狂愛

@8ight

監禁

「愛してる。」


ほほ笑みながら僕を見つめる君にそう呟いた。

君は何も答えちゃくれない。

何一つ表情を変えずに美しく儚い目でただただ僕を見つめる。 少しくらい顔を赤く染めるなり、戸惑うなり、泣くなり、僕の望む表情をしてくれてもいいのに。

そう思った。

君は本当に冷たい人だ。あの日もそうだった。

僕を愛おしそうに求めてきたくせに、優しくキスをしてきたくせに。


君はきつい香水の香りだけを残し僕の側から忽然と姿を消した。


それでも僕は君を許し、愛すよ。


愛しているから僕は美しい記憶の中の君を一生、二度と逃げられない様に、僕から離れられない様に、


君を絵の中にとじこめる。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

狂愛 @8ight

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る