筋肉フェチな美少女

帰宅部とはいえ筋トレを欠かさず行っていたし、コンビニでもプロテインの飲料を飲んで意識的に摂取していた。


顔は特別イケメンでもないかもしれないが、この肉体には自信があった。


「え……凄い腹筋だね……。さ、触ってもいい?」


「もちろんだ。思う存分触ってくれ!」


白石さんは頬を染めて呼吸を少し荒くして俺に触っていいか確認してきた。


もしかすると筋肉フェチなのかもしれないと思った。


恐る恐る白石さんが俺のむき出しの腹に手のひらをぺたりと触った。


「あぁ……」


「凄く硬いね……。私、腹筋割れてる男の人のお腹触るの初めて。それに胸筋も大きいし。腕回り見てて思ったけど、脱いだらもっと凄い……」


柔らかい手のひらにまさぐられる度に、俺の全身に電流が走るみたいにぞわぞわした。


白石さんがハァハァと呼吸を荒くしてて、蕩けたような目をして触っていた。


好きな人に触られるだけで、これだけの快感を得られるなんて……思ってもいなかった。


だが、これ以上すると男の『アレ』が反応してしまうので、白石さんの肩に手を置き少し離した。


(あれ……男の俺が手を置いても、男性恐怖症気味の白石さんがあまり反応しないな……)


白石さんは気にした様子が全くなく、顔が上気していて目がトロンとしていた。


凄く扇情的な表情をしていて、他の男達には見せれないなと思った。


(こんな顔していたら男達が暴走しちゃうよ。俺も理性で自分を抑えるのに必死なのに……)


「終わりだよ。お触りはここまでだよ」


「え……どうして?」


何故か分からない表情をして不思議そうに首を傾げる。


「ほら、白石さんなら分かるだろ?これ以上されると耐えられないと言うか……」


「あ、そうだよね。ごめんごめん少し暴走しちゃったよ」


謝ってはいるが視線が俺の目ではなく筋肉にばっかり目がいっていた。


「大丈夫だよ。でも意外だったよ。筋肉好きだったなんて」


「うん、自分でもビックリだよ。男の裸なんて見慣れていたのに、こんな感情初めて」


沢山の男との経験がある白石さんでも、俺の肉体は魅力的に感じてもらえて非常に嬉しく思った。


「そっか。なら、入学して鍛え続けて良かったよ。それと、そろそろ俺のTシャツ返して貰えないかな?」


俺が興奮のあまり脱いでしまったTシャツを手に持っていた。


「え……ダメだよ」


小悪魔的な表情をして笑いながら言った。


「な、なんで……」


「萩原君はいいの?一方的に触られるだけで……」


「それって……」


「等価交換だよ!流石におっぱいはダメだけど……萩原君のエッチな視線が集まっているお腹なら触っていいよ」


俺は戦慄する。


まだ付き合ってないのに触っていいのだろうか……。

いや、ダメだ。俺は絶対に白石さんと付き合うのだから、いつか機会があるはず。


「俺も男だから白石さんに触れたい気持ちが強いけど……触らないよ。俺が白石さんの肌に触れるのは付き合ってからだから!」


あぁ…勿体ない事したかな。

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