1・1 「色」こそが世界
○前提
1
Die Welt ist alles, was der Fall ist.
世界はあらゆる何かが提示される、その全てである。
1.1
Die Welt ist die Gesamtheit der Tatsachen, nicht der Dinge.
世界は事実・現象の全体を示す。物体・存在のことではない。
○承前
1.1.1
Die Welt ist durch die Tatsachen bestimmt und dadurch, dass es alle Tatsachen sind.
世界は事実・現象によって確かに規定され、かつ、全ての事実・現象が事実・現象であることで規定される。
1.1.2
Denn, die Gesamtheit der Tatsachen bestimmt, was der Fall ist und auch, was alles nicht der Fall ist.
なぜならば、事実・現象の全体が、あらゆる何かがそうであるか、あるいはまた、全てがそうでないかを、規定するためである。
1.13
Die Tatsachen im logischen Raum sind die Welt.
論理空間の中にある事実・現象こそが世界である。
1.1 を解説するための1.1.1-1.1.3。 die Gesamtheit der Tatsachen、すなわち「事実・現象の全体」こそが世界である、と示す訳なのだが、1.1.2がわからないため止まる。んー、これは荘子で言う「物无非彼,物无非是。自彼則不見,自知則知之。故曰彼出於是,是亦因彼。彼是方生之說也,」でいいのか? ある現象がそこにある、ある現象を起点に置けばその現象以外の全ては「その現象ではない」という。
1.1.1 は以降無限連鎖になるわけだが、その初段で止めている感じ。それ以上言っても仕方がないので。「あなた/私が感じていること」が確かにいま感じていることそのものであるとし、それ以上は踏み込まない。この知覚、般若心経で言う「色」こそを世界そのものと見做す。「色」を認識することにフォーカスしていく。色の向こうにある「空」が何者であるかを語ることに意味はない。と言う感じ?
めちゃくちゃ般若心経とか老荘との親和性を感じるんだけど、下手にそれ抱え込むと足引っ張られそうな気もするんだよなあ。とは言えこのあたりの予断はどう転がそうと思っても仕方がないので、まぁあとで戻るにして、いまは次に進んでおこう。
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