初めての戦闘

「実戦って...まだ退治のやり方とか何も分かんないんですけどどうすれば...?」


セリア「...そうだな、ギュッと拳を握って、思い切り殴ってみるといい」


雑っ!


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セリア「あれが今回退治する妖魔だ。それも、名前もない程低級の。」


僕たちは木の影から、謎の影?みたいな生き物を見ていた


「僕にやれますかね...?」


セリア「安全な場所から見ていてやるから、思う存分戦ってこい」


戦い方とか分かんないんだけど...

僕は木の影から出て、妖魔に進んでいった


影「俺に何の用だ...?」


喋った

妖魔って喋れるのか...


「ぼ、僕はお前を退治しに来たんだ」


勇気を出して言った

正直とても怖い


影「そうか...ではかかってくるといい。お前に俺を倒せるならな!」


僕は妖魔に向かって走り出す

走りながらさっき言われたことを思い出した


「ギュッと握って殴るっ...!」


僕は思い切り拳を振るったが...

ブンッ

風を切る音がした

手応えがない

さっきまで目の前に居たはずなのに



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気づくと辺り一面真っ暗な空間にいた

例えるなら宇宙というのが最も適しているだろう


影「お前は相当頭が悪いようだな!この場所に入ってきた時点でお前の負けだ!」


僕は急に身の危険を感じ始めた

低級の弱い妖魔じゃなかったのか...?

僕にも勝てるような相手ではなかったのか...?

そんなことを考えていると、どこからか幼い声が聞こえた


少女「誰かっ!助けて!」


影「...まだ意識があったのか。鬱陶しいな」


少女は真っ黒な影?に縛り上げられている

本当にまずいことになった

セリアさんも助けに来ない...自分で何とかしなくちゃダメってことだ

何も出来ずに佇んでいると


影「どうした?もう諦めたのか?」


影が僕に近づいてきた

相当舐められている


影「ほら、殴ってみろ」


「...ふんっ!」


思い切り拳を振るった

しかしすり抜けた、当たっているはずなのに


影「...だから言っただろ?この空間に来た時点で俺の勝ちだって!」


「お前...!このっ!」


僕は影を殴り続けた


影「だから無駄だと言っただろ、1回試しただけじゃ分からないのか?」


僕は辺りを見回した

さっきの少女は気を失ってしまったようだ

更にはかなり多くの人がこいつに捕まっている


影「あいつらが気になるのか?ここに来る前に捕まえてきたのさ。今はそのときでは無いが...ヤツらを取り込めば俺は凄まじいパワーを手に入れられる!!」


どうすれば...どうすればこいつに攻撃が当たるんだ?


影「...おい、聞いているのか?」


「ギュッと握って、思いっきり...」


影「はぁ...だから、さっきから無駄だと言って...」


「殴るっ!!!」


バチン!

当たった

拳からは青い火花が飛び散った


影「!!??」


「当たった!!」


影「なにっ!?」


影「ふんっ!今のには驚いたが、この程度で俺は死なない!残念だったな!!」


「...それはどうかな?」


影「何?」


ついさっきからずっと感じてた気配

これはおそらく彼女のものだ


「...お前の負けだ」


僕がそう言い放つと、天から光線が降り注ぐ

...この空間に天も何もないが

影の姿はあっという間に光に包まれ、見えなくなってしまった



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「うわっ!?」


体が飛び起きた


セリア「もう少し静かに目覚めてくれ...」


「す、すいません!それで、ここは...?」


辺りを見回すと、目に入るのは緑色


セリア「最初に妖魔を見つけた場所だ。私としたことが、間違えて強い妖魔と戦わせてしまった」


うっかりですまされるレベルでは無い


「本当に頼みますよ、命に関わるので...。そうだ!それより、あそこにいた人たちは?」


あの場所に囚われていた人達のことを思い出した

助けを求めていた少女は無事だろうか?


セリア「あそこにいた人たちは全員回収した。もう安全な場所に送った後だ。それにもうあの妖魔もいない」


「良かった...」


影「俺を勝手に殺さないでくれ」


「「!?」」


影「おっと、一旦待てよ。もう戦うつもりはない」


セリア「お前は先程消滅したはず...何故ここにいる」


影「お前さぁ...そんくらい分かってくれよ。俺を倒してもあの空間は消えなかっただろ?あそこは俺の体で作ってるから、あの空間も消し去らなければ俺のことは倒せないんだ」


そんな無茶苦茶な...


あの空間ごと消し去ると、あそこに囚われた人達がどうなってしまうか分からない

元々勝つことの出来ない相手だったってことだ


影「そこでだよ。俺はお前が気に入った!素手で俺に攻撃できるやつなんて見たことがなかったからな!」


影に指を指された

指かは分からないが


「あ、ありがとう...?」


影「だからお前の仲間になってやる。嬉しいだろう?」


「えーっと、遠慮しておこうかな...」


仲間になってくれるのは嬉しいのだが、1つ問題があった


セリア「...」


影が仲間になると言った途端、とてつもない圧でこっちも見つめてくる


セリア「...まぁいいだろう。その代わり、こいつに何かあったら容赦しないぞ。」


セリアはそう言い、僕を抱き寄せた...

一瞬ドキッとしてしまった

心臓に悪いのでやめてほしい


影「分かってるっての。それにそいつ、中々頑丈だしな。あそこに入ってきたやつって俺の妖力にあてられて割と直ぐに気を失っちまうんだよ、普通は」


セリア「...」ジーッ


影「はいはい。俺がそいつのことを守ってやるから大丈夫だ」


セリア「よし、それならいいんだ。」


影「そういえば聞くのを忘れていた。2人ともなまえは?」


セリア「私はセリアだ。そしてこっちは...」


影「? 早く教えてくれよ」


セリア「影、こっちに着いてこい。事情を説明してやる」


影「お前らなにがあったんだ...?」


影は困惑しながらも、セリアについて行った

...1人は少し寂しい



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影たちが帰ってきた


影「まさかお前らにそんな事情があったとは...」


セリア「まぁ、名前の代わりに「ご主人様」とでも呼べばいいんじゃないか?」


自分がそう呼ばれているところを想像してみる

...恥ずかしいからやめてほしい



影「そんな呼び方するかよ! ...そうだ!、俺がお前に名前をつけてやるから、お前も俺に名前を付けてくれ。ってのはどうだ?悪くないだろ」


「じゃあカゲさんで」


カゲ「随分安直な名前だな!?まあいい、そしたら

お前は今日から...ライトニング「却下」」


カゲ「えっ」


「却下。死ぬほどネーミングセンスが無いのが分かった。」


カゲ「ひっでぇ!?最後まで聞いてないだろ!!てかなんでセリアには敬語なのに俺にはタメなんだよ!?」


「だってカゲだし...?」


カゲ「なんだその理由!!」










つづく...?

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