第2話 美味しいジュースをとある少女は飲む 

「っと。」

(此処がこの国で一番大きいギルド.....)

ワイワイと声が聞こえる。冒険者パーティだろう、リフィア家の領地ではあまり見ないエルフやオークなど沢山の種族がいる。

歩くと冒険者登録のできる離れの建物が見えてきた。

「おおきい.....」ボソッ

石造りの大きく貫禄のある扉に呆然とする。

リフィア家の門も大きいが、矢張り国一番となると大きさが桁違いに大きくなるらしい。

オクレイ王国の首都 アルセイ。冒険者や国の役人。行商などが沢山集まる街。と案内板に書いている。

(ふ~ん。早く番号来ると良いな。)

矢張り人が集まるだけあり、此処では番号制らしい。

因みに番号は45だ。

因みに旅をするときは冒険者登録をしていると歩いた歩数で得点があったり、宿を安く泊まる事ができるなどいい事づくしなのだ。しかもこれはパスポートなどにも使え身分証の役割になるのだ。

(喉渇いた。)

周りをキョロキョロ見渡す。

近くにフードエリアがあるらしい。流石国内最大級のギルド。少し入って歩いていてみるとジュースショップがあった。入って良いのかソワソワしていると

「いらっしゃい。」

綺麗なお姉さんが出迎えてくれた。優しい。

(メニューは.....)

トロピカルマンゴー

ミックスベリー

アップル

沢山の種類がありどれも美味しそうだが、今日はこの3つのどれかの気分だ。

「お悩みかい?」

お姉さんは中身まで美しいようだ。

「マンゴーとアップル、ミックスベリーどれが美味しいの?」

そう言うとお姉さんはキョトンと言う表情を見せ真剣そうな表情になる。

「そうだね。私はミックスベリーかな」

と効果音がつくならキリッとした顔で答える。

「じゃあミックスベリーで。」

「ミックスベリーね。」

そう言うとお姉さんは厨房に向かっていった。


(お母様はやっぱり勘当して正解と思っていることね。こんな魔法も使えない魔力の量だけ多い子なんていらない。)

そうこの国の政治をしている奴は魔法が使える者が大半を占めている。そこに男女の差はない。故に兄で優秀な魔道士あるロートはハイレベルな国立の魔法学院へと進学している。

 感傷に浸っているとピンポーン。機械的なベルの音が聞こえる。

「ミックスベリーの方〜」

注文した品ができたようだ。

「は、はい」

「はいこれ。お値段は3レンド5ワンね」

王道的な値段だろう。

「はい。」

「ちょうどいただきますね〜。」

近くのテラス席へ座る。この場所は円の様になっていて沢山のお店が円状に並んでいる。真ん中には大きな大木があり心地よい木陰となっている。

ズズッ

「美味しい」

どろっとしていてアップルジュースの様にサラッとしていて水の様な感じではなく、ドロっとしたスムージーのようだ。ベリーの甘みと酸味が丁度よく合わさっていてとても美味しい。


ポーンポーン、番号札が光る。

「早く行かないと。」

とある少女は勢いよくスムージードリンクを啜った。




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