第1話 いつもどうり
日が昇り朝が来た、いい匂いがする。
今日は何もないしこのまま寝てしまおう
「だめ~~~~~~~!!」ボサッ
大きな声とともに体に重みが加わる
「うへぇ!」
とっさに変な声が出る、なんだと思い目を開けるとそこには妹のリベリィがいた
まだ寝たいのに妹よ寝かせてくれないというのかい?もちろんそんなことを言えば
布団ごとはぎとられ今すぐにでも起こされるので言わないのだ。
「太ったか?」
「あーーー!言っちゃいけないのに!」
「ぐへぇ!」
布団を殴られた
「お父さんに言いつけてやる!今日も寝坊して稽古休もうとしてたって!」
やってしまった、一番の地雷を踏みぬいたようだ。なぜこうなった?少し二度寝しようとしただけじゃないか、まったくとんだ妹だ。だがそんなことよりまずいことがあるお父様に言いつけられることだ、稽古がキツくなる、それだけは絶対に避けなければならない、というか休もうとしただと?!そんなことしてないが、もし言われたらきついどころでは済まないじゃないか!
「じょ、冗談じゃないか、大きくなったなと思っただけさ!このままじゃいつか背を抜かされちゃうのが心配だな!ハハッ!、、もう起きるから一緒に下に行こう!お母様の朝食も待ってるよ?ほら行くぞ」
「それフォローになってないから、う~~ん、じゃあ黙ってあげるかわりにおやつ頂戴ね!それで貸しなしにしてあげるわ」
な、なに?!今日は確かアップルパイではなかったか?これは、、困った。
だが背に腹は代えられない
「それで手を打とう」
「じゃ、早く準備して降りてきてね!今日は天啓の日だからお昼前には協会に向かうってお父様が言ってたわよ」
「うん、わかった、すぐに行くよ」
「おはよう、よく眠れた?」
「うん!ぐっすり」
「そう、よかった今日は天啓の日だからしっかりごはん食べて身だしなみしっかり整えてね」
「うん!大丈夫だよ」
ふーおなか一杯になったし稽古まで二度寝でもするか・・・・・・・・ん?
天啓の日?ん??・・・あ~~~~~~!!わすれてた!!そうだ!
天啓の日だ!この世界の神様から天啓(俗にいうスキルのようなもの)をもらう大事な日だった!
きれいな服装で集まるのが嫌で、忘れたいと思ってたら本当にわすれてた!
いやだ~~~~~いやだ!スキルなんていらないよ、俺は自由に暮らしたいんだ!
バン!
「遅い、教会に行くぞ。」
「はい・・・」
馬車に乗り小一時間揺られて見えてきたのがユーピテルという神様が祭られている教会である
「よくぞいらっしゃいましたアレクシア様、パテル様もお元気なようで。さ、参りましょう皆さまお待ちですよ。」
「背を伸ばせ、だらしない姿を見せるな。これも次期領主の務めだ」
き、緊張してきた。汗が止まらない
大きな扉が開き領民が待ち望んだような顔でこちらを見ている。
非常に苦手である、皆のまなざし希望に満ち溢れたような顔。ただの子供ですぜ?
なあ~んにもできない子供、なのになぜ?・・
仕方ない、ここまで来たら腹をくくれパテル!俺も男だやるときはやるってんだ!
「さあ女神像に祈りをささげください!さすれば天啓がおりてくるでしょう!」
「天啓がおりてくれば脳内に浮かび上がりますので、降りてきましたらわたくし達にもお教えください」
いよいよか、いのれば天啓がもらえるのか?本当に?何がいいかな?めんどくさそうなのは絶対ダメだ、戦士はダメだ戦場に行かないといけない、だからと言って魔法使いは学校に行かないといけないし
内政なんてお父様が忙しいのは知ってるんだやりたくもない。じゃあ料理人?領主の息子が料理人だと皆ががっかりしないか?えーと、、、
なんだ?何がある??
「さあ!いざ天啓を!」
ええい!いっそのことバカにでもなってすべての責任から逃れたほうが楽なのではないか?もうわからんなんでもいい、楽な奴にしてくれ神様よ!!
その時神々しい光とともにパテルが包まれていく
「おおぉ、なんということだ!ここまで天啓が輝くことなど見たことがない!これはさぞすばらしい天啓を下さったのだろう!」
・
・
・
『バカ』
え?
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