それが構成される性質を決定することはない。この構成される特質というものは、
2.0232 : Beiläufig gesprochen: Die Gegenstände sind farblos.
In a manner of speaking, objects are colourless.
2.0233 : Zwei Gegenstände von der gleichen logischen Form sind - abgesehen von ihren externen Eigenschaften - von einander nur dadurch unterschieden, dass sie verschieden sind.
If two objects have the same logical form, the only distinction between them, apart from their external properties, is that they are different.
2.02331 : Entweder ein Ding hat Eigenschaften, die kein anderes hat, dann kann man es ohne weiteres durch eine Beschreibung aus den anderen herausheben, und darauf hinweisen; oder aber, es gibt mehrere Dinge, die ihre sämtlichen Eigenschaften gemeinsam haben, dann ist es überhaupt unmöglich auf eines von ihnen zu zeigen. Denn, ist das Ding durch nichts hervorgehoben, so kann ich es nicht hervorheben, denn sonst ist es eben hervorgehoben.
Either a thing has properties that nothing else has, in which case we can immediately use a description to distinguish it from the others and refer to it; or, on the other hand, there are several things that have the whole set of their properties in common, in which case it is quite impossible to indicate one of them.
For it there is nothing to distinguish a thing, I cannot distinguish it, since otherwise it would be distinguished after all.
えっ待って無理じゃね?????
ちょっとギブアップ。キツい。もうちょい解説を読み込んだ上でないと太刀打ちできない。
とりあえず次話以降は原文英文を省いて、日本語訳から自分が拾い得た情報を自分なりに読み解く形式にする。
世界→事実・現象→実在する事態→観測する対象(事柄、物事)。
我々が世界を見る時、事実・現象(すなわち実在する事態)の観測に過ぎない。
一方で実在する事態の構成要素たる観測する対象(事柄、物事)は確かに存在している。確かに存在している対象を確かに観測している、という形で成り立つのが世界の「形式」と言うことでいいのか? なので「形式」は複数の対象によって構成される。そして我々の観測は、この「形式」のみを規定することが叶い、対象(事柄、物事)そのものを規定することは叶わない。
そしてここで、この先に中心的なテーマとなってくる「命題」が出てくる。
ちょっとわからないので 2.02331 を見た。ちなみにここは論理哲学論考の中で最も深い思考レイヤである。つまり2の議論の前段を踏まえるに当たり、ここを読み解いておかねば話にならない、と言うことなのだろう。「お前が何かについて特記して扱えるのは、その何かについてお前が特記し得る何かを抱いているからだよ」でいいのだろうか。ここのオプションは「俺の視界の中心に収まった」ぐらいのものでもいいのだろうが、そうしたオプションを踏まえて「まったく同じような属性を持った何か」を比較した時に片方を選びうるのは、片方に特記すべき何かがあった(自分の気が向いた、レベルの小さな要素で構わない)という形になるのか。
対象に色はない、というのは、対象の色については我々が要素として感じ取っている、と言う感じ?
先を読んで戻って、をやらないとどうしようもない印象である。まー何と言うかこれ、もう「どこまで読んだ」以外書く意味ないな。と言うわけで2.0272まで読み進めた。「対象は確かに存在するが、対象そのもの、単品は全て単純なものである、そうした対象が様々に配置される」「この対象には、様々な形式が付与されている」「我々は対象そのものを規定することはできず、その形式までしか規定することが許されない」という感じかなあ。
まあ、そんな感じで2.03に進んでいきましょう。進むだけ進んで後戻りした方が絶対腑に落ちてくるやつだこれ、たぶん。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます