第10話 黒幕&幼馴染み

 僕は今日、久しぶりに学校に登校する。


 正直怖い。

 けれど、僕には優しい先生方もいる。

 そして、遠くで見守る家族や、マッスン先生もいる。


 そう思うと、少しだけ足が軽くなる。

 みんなありがとう。


 学校の校門が見えてきた。

 一瞬足がすくんだが、力強く1歩を踏み出す。


 校門をくぐった。

 あれ…?僕が屋上から飛び降りた日は、校門を通りすぎた辺りから悪口を言われていたが今日は言われない。

 少しだけ、僕を見てびっくりしているような人はいるが誰も、僕の聞こえる範囲では悪口を言わなかった。


 どうして…?


「おはよう!響」

 呼ばれた方を見ると、担任の『おおのしん』が手を振りながらこちらに近づいてくる。


「おはようございます」

「どうして?って顔だな」


 そんなに顔に出ていたのか…。これからは少し気を付けよう。

「ばれましたか」

「当たり前だろ?俺は平野 響の担任の大野 真だからな!」


 そう言って「ハッハッハー」とおおのしんは笑いだした。


「おおのしん。助けてくれてありがとうございます」

「いいや。俺はほとんど何もしていない。お礼を言うなら3年1組のもり 清隆きよたかに言ってくれ」


 森 清隆。それは、1年、2年と、同じクラスだったやつだ。

 けれど、ほとんど話したことはないのに…どうして?


「実はな、清隆がたまたまを見つけたんだよ。それで、全校集会が開かれて一件落着って訳だ!ちなみに響の悪口言って、広めていた3年3組の後藤ごとう ひかるは、停学中だから響に危害を加えることはないはずだから安心しろ!」

「ありがとうございます。森くんにもお礼を言っておきます」

「あぁ。そうしろ!」


 そう言っておおのしんは、職員室の方へ去っていった。

 後藤 光。……誰!?


 なんとなくだが、僕は後藤 光ってやつ以外に黒幕がいると思う。


 僕は、そいつに復讐をする。

 待ってろ黒幕……。もう誰にも僕と同じような思いはさせない!



 とりあえず、僕は朝の会が終わったので、森くんにお礼を言うために3組1組に来ている。


 森くん…。森くん…。


 あ…!いた!

「森くん!ちょっといいかな?」


 僕が呼ぶと、森くんはすぐに来てくれた。


「響くん。退院出来たんだね。良かったよ!」

「ありがとう。森くん、おおのしんから聞いたよ。悪口を言って、広めていた人を見つけてくれたんだよね。本当にありがとう!」

「あぁ!俺は人の悪口を言うヤツが大嫌いだからな!また、悪口を言われたりして困ったときは遠慮なく俺を頼れ!」


 そう言って森くんは、サムズアップをした。

 なんて頼もしい人なんだ。僕も森くんの様になりたいな…。


「ありがとう!約束するよ」


 そう言って森くんと別れた。

 僕は、ずっと3年1組のところにいると、冬美がいて気まずいので、教室帰ることにした。


「(おい。平野 響…!)」

 通りかかった空き教室から誰かに呼び止められた。


 空き教室に入ってみると、そこには日向 龍生がいた。


「なんのようだよ…」

「ストーカーくんに、入院生活の感想を聞きたいなって思ってね…」


 そう言って、龍生は嘲笑あざわらうような眼でこちらを見てくる。


「お前は何が言いたいんだ?」

「君は鈍感だな~」


 そう言って龍生は、ドサッと机に座り、前髪を上げた。


「まさか、お前…」


 この顔に見覚えがある。


「お前、1年前に妹に手を出していたやつか?」

「あ?あぁ。忘れていたのか。そうだねあれは俺だね…」


 龍生がニヤッと笑った様に見えたのは気のせいだろうか…?


「そんな、1年前の事はどうでもいい。俺が言いたいのは、お前の悪口や、噂は俺が広げたって事だ。だから、君が入院生活を送る事が出来たのは僕のおかげって事だよ」

「やっぱりお前が…」

「言っておくけれど、先生にチクったら君の妹や、家族に危害を加える。嫌なら黙ってる事だな…。というか証拠がないから誰も動かないか…」


 そう言うと、龍生は立ち上がって空き教室を出ようとした。


「ちょっと待て!お前、冬美はどうした?」

「冬美?ははっ…、もう用済みだ。あと少し抱いたら捨てるよ」


「龍生…。僕は、お前の噛ませ犬じゃねぇからな!」

「さぁて…。それはどうだろうね」


 そう言って龍生は、空き教室をあとにした。


 龍生…。お前は何がしたいんだ?




 ──菊池 冬美──


 私には、イケメンで優しい彼氏がいる。


 彼は修学旅行の日に、響と3日間会えなくて落ち込んでいる時に優しく話しかけてくれた。

 そして彼は事あるごとに、私を誉めてくれた。

 それが、私はたまらなく嬉しかった。

 気がついた頃には私は彼の事を好きになっていた。


 修学旅行3日目の休憩時間の時に、私は龍生くんに告白をした。

 龍生くんは、「喜んで!」と言って私と付き合ってくれた。

 嬉しかったな…。幸せだったな…。


 私には、龍生くんがいてくれたら、他はもうどうでもいいの。

 もちろん響のこともどうでもいい。


 また、龍生くんに抱かれたいな…。(ハグを意味している)

「ふふっ。ふふふっ。ふふふふふふっ……」


 自然と笑いが込み上げてくるな~。


 ピコンッ♪

 スマホが振動した。


 見てみると、龍生くんからだった。

『日曜日、親がいないから俺の家に来ないか?』


 まさか…!また抱いてくれるのね?今度は、もっとダメなことしたいな…。


『行く。今度は前よりもダメなことをしようね?』

『分かった。楽しみにしておくよ』


 やった…!龍生くんは私の事を求めてくれている。

 嬉しい…。嬉しい…。



 ──日向 龍生──


 俺は止められない欲を満たすために、今の彼女の冬美に『今週末に家に来ないか?』とメッセージを送った。


 それに対する冬美の答えは、俺の想像を遥かに越えた。


「はっ…。ははっ…!!ほんとに馬鹿な女だな。こいつの良いところは尻の軽い所と、体つきが良いところだけだな……」


 ピコピコッ♪


 ん?誰からだ?

 見てみると、2人目の女(さき)からのメッセージだった。


『龍生くん。この頃してないから今週末またシない?』


 今週末か…。冬美が家にくるのは日曜日だから、土曜日ならいいか。


『土曜日なら空いてるよ』

『分かった。土曜日待ってるね♡』


「もう1人馬鹿な女がいたよ…!2日連続でヤれるのか…。最高だな!」


 やっぱり俺は人生勝ち組だな…。



 「平野 響。そろそろ第2波を始めようかな~。待ってろよ…」


 と、俺はここにはいない反逆者に向かって言った。







────────────────

皆さん!僕は今日4話(約11000字)書きました。


理由は、話を進めるため。


これによって僕は、今目がバキバキです(笑)

正直頭も痛い(笑)


だから、お願いします!

☆☆☆を★★★にして、レビューを書いてほしいです。(泣)

(★や、★★でもいいです!)


暖かいメッセージがほしいです。よくわからないけれど嫌なキャラを書いていると、胸が苦しいです。波だ目です。(ガチで)


ここまで読んでくれてありがとうございます!

次の更新は水曜日。また、水曜日に会いましょう!

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