美少女との契約
「転校するんだね……クラスの皆にはいつ言うの?」
「あ~大体一週間前くらいかな。あまり騒がれても正直面倒だからさ!」
くすりと笑って、手を差し出した。
なんだろうと思い白石さんの視線を目で追うと俺が持っているノートを見ていた。
「あ~ごめん。大事な物だったよね」
俺はノートを渡して、彼女が自分の意思でヤる相手を決めて欲しいと願った。
「うん……そういえば、なんで私がノートに記入してるか言ってなかったね」
「確かに、そうだね……。初めは、もし妊娠しても父親が誰かを予想しやすくするために書いていたんだ」
中1の頃なら兎も角、中2の頃なら父親が誰かが直ぐに分からないかもしれない。
「でも、それだけじゃないよね?相手に合わせて演技するためにも必要だったんでしょう?」
白石さんは驚いたのか目をまるくしていた。
「あ、そこに気づかれたか。そうだよ。覚えていたくもないのに、名前や相手の好きなエッチとか覚えれるわけないからね」
「そうだよね……。あ、もしかして転校する時にこのボロアパートも出るの?」
「そうだよ。流石にここじゃセキュリティ面でも不安だからね。マネージャーにも早く出ろって言われてたけど、学校から近いし貸してくれた人に恩もあったから直ぐに出れなくてさ」
「ここから遠いの?」
「そんなことないよ。えーと、学校から電車使って40分くらいかな」
「なら、そこまで遠くはないんだね」
「うん」
白石さんはノートを元にあった場所へとしまった。
「女優やるって言ってたけど、最近学校休みがちなのって、既にドラマとかの撮影してる?」
「うん。意外と撮影って時間かかるし、テレビに出る結構前から撮るんだって驚きもあったな」
白石さんが言い終えると同時に俺は脱力した。
「はぁ~~~」
「どうしたの?」
俺の行動に不思議がって首を傾げた。
「嫌、白石さんは凄いなって。悲惨な過去から女優になるまで頑張っているからさ。折れなかったのが凄いなって」
「……別に凄くはないよ?私って特別頭もよくないし運動だってプロになれるほどじゃない。稼ぐには身体を使うしかなかったけど、ヤるのは嫌だったからね。そんな時に今のマネージャーに声を掛けられて芸能甲に入ったんだ」
「でも白石さん英語は凄く出来なかった?」
「うん。幼い頃の影響があってね……。それだけは出来ていたからギリギリ今の高校に入れたんだ」
俺の学校は特別偏差値も高くもないのだが、白石さんの家庭環境なら勉強出来るような場所ではなかったのだろう。
まだ俺には知らない白石さんの過去があるんだろうと、なんとなく察した。
それを話してくれるまで、俺は白石さんからの好意を積み重ねるだけだ。
「話は変わるけど白石さんって今まで彼氏とか出来たことあるの?」
俺としては過去に白石さんが好意を寄せていた人物がいるのかが気になった。
「生憎と、中学時代は裏でヤりまくってたからね。気になる人がいても、付き合うことはなかったよ」
俺はホッと胸をなでおろし、一安心していた。
言い寄られているのは何度も見たことがあるし、学校の結構な数が白石さんに好意を持っているのも知っている。
それを聞いて俺は立ち上がって、家の中で白石さんの好感度を稼ぐ出来ることを探すために立ち上がった。
「良かったよ。俺が初めての彼氏になれるかもしれないって分かっただけでも」
「私の過去を知っても彼氏になろうとする物好きは、萩原君くらいかもね」
白石さんはにへらと笑ってこちらを見た。
「俺は今日帰るよ、明日からの計画もたてたいしね」
「そっか!私も男の子エッチじゃなくて一緒に遊ぶの初めてだから楽しみにしてるよ」
「そっか……何度も初めてを奪ってやるから覚悟しておけ!」
そう言って俺は白石さんの部屋を出た。
もう少しで日付が変わる頃だったが、夏のため日中より少し涼しい程度だった。
それでも俺の身体の熱を冷ますのには丁度良かったので、少し外の風に当たってから自分の部屋に戻った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます