密室と偶然
天川裕司
密室と偶然
タイトル:密室と偶然
その人が亡くなったのは、確かに密室での事だった。
その人は評論家で大金持ちで、
いつも自分の書斎で記事を書いていたと言う。
でも人付き合いはほとんど無く、
プライベートでは孤高の人だった。
警察「一体、誰が何の目的で…」
それでも警察は他殺の線で捜査していた。
周りの人の彼に対する噂と、
彼の今後のスケジュールのあり方、
それに彼のステータスから見て、
自らこの世を去るとは思えなかったからだ。
テーブルには、
ボトルとウィスキーだけが置かれていた。
ウイスキーは飲みかけ。
事件当夜、彼の他に誰もその書斎に入ってない。
その死因は服毒。
ウイスキーに毒が仕込まれていた。
しかしこの事件は急展開をもって解決した。
氷を作る工場の男が逮捕されたのだ。
ウイスキー業者を回っていた巡査や警官は
「えっ?」となったものだろう。
しかもこの犯罪は愉快犯。
警察「どうりで絞りきれんわけだ…」
偶然その夜、彼はオンザロックで飲んでいた。
氷は友達からもらったもの。
その友達は別件でスーパーへ行き氷を買ったが、
別に要らなくなったので彼にあげたとのこと。
そのもらった氷が少なかったのか。
グラスの中にも部屋の中にも
氷はどこにも無かった。
普段は氷を入れない彼。
その日は暑かったから、
また思いつきでそうしたのだろうか。
こんな偶然を挟んだような犯罪が、
世の中には溢れ返っているんだろう。
動画はこちら(^^♪
https://www.youtube.com/watch?v=YMloD_Xssjg
密室と偶然 天川裕司 @tenkawayuji
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