ライナス vs アレン
その瞬間、アレンは手を振り上げ、闇の魔力が槍のように形を変え、近衛剣士たちに向かって放たれた。剣士たちは必死に避け、迎撃しようとするが、次々と魔力の槍に貫かれ、叫び声を上げて倒れていく。
「ライナス!こんな化け物に、どうやって勝てばいいんだ!」
残された剣士の一人が絶望に染まった表情で叫ぶ。しかし、ライナスは冷静なまま、アレンに視線を戻した。「俺は、かつての仲間に責任を果たすためにここに来た。だから、最後まで戦うのみだ」
その言葉にアレンは一瞬だけ表情を変えたが、すぐに再び冷酷な笑みを浮かべた。「なら、その覚悟、見せてもらおうか…」
ライナスは息を整え、剣に全力の魔力を注ぎ込む。剣が淡い光を放ち、アレンの漆黒の魔力と対峙するかのように輝きを増していく。
「アレン、たとえお前が何者になろうとも…かつて俺たちが共に戦ったあの勇者を、俺は忘れない」
その言葉に、アレンの冷酷な視線が一瞬揺らいだ。しかし、彼はすぐに顔を逸らし、冷たく呟いた。「もう遅い…俺は、お前たちが知っているアレンじゃない」
そう言うと、再びアレンは魔力を解き放ち、ライナスへと襲いかかる。その衝撃で地面が裂け、黒い稲妻が大地を貫いた。ライナスはその圧倒的な力に必死に抗いながらも、内心ではかつての仲間への思いと責任を感じ続けていた。
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互いの剣がぶつかり合う中、ライナスは心の中で問いかけた。
「アレン…なぜ俺たちを、王国を憎むことになってしまったんだ?俺たちは、ただお前を守りたかっただけだったんだ…」
だが、その問いに答えることはなく、アレンの剣は再び冷酷にライナスへと迫った。彼の瞳には、かつての仲間への情など微塵も残っていなかった。
その戦いは、かつての友情と裏切り、そして復讐が交錯する重い戦場となっていった。ライナスとアレンの決着は、果たしてどちらに傾くのか――
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